2005年エランドール賞決定!!
エランドール賞委員会・委員長  市川哲夫 (TBS)

 今年も又、 エランドール賞の季節がやって来ました。
 各賞の選考経過についてご報告いたします。
 例年通り、 会員各位から寄せられたアンケート投票の上位者 (作品) について、 委員会で論議のうえ選考いたしました。 そして1月13日に開かれた第7回定例理事会で承認・決定の運びとなりました。

(新人賞)
 今回は男・女優併せて五名の例年にも増して、 若くフレッシュな才能が選ばれました。
 石原さとみさん、 伊東美咲さん、 長澤まさみさん、 成宮寛貴さん、 山本耕史さん (五十音順) のいずれも将来性豊かな大器ですが、 新年に入ってからの更にパワー・アップした活躍ぶりも皆様ご承知の通りで正にエランドールに相応しい顔触れです。

(作品賞)
 映画は85億を超える興収を上げ 「セカチュー」 ブームを巻き起こした 「世界の中心で、 愛をさけぶ」テレビはCX系で25年振りに連続ドラマで復活した 「白い巨塔」。 現代のドラマとして見事に造形されており2クールの長丁場を高視聴率で乗り切りました。

(プロデューサー賞・同奨励賞)
 今年から新たに奨励賞が設けられることになりました。 その年度に活躍したプロデューサーを顕彰しようという趣旨で、 理事会会員の賛同でスタートすることとなりました。
 映画部門のプロデューサー賞は 「世界の中心――」 の他にも 「いま、 会いにゆきます」 「笑の大学」 に参画された市川南さん。 奨励賞は現代の青春像を描いた 「スウィングガールズ」 の桝井省志さんが受賞されます。
 テレビドラマではNHK大河ドラマに新風を吹き込んだ 「新選組!」 の吉川幸司さん、 奨励賞はNTV 「たったひとつのたからもの」 で視聴率30%をマークした前田伸一郎さん、 CX 「Drコトー診療所2004」 の土屋健さんが揃って評価され同時受賞となりました。

(特別賞)
  「美しい夏キリシマ」 と 「父と暮らせば」 で秀作を連打したベテランの黒木和雄監督。
 多年に渡り、 日本映画・テレビ界で活躍、 昨年は10月五夜連続の 「弟」 を放送、 見事な成果を上げた石原プロモーションの小林正彦さん。
 そして、 その急逝が多くの人々に惜しまれた作家・脚本家の故・野沢尚さん。
 以上のお三方に特別賞が送られることとなりました。

 本年も各賞とも充実した顔ぶれとなったことを喜ぶと共に、 ご協力いただいた会員の皆様に心より感謝申し上げます。

輝く!2005年エランドール賞
授賞式・新春パーティーのお知らせ
歴史ある恒例のエランドール賞作品賞・プロデューサー賞・新人賞・特別賞の授賞式ならびに新春パーティーを次の通り開催します。
万障お繰り合わせの上ご出席下さい。

  (日時)  平成17年2月17日 (木) 午後6時30分開会 (受付は6時より)
  (場所)  新宿京王プラザホテル南館5Fエミネンスホール
  (パーティー会費)
        一般協会会員は、 毎月の会費に含まれています。
        賛助会員・功労会員・地方会員の出席者は、 会費8,000円です。
        一般の出席者は、 会費15,000円です。
        当日、 受付も致します。
        会員の皆様の多数のご参加をお待ち申し上げます。

 

* * * * * * * * * * * * * *   新人賞   * * * * * * * * * * * * * *  (五十音順/敬称略)
いしはら
石原さとみ       (1986年12月24日生   東京都出身 ホリプロ所属)

 第27回ホリプロタレントスカウトキャラバン 「ピュアガール2002」 グランプリ受賞。 映画 「わたしのグランパ」 (2003年) のヒロイン珠子役でデビュー。
デビュー作とは思えない堂々とした演技で第27回日本アカデミー賞をはじめ数々の新人賞を受賞した。 その後NHK連続テレビ小説 「てるてる家族」 (2003年)、 フジテレビ 「ウォーターボーイズ2」 (2004年) 等多くのテレビドラマで好演。
 現在はTBS 「H2」、 NHK大河ドラマ 「義経」、 映画 「北の零年」 など多数の作品に出演中。
 今最も注目され、 これからの活躍が期待される女優である。
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 いとう みさき
伊東美咲       (1977年5月26日生   福島県出身 研音所属)

 モデルとして活躍後、 フジテレビ 「らぶ・ちゃっと」 (2000年) で主演デビュー。
その後は、 フジテレビ 「新・お水の花道」 (2001年)、 NTV 「ごくせん」 (2002年)、 フジテレビ 「愛し君へ」 (2004年)、 映画 「模倣犯」 等多数の作品に出演。
 着実に女優の王道を歩み、 その爽やかな魅力で人気を得てきた。
 映画 「海猫」 (2004年) では、 透明感のある美しさと、 はかなげな危うさを持つヒロイン薫を見事に演じ切った。
 TBS 「ホットマン2」 では明るく家族思いの長女役を好演。 これからの活躍が最も期待される大型女優のひとりである。
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ながさわ
長澤まさみ       (1987年6月3日生  静岡県出身 東宝芸能所属)

 2000年第5回東宝シンデレラでグランプリに選ばれる。 映画 「クロスファイア」 (2000年) でデビュー。 その後 「なごり雪」 (2001年) 「黄泉がえり」 (2003年) など話題の映画に数多く出演。 デビュー以来順調に映画のキャリアを積んできた。
  「ロボコン」 (2003年) では、 第27回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
 2004年も 「世界の中心で、 愛をさけぶ」 「深呼吸の必要」 等多くの映画に出演しその演技力は高く評価されている。
 現在はフジテレビ 「優しい時間」、 映画 「ゴジラ ファイナル ウォーズ」 などに出演中。 今後、 さらなる活躍が期待される女優である。
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なりみや ひろき
成宮寛貴      (1982年9月14日生  東京都出身 トップコート所属)

 2000年宮本亜門演出の舞台 「滅びかけた人類、 その愛の本質とは…」 ケイン役でデビュー。 その後映画 「あずみ」 (2003年) 舞台 「浪人街」 (2004年) など多くの作品に出演。
 NTV 「ごくせん」 (2002年) の野田猛役の好演で注目され、 舞台、 映画、 テレビドラマなど多方面で活躍。 舞台 「お気に召すまま」 (2004年) では俳優として急成長を遂げ、 その勢いはとどまることなく出演映画が続々と公開。 現在はTBS 「Mの悲劇」 に出演中。 本年も映画 「NANA」 「乱歩地獄」 などが控え高い演技力で今後も更なる飛躍が期待される注目の俳優である。
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やまもと こうじ
山本耕史   (1978年10月31日生  東京都出身 ワイツー・カンパニー所属)

 幼い頃から子役として活躍し、 舞台、 テレビ、 映画とさまざまな分野で才能を発揮する。
 10歳の時 「レ ミゼラブル」 ガブローシュ役を射止め、 ミュージカル初舞台。
 フジテレビ 「ひとつ屋根の下」 (1993年) の文也役で鮮烈な印象を残すなど、 数多くのテレビドラマに出演。 2004年にはNHK大河ドラマ 「新選組!」 土方歳三役を好演。 また、 高い評価を得たミュージカル 「RENT」 (1998年) での準主役マーク役以来、 舞台での活躍もめざましく、 今後のミュージカル界を担う役者として注目が集まっている。 その活躍はミュージカル界だけに留まらず、 各方面での活躍が期待される注目の俳優である。


* * * * * * * * * * * * * *   作品賞 (TV Taro賞 ・ TVガイド賞)   * * * * * * * * * * * * * *
映画 (TV Taro賞)      「世界の中心で、 愛をさけぶ」      (配給/東宝)
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テレビドラマ(TVガイド賞)  フジテレビ 開局四十五周年記念ドラマ 「白い巨塔」
                                    (原作/山崎豊子)    (制作/フジテレビ 共同テレビ)

* * * *   プロデューサー賞/プロデューサー奨励賞 (兒井・田中賞)   * * * * (敬称略)
映画 (プロデューサー賞)
市川 南   (東宝 (株))
「世界の中心で、 愛をさけぶ」
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映画 (プロデューサー奨励賞)
桝井 省志 ((株) アルタミラ ピクチャーズ)
「スウィングガールズ」
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テレビドラマ (プロデューサー賞)
吉川 幸司 (NHK)
大河ドラマ 「新選組!」
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テレビドラマ (プロデューサー奨励賞)
前田 伸一郎 (NTV)
「たったひとつのたからもの」
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テレビドラマ (プロデューサー奨励賞)
土屋 健 (CX)
  「Dr.コート診療所2004」
* * * * * * * * * * * * * *   作品賞   * * * * * * * * * * * * * *  (五十音順/敬称略)
黒木 和雄 (映画監督)
作品  「美しい夏キリシマ」  「父と暮らせば」 ほか
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小林 正彦 (石原プロモーション専務)
作品  「テレビ朝日開局四十五周年記念 スペシャルドラマ 「弟」 ほか
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野沢 尚 (脚本家)
作品  「ラストソング」  「砦なき者」 ほか
2004年 アクターズ・セミナー を終えて
セミナー委員  中嶋等
 “川原の石ころ一つ一つが突然動き出した”。
始まったばかりのワークショップ会場は、 いきなり熱気に包まれた。 講師の中野昌宏氏が出した難しい課題に、 受講者たちは即座に応え、 無我夢中で演ずる。 テンションは否応なしに高まる。 そのひたむきさ真剣さに、 開始わずか10分で、 私は受講者ひとりひとりの演技に圧倒され、 引き込まれてしまっていた。 “自分を見てもらいたい”の一途な気持ちが、 素直に伝わってきた。 一生懸命さは人の心を動かすものである。 まだ無名の新人俳優たちを直接肌で感じ、 彼らのパワーを目の当たりにして、 三時間があっという間に過ぎていった。 「レベルが高いね」 の声が審査員から出た。
 次は、 出会いの広場。 待ってましたとばかりに75人の受講者は、 プロデューサーたちに群がった。 日頃聞きたかったことや思いのたけをストレートに投げかける役者たち。 プロデューサー諸氏は彼らの質問に紳士的に誠実に答えてくれていた。 質疑応答に耳を傾ける真摯な眼差しを持った者。 この時を逃すものかと食らいついてくる者。 それぞれ皆表情が輝いていた。
 そしてオーディション。 参加者一人に与えられた時間はわずか二分半。 彼らにとってはプロデューサーの眼前で自分を表現する最大のチャンスである。 不安と緊張が会場内に漲る。 審査員も真剣勝負の構え。 “一枚のプロフィールが動き出す”。 張り詰めた雰囲気のなか、 一人ずつが自己アピールと自由課題の演技を披露していった。
 終了後、 審査員による協議が行われ、 優秀者の発表がなされた。 審査員の厳しい批評と心優しい励ましの言葉があった。
 受講者たちにはメモリアルなセミナーであったろう。 川原の石ころが輝き出したとき、 誰かがそれを手にする。 「また会おう」 と私は彼らに言葉をかけていた。
 2004年のアクターズセミナーは成功裡に終わったと確信する。

※オーディションの結果、 優秀者には 「アクターズセミナー賞」 を授与しました。 この紙面で発表させて頂きます。
 今後の活躍が期待できると、 厳しい目をもった審査員が選んだ5人です。
 早くもキャスティングして下さったプロデューサーもおり、 感謝の意を表します。
 このセミナーを有意義なものとするためにも、 彼らにほんの少しでも構いません、 チャンスを与えて頂ければ幸いです。
(お問い合せは事務局まで)
* * * * * * * * * * *  「アクターズセミナー賞」 受賞者のみなさん  * * * * * * * * * * *  (五十音順)


市村直樹


井上翔輝

小林啓之

内山千春

立石由衣
私の新人時代
澤村國男  (松竹)
 松竹に入社して七年、 1960 (昭和三十五) 年6月に大規模な機構改革があって、 プロデューサーの助手になった。 本社に四年、 劇場に三年の勤務の後で、 歳も三十才になっていた。
 東西で年間八十本以上の映画が製作され、 撮影所には常に五・六本の作品が流れていた。
 そこに配属された新人で、 助手としてはロートルの、 日常の狼狽振りが、 次の幾つかの 「言葉の渦」 でお察し戴けるだらうか。
             ◇
 台本届けに来たんでしょ。 じゃァ裏に廻りなさいョ。 勝手口、 判る、 あなた新米ネ!
             ◇
 この程度の事も碌に出来ないんじゃ、 君にこの仕事は向いていないんだ。 すぐ荷物を纏めて帰った方がいい。 東京は遠くないョ。
             ◇
 つまらない本だねェ、 本当にこれ作る心算りなの、 又、 会社に損させる気だね。
             ◇
 プロデューサー助手の仕事なんて、 首から上は要らないんだョ。
             ◇
 あいつは、 能力がある訳じゃありません。 たゞ、 過勤料稼ぎなだけです。
             ◇
 駅前の地面に、 カメラとカメラマンが入れる位の穴を掘り度いんです。 車が廻り込んで来て眼の前で止まって、 ドアから女の足がスッと降りる画を、 ワン・カットで撮り度いんです。 許可とって貰えませんか。
             ◇
 ボクね、 愚図と馬鹿は大嫌い。 あの子は、 その両方ョ!
             ◇
 あの時は、 二度とこんな無理な仕事はさせないって言ったけど、 頼む、 もう一度だけ。
 実は、 この前より二日少ない実数十七日なんだけど、 悪い、 監督、 口説いてみてよ。
             ◇
 プロデューサーって言うのは、 監督が撮り度いものを、 撮らせて呉れる人のことを言うのョ、 今日は、 どうも有難う。
             ◇
 如何でしょうか、 当時の様子が伝わったでしょうか。
(終)
◎正会員入会
綾部昌徳
(A)
泉 常夫
(A)
秋葉千晴
(B)
井上文雄
(B)
佐藤直樹
(B)
椿 宜和
(B)
◎会員証の更新について
お持ちの会員証は3月末が期限です。
更新のためタテ3センチ×ヨコ2・5センチの写真 (カラー、 モノクロいずれでも可) 1枚を事務局までお送り下さい。
「平成16年度臨時総会」 開催のお知らせ
 定款第24条に則り、 左記次第にて臨時総会を開催いたします。
 なお、 当日、 ご都合にて欠席される正会員の方は、 総会成立のため必ず〈委任状〉同封ハガキをご送付下さい。


○日時 平成17年3月23日 (水)  午後6時30分
○会場 中央区銀座3−2−17  東映本社 (8F会議室)
○議案 @平成17年度事業計画 (案)と収支予算 (案)の件について

第38回ゴルフ会開催のお知らせ

 2005年春の親睦ゴルフ会を開催致します。 初参加の方は事務局までご連絡下さい。

 ≪日時≫    平成17年4月13日 (水)
 ≪場所≫    我孫子ゴルフ倶楽部 千葉県我孫子市岡発戸1110
                         電話 0471− 82−0111
 ≪時間≫    9時集合 ◎10時6分OUT・INスタート (4組ずつ)
 ≪締切≫    4月6日 (水)
 ≪会費≫    5000円
 ≪ペナルティ≫ 4月6日以後及び当日キャンセルの場合5000円

                     (社) 日本映画プロデューサー協会親睦委員会   電話 03− 3477−7355

 ○会議の記録
1月12日 (水)
セミナー委員会
(事務局)
1月13日 (木)
第7回定例理事会
(東映本社 8F)
1月17日 (月)
会報委員会
(事務局)
1月19日 (水)
エランドール賞委員会
(事務局)
1月21日 (金)
映画セミナー委員会
(事務局)
 ○会議の予定
2月7日 (月)
会報委員会
(事務局)
2月23日 (水)
第8回定例理事会
(NHKエンタープライズ21 4F)