339 2006年 3月号
華やかに2006年エランドール賞授賞式開催!!
エランドール賞顛末記 ・・・ 若泉久朗 (NHK)
「平成17年度臨時総会」 開催
私の新人時代 ・・・ 原 克子 (松竹)
事務局だより
          
華やかに2006年エランドール賞授賞式開催!!


堀北真希さん  速水もこみちさん  沢尻エリカさん  内山理名さん  伊藤淳史さん  

 
 晴れやかに、 2月9日 (木) 新宿・京王プラザホテル・エミネンスホールで 「2006年エランドール賞授賞式」 が開催されました。
 歴史ある私達の協会が 「日本映画製作者協会」 として発足したのが1954年でした。
 その年の 「年忘れパーティー」 が、 「新春パーティー」 に、 そして 「新人俳優の表彰制度」 が後の 「エランドール新人賞」 (ELAN DOR:黄金の飛翔) へと名称は変わりましたが、 第一回受賞者は−池内淳子・石原裕次郎・川口浩・草薙幸二郎・白川由美・杉田弘子・高倉健の皆さんでした。
 この行事は、 協会の、 永い歴史と伝統の重みから、 日本映像業界の数ある賞の中でも最も権威のあるものの一つになっています。
 司会はおなじみの小林大輔さん。 エレクトーン演奏は永田勝子さんです。
 冒頭、 杉田成道協会長の開会の挨拶があり、 来賓の祝辞は、 文化庁文化部芸術文化課の竹下典行課長と、 放送批評懇談会の志賀信夫理事長のご挨拶をいただきました。
 続いて、 前協会長の遠藤利男顧問の乾杯の音頭によって、 いよいよ華麗なる授賞式はスタートを切ったのです。
 まず、 「エランドール特別賞」 の授与は副会長の坂上順東映常務取締役より。
 デビュー七十年余の女優活動で平成十七年度 「文化勲章」 を受けられ、 さらに昨年は 「放浪記」 や放送開始八十周年記念のNHK 「ハルとナツ」 で全国の人々に大きな感動を与えた女優の森光子さんに贈られました。
 続いて、
 映画 「独立愚連隊」 や 「日本のいちばん長い日」 などの数々の傑作を世に送り出し惜しまれて亡くなられた映画監督岡本喜八さんと、 夫人の岡本みね子さんとの製作会社 「喜八プロダクション」 に贈賞されました。 喜八プロは 「大誘拐」 などの喜八監督作品以外にも 「娘道成寺・蛇炎の恋」 を製作しています。
 そして、 その急逝が多くの人々に惜しまれた、 映画 「飢餓海峡」 や 「五番町夕霧楼」 など、 日本映画の名作の脚本を数多く手掛け、 テレビドラマもNHKの大河ドラマ 「三姉妹」 やフジテレビの 「白い巨塔」 など数々の感動作を世に送りシナリオ作家協会の会長としても貢献された脚本家・鈴木尚之さんの奥様・鈴木朝さんに特別賞が贈られたのです。
 又、 映画 「砂の器」 や 「拝啓天皇陛下様」 などの監督として社会性を盛り込んだサスペンスから喜劇まで幅広い作品を世に送り出した日本映画の名匠・故野村芳太郎監督のご子息・野村芳樹さんに特別賞が授与されました。
 そして、 特別賞の最後は東宝と共同テレビで映画製作、 テレビドラマとしては、 フジテレビで制作された 「電車男」 の映画とテレビの素晴らしいコラボレーションの成果に特別賞が各社のプロデューサー山内章弘さん、 川村元気さん、 稲田秀樹さん、 鈴木吉弘さんに授与されたのです。
 プレゼンターも、 脚本家の橋田壽賀子さんや監督・脚本家の高山由紀子さん、 俳優の京本政樹さん、 脚本家の古田求さんがお祝の花束をお渡ししました。
 続いて 「エランドール作品賞」 は、 テレビ部門は、 平均視聴率28%という抜群の人気を獲得し、 若者にとどまらず、 多くの視聴者の共感を呼び、 女性教師と若者達の熱気溢れるドラマは、 学園ドラマの歴史の中でも出色の作品 「ごくせん」 (日本テレビ制作) が受賞しました。
 そして映画部門は、 昭和三十三年の東京を舞台に、 当時の日本人の人情を余す所なく描き、 多くの観客の共感を呼び、 又、 最新のコンピューター・グラフィックス技術を映像に駆使し、 新たな表現の地平を切り拓いた 「ALWAYS三丁目の夕日」 が受賞されました。
 各々の代表として、 日本テレビの加藤正俊プロデューサーと (株) ロボットの代表・阿部秀司さんが、 協会副会長の黒井和男角川映画社長より授与され、 次いで東京ニュース通信社より提供された 「TVガイド賞」 は稲垣知哉編集長から、 「TVTaro賞」 は青山薫夫編集長から手渡され、 プレゼンターも女優の乙葉さんや山崎貴監督がお祝の花束をお渡ししました。
 続いて、 ひときわ高鳴るファンファーレと共に、 歴史と栄誉ある 「エランドール新人賞」 の授与式が行われました。
 伊藤淳史さん、 内山理名さん、 沢尻エリカさん、 速水もこみちさん、 堀北真希さんが、 2005年度において、 優れた感性と新鮮な演技をもって、 映画・テレビ界で目覚ましい活躍をし、 今後一層の研鑚と飛躍を期待すると、 杉田成道会長より表彰状とトロフィー、 そして副賞として腕時計 (平和堂貿易/工房槐提供) が手渡されました。
 又、 それぞれの受賞者へ、 お祝いにかけつけたプレゼンターのフジテレビの鈴木吉弘プロデューサーや、 脚本家の浅野妙子さん、 そしてプロデューサーの石原仁美さんや、 日本テレビの加藤正俊プロデューサー、 そして、 「三丁目の夕日」 の監督・山崎貴さんから 「日本ばら切花協会」 の提供による逸品のバラの花束が手渡されました。
 そして最後に 「エランドール・プロデューサー賞 (田中友幸基金賞) の授与式が行われました。 映画部門は 「ALWAYS 三丁目の夕日」 の阿部秀司さん。 昨年から設けられた、 「プロデューサー奨励賞」 は 「NANA ナナ」 のTBSテレビ濱名一哉さんが、 受賞されました。
 又、 テレビドラマ部門では 「ごくせん」 の加藤正俊プロデューサー。 奨励賞は、 「タイガー&ドラゴン」 のTBSテレビ磯山晶さんが受賞されました。 そして、 プレゼンターも、 監督の山崎貴さん、 俳優の成宮實貴さん、 女優の乙葉さん、 そして脚本家の宮藤官九郎さんが駆けつけてくれ、 なごやかな中にも華やかに最後には、 協会名物の楽しい 「福引き大会」 が行われ、 大盛況裡に無事幕を閉じました。
 皆様に心よりお礼を申し上げます。

阿部秀司さん

加藤正俊さん

濱名一哉さん

磯山 晶さん
エランドール賞顛末記
若泉 久朗 (NHK)
 エランド−ル賞は毎月一回の実行委員会を積み重ねて準備します。 その年に最も輝いた新人、 作品、 プロデュ−サ−、 特別賞を選ぶために、 最初はのんびり始まるのが10月過ぎからリストアップ、 アンケ−ト実施、 そして選考、 授賞式と一気にヒ−トアップします。 もちろん映画、 テレビともにそれぞれの威信を賭けて熱い議論が交わされるのですが、 市川委員長の冷静な手綱さばきのもと、 小林副委員長や中山さんたち大先輩の伝統を意識した機知にとんだ意見で見事にまとまっていく様子は、 事務局の熊谷さんのおだやかな人柄とあいまって、 実行委員会ではまだまだ若手の私には、 毎回楽しみなおにぎりを頬張りながら、 プロデュ−サ−の奥深い至芸に見えるのです。
 さて今年も輝く五人の新人俳優、 特別賞を中心に大勢の取材陣に囲まれて盛大にパ−ティ−を盛り上げねばなりません。 例年の経験では、 当日の進行は始まるとかなりバタバタで、 それぞれのポジションの自己判断と力技で見事にまとまります。 今年の特別賞のお一人が、 森光子さん。 プレゼンタ−は御本人のたっての御希望で橋田壽賀子先生。 担当はまさかの私です。 久々に助監督時代の緊張が走ります。 大物お二人ですから控室は各局の大先輩が次々に訪れてなごやかなサロンと化すなか、 直立不動の私は迷路のようなホテルの経路と分刻みの段取りをひたすら反復。 バタバタと走っては実行委員会の土屋さんや司会の小林大輔さんに確認、 まさかの失敗は許されず、 森光子さんを誘導するエレベ−タ−で何故か北島三郎さんとはち合うハプニングもあり、 あっという間に本番。 スタンバイの舞台裏では他の受賞者やゲストの方々が森さんと橋田先生に延々とあいさつで盛り上がるなか、 「行きます、 お願いします!」 と私は絶叫。 気づいてみれば無事終了しました。 これからの実行委員会、 若手の方も是非!
「平成17年度臨時総会」 開催
定款第24条に則り、 下記次第にて臨時総会を開催いたします。
○ 日時
平成18年3月27日 (月)  18時30分
○ 会場
中央区銀座3−2−17 東映本社 (8F会議室)
○ 議案
@平成18年度事業計画 (案) と収支予算 (案) の件について
尚、 当日ご都合にて欠席される正会員の方は、 総会成立のため必ず〈委任状〉同封ハガキをご送付下さい。
私の新人時代
松竹株式会社 プロデューサー 原 克子
 弊社テレビ部には通称 「佐々木学校」 と呼ばれるAPの登竜門があった。 大先輩・佐々木孟プロデューサーから仕事のいろはを教えてもらう習わしのことだ。 佐々木さんは 「白い滑走路」 など数々のシリーズを手がけ、 当時は定年を経て契約プロデューサーとして活躍されていた。 私は、 その佐々木学校の初日に 「金とギャンブルと女 (君の場合は男だね)、 この三つに気をつけなさい」 と訓示を受けた。 佐々木さんは、 打ち合わせと称し、 よく会社近くの麻雀荘に出入りしていた。 現場で生じたトラブルも 「会議室で話すよ」 とおっしゃると、 それは雀荘のことで、 そこには卓を囲んでテレビ局のプロデューサーや監督たちがいた。 そんなある日、 私は自分の書いた企画書を持ってその雀荘に来るように言われた。 佐々木さんはその場で企画書を読み、 容赦なくダメだしをした。 私は会社に戻り、 やり直しては、 また雀荘に向かう。 「そのぐらいで勘弁してやったら・・・」 同じ卓にいた脚本家が気の毒そうに助け舟を出してくれるが 「ダメなものはダメ。 やり直し!」 と返される。 「君の宿題が終わらないと僕は帰れないからね!」 と釘をさされる始末。 真摯な気持ちになって、 パソコンに向かい、 三度目の提出でやっとオーケーが出た。 卓を囲んでいた皆に拍手され、 「君が来てから、 佐々木さんのツキが良くなったよ」 「この子の名前はカツコだから、 当然だよ」 「なんだ、 じゃあ次は僕の用事でやってきてよ」 などとジョーク交じりの暖かいお褒めの言葉があり、 私はホッして雀荘を後にした。 なんとユニークな懐の大きい、 優しさに満ちた学校であったことか。 私はしばらくこの佐々木学校で、 多くの先輩たちから教えを請い、 学び、 そして徐々にプロとしての意識に芽生えていった。
 今でも、 仕事で困難な課題を抱え、 結果が見えるか見えないかの、 混沌とした時、 私はよくこの新人時代を思い出し、 ふっと心が軽くなる。 なにもわからなかった自分を暖かく見守り、 励ましてくれる人たちがいたからだ。
 私もいつかは、 どこかのワインバーで、 「原学校」 と称し訓示をたれる日がくるのだろうか……。
◎賛助会員入会   株式会社 ネクスト
◎退会   鈴木 聡 (E)
第40回ゴルフ会開催のお知らせ
2006年春の親睦ゴルフ会を開催致します。 初参加の方は事務局までご連絡下さい。
〈日時〉
平成18年4月19日 (水)
〈場所〉
我孫子ゴルフ倶楽部
千葉県我孫子市岡発戸1110   電話 (0471) 82−0111
〈時間〉
8時30分集合
 ◎9時31分OUT・ INスタート (4組ずつ)
〈締切〉
4月10日 (水) 事務局必着
〈会費〉
5000円
〈ペナルティ〉   4月10日以後及び当日キャンセルの場合   5000円

(社) 日本映画テレビプロデューサー協会 親睦委員会 電話(03) 3477−7355
 ○会議の記録
2月13日 (月)
会報委員会
(事務局)
2月22日 (水)
第7回定例理事会
(NHKエンタープライズ)
 ○会議の予定
3月13日 (月)
会報委員会
(事務局)
3月27日 (月)
第9回定例理事会
 
平成17年度臨時総会
(東映本社)
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