341 2006年 5月号
ス☆タ☆ア☆誕生! !・・・ 矢部勝 (東宝アド(株) 営業統括付)
                下村忠男 (松竹(株) 経営情報企画室)
                井上文雄 (角川ヘラルド映画 (株) チーフプロデューサー)
只今撮影中 ・・・ 横地郁英 (テレビ朝日)
私の新人時代 ・・・ 手塚治 (東映)
事務局だより
          
誕生 !!
──映像作品に俳優さんは欠かせません。 将来光り輝くであろう原石を発掘する作業が活発化しています──

  「第6回東宝 「シンデレラ」 オーディションについて」

東宝アド (株)  営業統括付
 矢部 勝

  1984年、 東宝創立50周年の記念イベントとして行われた第1回東宝 「シンデレラ」 オーディション。 初代シンデレラは沢口靖子。 以来5代目の長澤まさみ迄、 時代を映す多彩な女優を発掘してきました。 前回から5年ぶりとなる今回の開催のタイミングを決めたのは長澤まさみの女優としての成長にありました。 映画を中心に、 今や若手女優のトップに躍り出た彼女の活躍はご存知のとおりで、 これからも実力派の女優として映画・ドラマの第一線に立ち続けることでしょう。 つまり、 誰もが認める長澤の成長を確認したところで、 彼女に続く、 新たな女優の卵を発掘するタイミングが来たということです。 第6回のキャッチコピーは 「一緒に歩こう!」。 先輩・長澤まさみが歩く道を一緒に歩きませんかという呼びかけでした。 予想以上の反響を呼んだ応募は過去最多の37,443人を数え、 その頂点に輝いたのは、 香川県の黒瀬真奈美くん (14歳) でした。 彼女が過去に例を見ない程に難航した審査を突破した最大の理由は、 まだ何ものにも染まらない透明感と清潔感の持ち主ということです。 このオーディションはあくまでも女優の卵、 原石を探し当てることが主眼であり、 その意味で未来のシンデレラ女優になる可能性に海千山千の審査員の多くが一票を投じた結果でした。 今後は東宝芸能に所属して同僚や諸先輩に囲まれながら演技の勉強に励むことになりますが、 近々では、 この夏公開の長澤まさみ主演最新作 「ラフ」 で主人公の後輩役で映画デビューします。 オーディションの現場のスタッフとしては、 初心を忘れずに誰からも愛される女優・黒瀬真奈美に成長してくれることを陰ながら見守りたいと思います。 そして、 「目指せ!黒瀬真奈美」 を合言葉に第7回が開かれることを心から楽しみにしています。

  「松竹 STAR GATE」

松竹 (株)  経営情報企画室 下村 忠男

  2005年、 創業110年を迎えた松竹は 「伝統は挑戦から生まれる」 をキーワードに様々な記念企画を行いました。 オーディション 『松竹STAR GATE』 も記念企画の一環として行われました。
  時代が変わり技術やメディアが変化しても、 輝きを放つ 『スター』 は求められます。 その原石を松竹グループで発掘・育成することを目的に 『松竹STAR GATE』 は始まりました。
  かつて女優王国と言われていた松竹の映像部門を中心とした全部門、 そして所属先となる松竹エンタテインメント、 松竹芸能からスタッフが結集し、 まさに松竹グループの総力をあげてのプロジェクトとなりました。
  2005年春の募集開始から書類選考、 8月に全国5ヶ所で二次審査、 10月に松竹本社にて三次審査を行いました。 三次審査では、 演出部の書いたオリジナル台本を使用して社内の演劇・映画・テレビのプロデューサー約20名が審査。 最終選考会は11月26日歌舞伎座にて行われました。 10,378人から選ばれた12人がシルエットでセリから登場し、 最終選考会がスタートしました。 歌舞伎座でオーディションをするのも初めてなら、 花道を水着審査のウォーキングに使うのも初めてのこと。 スタッフの緊張をよそに出場した12名は皆いきいきと舞台上で表現していました。 そしてグランプリに決定したのは、 京都出身の海老瀬花子さん (20歳)。 学生時代は陸上選手としてジュニアオリンピックにも出場したという健康美の持ち主で、 着物の似合う大和撫子的な面を持つ京美人です。 準グランプリは西川風花さん (14歳)、 審査員特別賞は境円香さん (13歳)、 キャラクター賞は黒田愛さん(16歳)が受賞しました。 特別審査員として山田洋次監督、 中村勘三郎さん、 森口瑤子さんには、 審査からフィナーレの授与式までお付き合い頂ました。 「110年に一度の大女優発掘計画。」 と銘打ったオーディション 『松竹STAR GATE』、 グランプリの海老瀬さんには映画でのデビューが予定されています。 今後、 受賞者みんなが多くのファンの声援をうけ、 存在感のある女優になることを願っております。


  「ミス・フェニックス」 オーディションについて

角川ヘラルド映画 (株)  チーフプロデューサー
  井上 文雄
 常にその時代の鏡として多くのスター・アイドルが生まれてきました。 その活躍の場はCM・ドラマ・バラエティーが中心であり、 かつての映画を軸に据えた、 いわゆる“映画女優”の登場は影を潜めてしまいました。 80年代に薬師丸ひろ子さん・原田知世さんを筆頭に“映画女優”を生み出してきた弊社が音楽シーンを常にリードするソニー・ミュージックさんと連携して女優でありシンガーでもある新人を見出し、 育てようということで開催を決定しました。 邦画ブームと呼ばれる昨今、 このような両方を兼ね備えたスターを生み出そうとするのは、 自然な流れと感じています。 ソニー・ミュージックさんのSDグループという人材発掘・育成を専門とする部署のお力で今までにない大型プロジェクトをスムーズに効率よく全国に展開することが出来ました。 また、 ヤフーさんの協力も加わりネットを使った投票システムを導入することで一般の方たちにも審査状況が見て取れる新たな仕掛けも斬新かつ新鮮であったと自負しております。 通常であれば容姿・演技が中心になりがちな審査に更にハイレベルな歌唱審査も加わり参加者にとっては非常に厳しいものとなりました。 が、 それゆえに37,749人の中から書類選考に始まり地方予選・最終審査を勝ち抜いたグランプリ受賞者・蓮佛美沙子さんは必ずや映画・音楽界を席捲する逸材と確信しています。 ピュアで熱いハートを持つ鳥取県出身の15歳です。 私たちは彼女の魅力を最大に引き出せる作品・楽曲を提供して、 新しいムーブメントを起こしたいと考えています。 ご注目いただきたいと思います。
* * * 只 今 撮 影 中 * * *
テレビ朝日 プロデューサー 横地 郁英
 テレビ朝日で4月13日からスタートした木曜ドラマ 「7人の女弁護士」 (木曜9時) を制作しています。 ただし、 これを書いている今は放送が始まる直前なので、 まだ視聴者の反応は出ていません。 ようやく第1話が完成したところです。
  「7人の女弁護士」 は、 最初のシリーズは15年前に制作されました。 賀来千香子さん主演で、 3シリーズとスペシャルが制作された人気シリーズでした。 当時このドラマを立ち上げた弊社の五十嵐文郎プロデューサー、 MMJの東城祐司プロデューサーも今回、 それぞれチーフプロデューサー、 協力プロデューサーとして指揮してもらっています。
  前のシリーズでは、 「七人〜」 だったのですが、 ポスターイメージを作るときに、 「7人〜」 となっているほうが新鮮に見えたので、 7の表記だけ変えることにしました。
  脚本の尾崎将也さんとは、 私は同じ枠で4年前に放送した 「サトラレ」 以来の仕事となります。 尾崎さんは、 「特命係長 只野仁」 「アットホームダッド」 「大奥 華の乱」 などなど、 幅広く話題作を書き続けるヒットメーカー。 ジャンルの幅広さ、 クオリティの高さに加え、 何しろ驚くほど執筆が早い脚本家で、 本当に助けられます。
  チーフ監督の塚本連平さんとは、 私は前クールの 「時効警察」 でも一緒で、 これまで 「嫉妬の香り」 「サトラレ」 等でも一緒に仕事をしてきました。 「着信アリ2」 では映画にも進出し、 最近は 「ドラゴン桜」 演出など、 乗りまくっている監督です。
  2006年版の主人公の新米弁護士、 藤堂真紀役には、 釈由美子さん。 釈さんのゴールデン帯主役は初めてとなります。
  釈さんは、 「なりきり系」 の女優だと私は思っています。 釈さんとの出会いは、 3年半前。 かなり挑戦的企画であったドラマ 「スカイハイ」 を制作したときです。 それ以前に、 バラエティーなどで、 釈さんの“不思議キャラクター”を見ていた私としては、 初めて会ったときの意外な印象が忘れられません。 まるで、 どこかの若い女性プロデューサーと最初のあいさつをするときのような、 クールで聡明な印象の女性でした。 バラエティーなどでの釈さんは、 自分を客観視した釈さんが、 いい意味で作りあげたキャラクターなんだと悟りました。 そして、 スカイハイでは、 「怨みの門番・イズコ」 という、 人類史上、 誰も演じたことのないキャラクターに、 釈さんはなりきり、 どこかリアリティーのあるキャラクターとして作り上げてくれたのです。 そして、 ドラマ2シリーズ、 さらに映画にまで広がる盛り上がりを作ることが出来ました。
  スカイハイでは 「おいきなさい」 という決めゼリフと決めポーズを作り、 話題となりました。 「7人〜」 でも、 「逃げる場所はありませんよ」 という、 法廷での決めゼリフがあります。 このドラマで釈さんは、 大人の女、 一人前の弁護士として成長していく、 初々しく等身大のキャラクターになりきります。 どちらかというと特殊な役が多かった釈さんの、 新しいなりきりは、 我々が期待した以上にとてもうまくはまっています。
  2006年版の 「7人の女弁護士」 も、 シリーズ化できるような人気ドラマに育てていけるよう努力しています。
私の新人時代
東映 手塚 治
 その頃、 手帳の夢をよく見た。
  その手帳は劇団昴・三百人劇場が年の瀬に配っていた能率手帳だ (覚えてる?)。 ジャケットのポケットにもズボンの尻ポケットにも入るサイズで、 おもなマスコミの連絡先が印刷されていたし、 住所録が別冊になっているのも便利だった。 脚本の打ち合わせのあとなど、 では次回のスケジュールを、 なんて時にさっと取り出せるのもいい。
  で、 夢の話。 ベッドで夜中にポッカリと目覚める。 あの連絡を忘れた!と激しい動悸で目覚める。 どうしよう、 もう遅いしバックレるか。 いや、 しかし。 うー。 手帳見て確認?でもベッドから降りるのはヤダ。 うー。 で目が覚める。 なんだよ夢か、 夢だったんだ。 でもどんなに言い聞かせても夢のなかで連絡をとるはずだった相手先の顔が浮かぶ。 局P、 マネージャー、 監督、 上司、 制作担当、 チーフ、 助監督、 次から次へ顔が浮かぶ。 結局ベッドから抜け出して手帳を捲ることになる。 各項目の前に○印、 終了してれば×。 今のTODOリストの手書き版だ。 もちろん×は入っている (九割はね)。
  ホントによく見た。 その後は目が冴えて、 ノソノソ冷蔵庫から氷を出して角瓶です。 そして昨日の事を反芻し、 明日の煩雑な調整や打ち合わせのイメージトレーニングをしてもう一杯。 ただただ目の前のことを必死にこなす毎日でした。
  今手帳は大判を使っている。 デカイね、 なんて言われながらA5サイズを愛用している。 鞄から取り出すのにもモタつく。 粋じゃない。 でも色んなものを挟み込めるし大きな字も書ける。 数冊の変遷の後、 落ち着いた。 角瓶はジャックダニエルに変わった。 四十半ばを過ぎた今も自分が五十になることには想像が及ばないが、 その頃はどんな手帳を使っていることだろう。 できれば手帳代わりの美人秘書を…これは想像でなく妄想ね。
  変わらないのは、 年の暮れに新年の手帳と入れ替えるとき、 来年はどんな年なのかなと少しどきどきすること。 あの頃も、 今も、 多分これからも、 すこしどきどきしながら新しい手帳を捲るのだろう。
さあ、 お次はどんな仕事が手帳を埋めていくのやら。
◎正会員入会
上木 則安 (CX) 清水 賢治 (CX) 稗田  晋 (CX) 林田 師博 (CX) 渡辺 純一 (CX)
◎訃報
・功労グループの市川喜一氏は去る三月三十一日逝去されました。 享年82歳でした。
  ここに謹んで心からご冥福をお祈り致します。
・功労グループの酒井孝一氏が逝去されました。 享年82歳でした。
 ここに謹んで心からご冥福をお祈り致します。

〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 平成十七年度 臨時総会ご報告 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜

平成十八年三月二十七日 (月) 午後六時三○分から、 東映本社八階会議室において、 正会員四六六名のうち委任状の二三六名を含めて、 二八四名が出席して、 決議に必要な定数を満たし、 定款に従って、 杉田成道会長が議長席につきました。
  第一号議案の (イ) 平成十八年度・事業計画 (案) に関しては、 催物委員長の坂上順副会長より説明があり、 各々のイベントは、 時代の状況に合わせ、 益々皆さんにアピールした催物として続けてゆきたいとの説明がありました。
  続いて (ロ) 平成十八年度収支予算 (案) については、 松尾武総務委員長より 「平成十七年度の決算見込」 と 「平成十八年度収支予算案」 について説明があり 「収支は、 功労会員の増加と若手新入会員が少なく、 全体にのびなやみの目減り状態にあり、 正会員や賛助会員の勧誘を切にお願いしたい。」 との説明がありました。 総会終了後は続いて同会場でささやかな懇親会に移り、 なごやかな歓談の中で午後七時三十分に散会致しました。
  以上 「平成十七年度 臨時総会」 のご報告と致します。                    (事務局)

* * * * * * * * * * * * * 総会と懇親パーティーのご案内 * * * * * * * * * * * * *
第30回通常総会を左記により開催いたします。 正会員の方はご出席ください。
総会終了後、 恒例により懇親パーティー (午後6時開宴予定) を開きます。
賛助会員の方々も、 お誘い合わせの上ご参加ください。
  (日時
平成18年5月31日 (水)  午後5時

  (場所)

NHK青山荘   (港区南青山5−2−20  TEL03−3400−3111
  (パーティ会費)
3500円
 ○会議の記録
4月11日 (火)
親睦委員会
(事務局)
4月12日 (水)
会報委員会
(事務局)
4月26日 (水)
第10回定例理事会
(NHKエンタープライズ)
 ○会議の予定
5月11日 (木)
親睦委員会
(事務局)
5月15日 (月)
会報委員会
(事務局)
5月31日 (水)
第11回定例理事会
(NHK青山荘)
    〃
第30回通常総会
(   〃   )
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