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会長就任にあたって 会長 杉田 成道
 人生というものには、 突然のように何かが襲い、 思ってもみない方向に人を引きずっていく、 そんなことがままあるものです。 まさに、 一寸先は闇、 明日のことは明日にならなきゃ判らない。
 遠藤会長から、 「次を頼む」 と下命された時、 まさにこんな心境でした。 いつまでも固辞しているのも、 男子たるもの、 潔しともいえず、 さりとて……と、 思い悩めるも、 ええい、 散るなら散るで花と散れ、 と清水とまでは行かず、 二階から飛び降りるようにお引き受けすることになった次第です。
 しかしながら、 非力な私故、 姑息ながら幾つかの条件を御願い致しました。 一つには、 会長、 副会長を一体化した集団指導体制にすること。 二つ目に、 監事に一般会社でいう監査役のような性格を持たせ、 重戦車を配置する。 三つ目に、 顧問群なるものを新設し、 会長経験者をこれに当てる。
 こうして生まれたのが、 松尾、 坂上、 黒井氏という、 疾駆する馬上から指揮刀を振りかざすがごとき、 行動する副会長群。 私と合わせれば、 静あり、 動ありの、 風林火山ともいった四頭立てであります。
 加えて、 空飛ぶ要塞B29とも言うべき、 鴨下、 重村、 工藤の三氏が、 監事として側面支援し、 行動領域の拡大を支える。
 さらに、 冷静、 沈思にして、 動かざること山のごとき、 岡田、 川口、 大谷、 遠藤の四巨頭が顧問団として、 方向性を善導する。
 これに、 若返った新理事の現役世代が、 思う様に自由闊達な議論を戦わせ、 新時代に向けて、 我々が向かうべき方向を模索し、 新たな提言を生み出していく。 こうしたことが出来れば、 という想いのもとに新布陣が結成されました。
 新旧一体となった大編成布陣ですが、 さらにこれから各委員会を含め、 全員参加型の、 一兵たりとも傍観者のいない、 行動し、 広がる協会にならんと、 執行部一同、 思念する次第であります。
 映像を取り巻く世界は、 ここ五年間ほどで激変することは、 目にみえています。 地上波デジタル、 IP電話を伴った光ファイバーの通信競争は、 一気にブロードバンド時代を具体化させていくでしょう。 それに伴い、 幾つもの異業種の人々が関わるようになって、 混沌とした状況が生まれると予測されます。 もはや、 映画、 テレビというだけでプロデューサーを考える時代ではなくなってきています。 多岐にわたる分野とクロスし、 情報を共有すると同時に、 人の繋がりを得ていくことが何より必要となってきています。
 会員エリアを拡大し、 より多くの人々が触れあうことで、 繋がりを幅広くさせることが、 結果的に時代の要請にあった協会にしていくことに繋がるのではないかと、 考えられます。
 このような時こそ、 映像文化への無私の精神が協会を支えていることを、 会員各位が自覚し、 参加することに意義がある協会に育てて行こうではありませんか。
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