337 2006年 新春特別号

 

謹んで新春のお祝辞を申し上げます   (会長 杉田成道)
2005年アクターズセミナーを終えて  (大多亮)(中嶋等)
会員年男 新年の抱負を語る  (瀬戸恒雄)(井上文雄)(菅康弘)(難波一弘)(大野哲哉)
P 協会への提言 C  (フェローピクチャーズ  福島聡司)
各協会の活性化は、 どのように行われているのか? C  (井上秀司)
私の新人時代  (東宝  本間英行)
輝く!2006年エランドール賞
事務局だより

          
        

謹んで新春のお祝辞を申し上げます

会長  杉田成道 (フジテレビ)

 昨年の放送界はたいへんな年でした。 NHKの受信料不払い運動から始まり、 フジテレビとライブドアの騒動が一段落したかと思えば、 TBSと楽天の激突が起きました。 年末にはNHKの改革を経済効率という視点から、 政府が考え始めたようです。
 一大地殻変動が一気に吹き出してきたようです。 放送と通信の融合という錦の御旗の下に、 ソフト獲得競争が公然と表面化し、 アメリカ型の株主優位の原則が、 すべてに優先することが常識であるかのような論調すら、 見受けられるようになりました。 政府もまた、 規制緩和の命題の下、 この流れを後押ししているかのような感がいたします。
 さながら明治の文明開化のごとき様相を呈しています。 資本、 資本、 資本の大合唱は、 金、 金、 金、 と聞こえるのは私だけでしょうか。 どこか、 文化の視点が欠落しているように思えてなりません。
 放送も映画も、 ともに国民の精神を支える文化であります。 笑い、 喜び、 泣く。 人々の心を支える文化そのものであります。 会社を獲った、 獲られたの前に、 まずそのことを提起すべきでしょう。
 このままでは巨大なネット社会に我々は、 気づかないうちに呑み込まれていくような気がしてなりません。 いかなる文化を創造していくのか、 この大命題に立ち返るしかないのではないでしょうか。
 人が生きること。 人が生活すること。 息づかい。 心が震えること。 幸せとは。 何のための放送か、 何のためのソフトか、 何のための映画か。 今一度、 私たちは自問する時に来ているようです。
 さて、 当協会のほうに目を移しますと、 ここもまた、 一大変革期を迎えています。 高年齢化に伴う、 年齢構成の急激な変化は、 先き行き、 協会の存立から危ぶまれる状況に立ち至っています。 現役若年層の会員を早急に増やしていく必要があります。
 若い人に魅力ある協会にするには、 と執行部では活発な議論が繰り広げられています。 本年にはカフェと呼ばれるような、 この世界の先達と若手を、 交流させる場も設けられるようです。 会員諸氏からもどんどんアイディアを頂きたいものです。
 また、 会員の範囲も、 映画、 テレビから、 来たるべきネット社会に対応するためにも、 大きく広げていかないと、 時の流れに対応できない恐れがあります。 新たな分野での新会員をご紹介いただくと幸甚であります。
 いずれにせよ、 新しい時代の、 新しい情報を得て、 新しい人と知り合う、 こうした場に当協会を持っていくことが、 こうした流れの速い時代における、 当協会の意味であろうと思われます。 ご協力をよろしくお願いいたします。

=・◆・= 2005年アクターズセミナーを終えて =・◆・=

審査委員長  大多 亮 (フジテレビ)
 プロデューサーの数ある仕事の中にスターを作るという作業がある。
 スターを自らの手で育てれば、 大きな武器にもなるし、 この業界そのものも活況を呈することになる。
 今回のオーディションに私はそういった視点で臨んでみた。
  「スターになる資質を持った役者はいないか」 という審査員達の真剣なまなざし、 チャンスをものにしようとする役者たちの一生懸命さがひしひしと伝わるいいオーディションになったと思う。
  「2分間でノーテーマ」 という審査方法は、 今後検討の余地はあると思うが、 その中で実力者6人が優秀者として選ばれた。
 ここからが私の最大のお願いだが、 どんな役でもいいので、 会員の皆様には、 この人たちを使ってほしい。
 一日をかけたオーディションが無駄にならないためにも、 そして、 皆様の武器に是非して頂ければと願って。
セミナー委員  中嶋 等 (松竹)
 会場がどっと沸いた。 受講者78名全員が大きく口を開け笑った。 瞬時に聴衆を取り込む巧みなトーク。 今回の講師・土田英生氏のワークショップは、 開放的な雰囲気で始まった。 年齢が近くフレンドリーなキャラクターは、 参加者を楽しませるツボを得ている。 まず、 一人の生徒をみんなの前に立たせる。 大きく息を吸って、 吐かせる。 呼吸を使って身体の状態をコントロールさせる訓練だ。 見入った参加者が無意識に呼応し、 おのおの同じように息を吸って吐く。 見学していたこちらまでもつられて深呼吸してしまった。 客側の緊張をもほぐさせる実験であった。 演じる側は先ず緊張を解きゼロの状態になること、 そこから何かを付け加えていく、 これが芝居をする上での基本であると土田氏は唱えた。 リラックスと緊張を繰り返す訓練がなされ、 氏の身振りを交えた愉快な喋りで盛り上がり、 生徒たちにとってトクした感ありのワークショップとなったはずだ。
 受講者は続いて 「出会いの広場」 に移行。 次のオーディションを考慮して昼食時間を短縮したが、 遅れる人もなく速やかに集合開始された。 名も無い役者やその卵たちがプロデューサーと顔を合わせ、 自由に話し合う場である。 いつもながら、 彼らの顔は熱心そのもの。 参加下さったプロデューサーは20名。 会場は向かい合った二部屋を使用し、 参加者は思い思いにプロデューサーを囲み、 じっくりと会話ができたようだ。 食い入るように耳を傾ける者、 積極的に質問を投げかける者、 自分のプロフィールを渡して売りこみをする者などさまざま。 参加プロデューサーも彼らの気持ちに応えるべく真剣に語っていた。 落ち着きの中に熱気を帯びた広場となった。
    
 そしてオーディション。 三時間に及ぶ長丁場。 のはずが、 時を忘れるほどに楽しめた。 「楽しくなければなんとやら」。 個性が輝く中身の濃いオーディションになった。 去年同様、 いやそれ以上、 受講した役者たちのレベルは高い。 それ即ちP協会主催アクターズセミナーの質の高さになる。 他とは一線を画すしっかりとしたオーディションとなった。 前回に引き続き今回もまた、 盛況で充実したアクターズセミナーであった。
 オーディションの結果、 優秀者に 「アクターズセミナー賞」 を授与しました。 審査員である14名のプロデューサーが、 厳粛に選んだ6名です。 演技力は折り紙つき。 今後の活躍が期待できます。 出演交渉は所属事務所へ。 お問い合わせはP協会事務局まで。
受賞者の皆さん (男女別50音順)
おかもと やすよ
岡本 易代
所属
アニマ・エージェンシー
電話
045−562−4907
ご協力下さったすべての方に感謝です!有難うございました。 これを励みに精進します。
かつらぎ ゆき
桂木 ゆき
所属
仕事
電話
03−3470−2881
瞬間、 瞬間を大切にし、 一歩一歩前進して行きたいと思います。
"一念、 天に通ず"
しらいし まみ
白石 マミ
所属
アミューズWill事業部
電話
03−5457−3332
沢山の事を学び、 経験してこれから励みに出来るとても貴重な一日でした。
ありがとうございました。
きしもと よしたか
岸本 啓孝
所属
M・M・P
電話
03−3478−3780
「ウソ、 僕が!?」。 でもホントでした。 有難いです。 大ウソついてホントの感動をつくってみたいです。
とうち ひろき
東地 宏樹
所属
豪勢堂 GLove
電話
03−5484−6751
名前を呼ばれた時に、 あやうく失禁するとこでした。
クリエイティブな現場が大好きです。 どうぞ宜しくお願い致します。
やね まさき
屋根 真樹
所属
ギュラ
電話
03−3409−4170
これからも経験を積んで、 素敵な俳優になれるよう頑張ります。  ありがとうございました。
  後日、 受講者のプロフィールを一枚一枚眺めてみた。 自己アピールが二分間という短い時間ではあったが、 今なおひとりひとりの姿が思い浮かばれ、 懐かしい気持ちになった。 あの日、 78名の役者との出会いがあった。 私と同様、 審査員の誰もがこの役者たちと出会い、 その顔を記憶に残したはずだ。 アクターズセミナーの意義はそこにあるんだなぁとふと気づいた。

会員年男 新年の抱負を語る

昭和21年生
東映  瀬戸恒雄

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 今年の干支 (えと) は、 戌 (いぬ) で私は年男で還暦を迎えましたが、 何故か実感がなくいつまでも気持ちだけ三十代、 四十代のつもりでいる自分が情けなく思います。
 サラリーマンである私は、 今年は定年の年でもあるわけで、 区切りの年であることに変わりはありません。
 思えば、 過去年男の頃はいつも節目の時期 (とき) でした。 二度目の年男は、 撮影所内で製作の現場に異動、 三回目の頃は映画の企画者の端くれとして、 六年目を迎え、 プロデューサーとしての仕事の奥の深さを再認識し、 反省の日々を過ごしておりました。
 四度目の四十八歳の時は、 Vシネマのヤクザアクション路線を突走っておりました。
 そして今年は?
 映像は、 何をテーマに、 何を描き、 誰れに観てもらうのか!私にとってこれは永遠の課題です。
 いずれにしても、 文字通り"節目の年"であり、 自分が係ったたくさんの作品の集大成として、 映像作りに携り映像文化の発展に努力していきたいと、 新年を迎えて思うところです。
昭和33年生
角川映画    井上文雄
 現場での呼び名の変遷。 「ぶん!」 → 「ぶんちゃん」 → 「ぶんさん」 → 「井上さん」 いつしか自分より若いスタッフの数が上回り、 「ベテラン」 という敬称の裏にある本音を感じ腐っていましたが、 実は自分が若ぶっていただけで世の中では当然の年齢になっていました。 「現場第一」 それだけでは許されない環境を、 『年男』 という節目の年に再認識しています。 助手会を開き、 日々の不満を肴に酌み交わした仲間が今や映画製作の中心を占めています。 その戦友が今の自分の支えとなっています。 中身は何も成長せずに年齢だけは無駄に累積してしまった感覚のなかで模索する日々です。 昨年の協会のパーティで慣れない名刺交換に翻弄している私に声が掛かりました。 「ぶん!」 笑顔の先輩が立っていました。 「随分白くなったなあ、 髪が」 「えぇ、 年ですから」 「あんまり調子に乗るなよ」 「…はい」 その後も次々に 「ぶん!」 と…。 やはりこの業界ではまだまだヒヨッコである事を自覚しつつ、 暖かいものを感じ気持ちを新たにしました。 超遅咲きの大型新人を今年もよろしくお願いいたします。
NHK   菅 康弘
  「年男」 なので年頭に会報に載せる原稿をお願いしますと言われて、 ちょっと愕然とした。 「年男」 って、 48歳かぁ…。
 年頭の原稿だから、 「未来に向かって!」 とか 「今年はこういうことを!」 とかいう前向きな内容がふさわしいのだろうが、 このくらいの歳になってくると、 たくさんの大先輩達から見るとまだまだ 「ひよっこ」 の私でも、 ついつい 「入社してからもう25年かぁ」 とか 「ドラマを作り始めて20年かぁ」 とか、 回想モードに入ってしまう。 そう思って回想していると、 ひとつのことを20年もやっていると飽きそうなものだが、 私はどうも 「ドラマを作る」 という仕事には飽きてないというとことに気づいた。 この仕事、 そしてこの現場、 考えれば考えるほどなかなか面白い。 ものの本によると、 戌は安産のお守りだというし、 今年も新しいものを生み出すこの仕事、 張り切ってやっていきましょう!皆様、 本年もよろしくお願い致します。
TBS   難波一弘
 年男。 今まで何度も経験しているようなきもしますが、 よく考えてみれば今回で4回目です。 最初は年男と呼ばれる事もなかった小学生。 次はTBSに入ったばっかりのAD時代で超多忙、 かろうじて曜日は分かるものの、 今が何年で何月かも気にしない時代でした。 3回目は、 入社以来やっていたバラエティから希望のドラマに異動になった年でしたが、 年男を意識した事はありませんでした。 そして、 4度目の年男はBS−iで迎えることになりました。
 BSデジタルは昨年夏、 遅ればせながらやっと1000万を突破し、 私自身も、 中村勘三郎さんご出演の1000万突破キャンペーンCMなどを演出しました。 今から思うと、 以前はBSデジタルの認知が上がらず、 「どうやったら見られるの?」 とか 「料金はいくら?」 とか聞かれたりすることも多く、 飲食店で領収書をもらうときも 「BSI」 と書かれて経理を通らず、 何故社名を小文字のiに決めたんだと憤ったこともありました。 ところが、 1000万突破のおかげか、 最近ではそんな事も少なくなり、 番組も次第に話題になってきて、 嬉しく思っております。
 そういう意味では視聴環境が整ってきた2006年は、 勝負の年。 実質的な 「BSデジタル元年」 ともいえます。 BSの新たな可能性にチャレンジし、 大いなる飛躍の年となる為、 個性的なコンテンツ創りに励みたいと思っております。
 5度目の年男を迎える頃には、 テレビはどんな姿になっているのでしょうか…。
昭和45年生
日本テレビ   大野哲哉
 皆様、 明けましておめでとうございます。
 今回、 年男の抱負を書くように、 と依頼を受けたわけですが、 困りました。
もう36歳なの・・という戸惑い、 3月生まれなので、 まだ35歳なんだよ、 と甘えていたい気持ち、 そもそも私の抱負を誰が聞きたいんだろうという疑問、 最後に、 自分はこのままでいいのかという焦燥が押し寄せ、 私は軽いパニックに陥った。
 その時、 何かで読んだ話を思い出した。 一生を人の1日に換算するのだ。 朝8時に起き、 24時に就寝するとし、 人の平均寿命を80歳と大雑把に仮定する。 すると、 1時間で人は5歳進むことになる。
 長い眠りから覚めた赤ん坊は朝8時に目覚め、 成人を迎える頃、 日は最高点に達する。 太陽は明るく前途を照らしている。 35歳、 午後3時の太陽はかげりはじめ、 日暮近くの風情を早くも漂わせる。 そして、 60歳、 午後8時の食卓には、 収穫の果実が並んでいるのだ。
 しかしだ、 問題は、 私に午後の3時間を過ごした実感がまるでないことだ。
それが私を惑わすのだ。 日は早く、 私はそれに追いつけないでいる。
 孔子は40にして惑わずという。 これからの4年間を全力で駆け抜ければ、 もしかしたら、 この戸惑いや焦燥が少しでも晴れるのではないか、 そう信じて、 頑張りたいと思う。
 最後に、 昨年10月から2時間ドラマの新しいチャレンジとして、 ドラマコンプレックスが始まりました。 どうぞ、 よろしくお願いいたします。
協会への提言C
フェローピクチャーズ  福島聡司
 ここ数号の会報を読んで、 各協会それぞれが若年層の会員拡大に苦労しているのがよく分かりました。
 さほど若くもない私に、 若いプロデューサーの視点でと原稿の依頼があるのだから、 プロデューサー協会の年齢層のピラミッド化はそれだけ深刻なのだろう。
 ただ、 プロデューサーには年齢なんか関係ない、 良い仕事が出来なくなったとき、 それが引退する時期だと自分に言い聞かせている。
 こんなことを考えているのだから、 やはりもう若くないのでしょう。
 さて、 この度の活性化及び若年層の会員拡大というテーマですが、 現状ではかなり困難な問題と言えるでしょう。 現に私自身数人のフリーのプロデューサーへの勧誘を試みました。 返ってくる答えはほとんど同じで 「高い会費を払って協会が自分たちのために何をしてくれるのか?」 というものです。 私自身それに答えられませんでした。 逆に考えると自分たちのプラスになるのなら入会しても構わない、 ということになります。 プラスになるもの、 それは権利の主張だと私は考えます。 現状では映画の著作権は映画製作会社へ帰属することになっていますが、 プロデューサーにも 「著作権」 を獲得出来るよう、 協会が中心となって活動することを切に願います。 監督、 脚本家にはロイヤリティが支払われるのに、 両者に仕事を依頼したプロデューサーには何故支払われないのでしょうか? 協会様式の契約書にもちゃんと明記してあるにもかかわらず。
 あと、 希望と提案を一つずつ書かせて貰います。 ひとつは会費の問題。 年、 36,000円の会費が高いか否か。 会社からの助成金があるひとは別ですが、 そうでない私などは相当な負担となります。 日本アカデミー賞協会の会員でもあるから尚更だ。 振り込みを頼む時、 愛妻の顔がとても怖く見えます。 アカデミー並の会費もしくはアカデミーより多くの映画が無料で鑑賞出来ることを希望します。
 もう一つの提案、 それはタイトルです。 映画でカメラマンの名前の後に (JSC) とよく書かれています。 ご存知のように日本撮影監督協会の略称です。 それに習って我々も名前の後に (ANPA) と明記してはいかがでしょうか。 一般の観客で多少興味のある人はネットなどで検索し、 我が協会の存在を知る人が出てくるのではないでしょうか。
 長々と書いてしまいましたが、 私自身もこれからの協会の活性化と繁栄を切に願っているひとりであります。 ちなみに、 前身の 「日本映画製作者協会」 の創立の網領は 「相互扶助の精神にもとづき会員の職能の確立と、 経済的地位の向上をはかり、 ひいては日本の映画文化の発展に寄与する」 というものだったそうです。 どうぞ皆様お忘れなきように。
各協会の活性化は、 どのように行われているのか?C
前回の編集協会・スクリプター協会に引き続き、 御寄稿いただきました。
日本映画・テレビ録音協会副理事長  井上秀司
 日本映画・テレビ録音協会としても、 協会の活性化は大きなテーマとして捉えております。 会員が創造力のある作品作りに参画し、 互いに刺激を与えられる関係になる事が協会の活性化につながるものだと信じますが、 中々計算通りには進みません。 当協会では活性化に向けた地道な活動を行っております。 その活動の一部をご紹介致します。
その1、 セミナー&技術情報
 協会会員であれば誰でも参加できる分科会を結成し、 技術的問題点の究明、 他団体との交流、 セミナー開催案の検討など幅広く意見交換を行っています。 分科会メンバーには若手・中堅を中心に、 多くの意見を取り入れ協会活動のバランスの良い活性化につながるよう心がけています。 これまでに開催したセミナーは、 「最新ハードディスク同時録音機・録音技術者に聞く」、 「放送界における5.1サラウンド制作へのアプローチ」、 「VARICAM・デジタルシネマ制作」、 「ハリウッド流・映画製作システム」、 「紅谷流・映画録音の世界」、 「24P映画制作・模倣犯を語る」 など、 時代にマッチする最も旬なテーマを協会独自の切り口でいち早く取り上げ、 成果を上げています。
 最近行ったセミナーは 「最新4Kデジタルシネマ鑑賞会」 を開催しました。 六本木ヒルズに於いて公開中の 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 が、 世界に先駆けて4Kデジタルシネマ版(DCI仕様)でネットワーク配信・興行を行っているため、 「興味ある方は一緒に鑑賞しましょう」 と声をかけました。 このような 「最新情報の共有」 は協会としての活性化となります。
その2、 WEBの活用
 今年度、 WEBをリニューアルしました。 若手やセミナーなどに参加出来ない会員達が注目するようなWEBコンテンツが必要と考え、 分科会、 セミナー委員会、 協会誌などとの連携をしております。 WEBマスターは若手会員に依頼し運営しております。
その3、 協会独自の表彰制度
 当協会主催で映画部門とテレビ部門の 「録音賞」 の表彰制度を一昨年度から開催しております。 撮影現場での同時録音技術、 最終ダビングを行う整音技術、 そして作品意図を適切に処理する音響効果技術が 「録音賞」 の対象となります。 会員が審査候補作品のノミネートを行い、 理事や録音技術者の音のプロが厳正に審査を行い、 受賞作品を決定します。 第二回の受賞者は最優秀録音賞 『誰も知らない』、 最優秀音響効果賞 『海猫』 でした。 来年の総会で表彰するのが第三回となり、 「録音技術者の表彰制度」 は協会会員の技術と感性の向上、 そして活性化にもつながると考えています。
私の新人時代
東宝  本間英行
 "心をこめた夢作り"東宝50周年のキャッチである。 映画界は 「E・T」 が日本中を席巻した昭和57年、 私は東宝に入社した。 製作に関する仕事は一切ないという募集要項を知りながら、 監督志望の私は宣伝志望と偽って入社面接をなんとか突破する。 しめしめ入ったらこっちのものとばかり、 砧の撮影所通いが始まる。 その当時は東宝はたのきん映画が全盛であり、 撮影所の回りはおっかけの女の子があっちこっちでたむろしていた。 一見派手な夢工場のイメージではあったが、 現場がないときは講義が終わった大学の構内のような閑散とした寂しさがあった。 僕はしばしば助監督室を訪れた。 古ぼけたプレハブの小屋だったが中に入ると紫煙とコーヒーの香りが充満し、 びっしりと詰まった本棚には圧倒された覚えがある。 黒澤監督もここを訪れたりしたのかと胸をときめかせて、 先輩たちの映画作りへの思いをよく聞いた。 研修期間は半年間であり、 とにかく助監督として取ってもらおうと自分なりにアピールをし続けた。 ほとほと人事を困らせた新人だったのである。 当時、 東宝映画の林専務 (現、 東宝(株)顧問) が人事に働きかけて下さったが、 結果は報われずに出身地の名古屋である中部支社への配属となったのである。 ガックリと肩を落とし都落ちした私の配属先は劇場であるエンゼル東宝の営業係。 夏興行配収18億を上げた 「ハイティーンブギ」 の終了間際だった。 それでも日曜日は若い女の子で場内はごった返し、 慣れない私は四苦八苦していた。 次の番組が 「幻の湖」 でありこれが恐ろしいほど全く入らず、 劇場が番組次第であるのを目の当たりにした。 一日で客層がガラリと変わる。 世の中にはいろんな映画ファンがいるもんだなあ、 などとお客の生の声が聞けたこの一年の劇場勤務は、 今の製作側に立った自分には貴重な経験だった。 作り手の仕事人は一度は興行を知るべきだと思ったりする。 開場前にがらんとした空気の止まった場内に座り、 一人自販機のコーヒーを飲みながら一日が始まったあの頃がなつかしい。
* * * * * * * *    輝く!2006年エランドール賞   * * * * * * * *
授賞式・新春パーティーのお知らせ
歴史ある恒例のエランドール賞作品賞・プロデューサー賞・新人賞・特別賞の授賞式ならびに新春パーティーを次の通り開催します。
万障お繰り合わせの上ご出席下さい。
(日時)
平成18年2月9日 (木) 午後6時30分より
 
(場所)
新宿京王プラザホテル南館5Fエミネンスホール
 
(パーティー会費)
   

正会員は、 毎月の会費に含まれています。
賛助会員・功労会員・地方会員の出席者は、 会費8,000円です。
一般の出席者は、 会費15,000円です。

 
会員の皆様の多数のご参加をお待ち申し上げます。
正会員入会
稲田大介 (A)
◎退 会
中井信介 (NTV)
◎訃 報
功労グループの斎藤米二郎氏は去る十二月二日逝去されました。
心からご冥福をお祈り致します。
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 ○会議の記録
12月8日 (木)
第6回定例理事会
(NHKエンタープライズ)
12月12日 (月)
会報委員会
(事務局)
12月21日 (月)
エランドール賞委員会
(事務局)
 ○会議の予定
1月16日 (月)
会報委員会
(事務局)
1月24日 (火)
第7回定例理事会
(東映本社 8F)
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