346 2006年 11月号
ザ・ヒットメーカー 2006 ・・・ 森江宏  小寺尚

プロデューサー協会も緊張した!アクターズセミナー ・・・ 小山啓(日本テレビ)

只今撮影中 ・・・ 保原賢一郎(フジテレビ)

輝く!2007年エランドール賞

私の新人時代 ・・・ 小川治(テレビ東京)

事務局だより
          
ザ・ヒットメーカー 2006
ヒットメーカー委員会 委員長 森江 宏
 現協会が社団法人として発足したのが1976年。 「ザ・ヒットメーカー」 が初めて開催されたのが、 その10年後の1986年。
  映画、 テレビ、 出版、 そしてジャンルを問わずヒットを飛ばしたヒットメーカーを協会員の投票で選び、 顕彰し併せて 「ヒット作の秘訣」 「彼等は時代をどうとられているか」 等を本音で語ってもらうというパネルディスカッションを行うものです。
  第一回目は 「映画」 伊丹十三さん、 「テレビ」 ジェームス三木さん、 「出版」 林真理子さん、 「演劇」 野田秀樹さん、 「時の人」 CMプランナーの川崎徹さん、 司会は筑紫哲也さんにお願いしました。 当時このような人が一堂に会する催物は少なく、 組合せの妙もあり、 業界内に留まらず大変な話題・好評を博し、 以後当協会の目玉催物として今日に至っております。
  この間、 いろいろな社に協賛いただき、 お世話になりました。 第一回はNTTさん、 以後日本たばこ産業さん、 サントリーさん、 俳優座劇場さん、 クリーク&リバーさんなど、 又、 広報活動の一環として、 定期刊行物を発行したり、 NHKの土曜フォーラムで放送してもらったり、 朝日新聞社の事業企画として取り上げてもらったり、 日経エンタテインメントでの誌上再録等、 先輩諸氏の汗の結集ともいえる歴史を有しています。
  2000年に入りますと、 当協会の存在感、 情報発信の強化のため、 若き映画人の育成を目的とした 「プロデューサーズ・フェスタ」 が開催され、 その中のトリとして 「ザ・ヒットメーカー」 が位置づけられました。
  そして今回、 11月18日 (土) に開催される 「ザ・ヒットメーカー2006」 協会員の皆さん、 是非会場にお出かけ下さい。

ヒットメーカー委員会 小寺 尚
いよいよ11月18日 (土) に開催が迫った 「プロデューサーズ・フェスタ2006〜映像(つく)る〜」 トップ・クリエーター達の熱いメッセージをお届けします。
@ドラマセミナー 「医龍」      13:00〜14:30
   プロデューサー:長部聡介
   ディレクター:久保田哲史 (フジテレビ)
   「医龍」 連載ビッグコミックスペリオール編集長:大島誠
   担当編集者:石田貴信
A映画セミナー 「デスノート」   14:40〜16:10
   監督:金子修介、
   プロデューサー:佐藤貴博 (日本テレビ)
   CGプロデューサー:豊嶋勇作 (デジタルフロンティア)
   司会:伊藤さとり
B「出会いの広場」      16:10〜17:00
    協会員の皆様は是非ご参加下さい!
Cザ・ヒットメーカー2006
   「映画」 (三谷幸喜)
   「テレビ」 (大石静)
   「出版」 (劇団ひとり)
   「時の人」 (エビちゃんこと蛯原友里!) の授賞式とパネルディスカッション。
「プロデューサーズ・フェスタ2006〜映像(つく)る〜」
日 時
11月18日 (土)  13:00〜18:30  フジテレビオフィスタワー22階フォーラム
参加費
3000円
定 員
400名
お問合せ
Pフェスタ事務局
TEL
03−5495−1210
mail
pf06@fujiart.co.jp
プロデューサー協会も緊張した! アクターズセミナー
日本テレビ 小山 啓
 凛とした気が漲る。 来る人はみな、 意欲に満ち溢れていてしかも、 緊張感に彩られた特別な顔をしている。 一点を見上げる人間だけが持てるあの、 清冽な空気感だ。
  今年もまたアクターズセミナーは、 気鋭の俳優たちの朝の受付から始まった。 78名の張り詰めた気持ちの先には、 映画・テレビ各社のプロデューサーが勢揃いで待つ。 他では有り得ない場所だ。
  皮切りの第一部。 ワークショップの今年の講師は、 ダン・コージさん。 ハリウッドのアクターズスクールで薫陶を受けたメソッドを、 ご披露頂く。 「現場の空気が読めるか?」 「役者は楽器」 「目に見えない感性を磨け」 「演技とは心の遊び」 …独特なキーワードが飛ぶ。 感性・呼吸・発声等の力を刺激し伸ばすためのゲームやエチュードによる俳優修行。
  昼食後の第二部は、 映画・テレビの制作者と直接対話を図れる 『出会いの広場』。 ここぞとばかりに、 参加俳優たちは、 普段の疑問もぶつけたりのフリートークに熱気はいや増す。
  そしていよいよクライマックスは第三部、 『アクターズセミナー賞選定オーディション』 だ。 自由演技2分の中に自分のすべてを込めて表現しなければならない。 少し過酷に聞こえるかも知れないが、 俳優の身体は実際の撮影現場では、 もっと厳しい条件に晒されることもある。 そしてどんな一瞬にも輝ける才能はあるのだ。 映画やドラマ・演劇の一節を演じる者、 オリジナルで即興的に見せる者、 様々だ。 審査する制作者側も、 次々と繰り広げられる演目を楽しみながらも、 基準の無い試験監督を任されて、 苦衷の採点をする。
  選び出された受賞者たちは、 男女7名。 どの参加者も懸命で、 紙一重ながらの選抜ではあったが、 このほんの小さな差異による結果もまた、 プロの常。 キャスト枠をめぐる競争こそ俳優の大いなる宿命でもある。
  参加された皆様、 短くて長い秋の一日、 お疲れ様でした。
2006年 受賞者の皆さん (男女別50音順)
うちだ ももか
内田 もも香
所属
エネスト
電話
03−5563−0661
とてもワクワクする一日でした。 これからも一層の努力をし、 素敵な女優になれる様、 頑張って参りたいと思います。 今後共、 どうぞ宜しくお願い申し上げます。
こやなぎ   
小柳 こずえ
所属
さち子プロ
電話
03−3359−4664
多くの事を感じられる素敵な場に参加させて頂けた事、 嬉しく思います。 今後も一歩ずつ前進できる様、 励んでいきたいと思います。 有り難うございました。
さわやま かおる
澤山 薫
所属
エンパシイ
電話
03−5766−1619
沢山の事を学び、 経験してこれから励みに出来るとても貴重な一日でした。
ありがとうございました。
もりはら あつこ
杜原 温子
所属
現代制作舎
電話
03−3482−3383
この度、 アクターズセミナー賞を受賞させて下さりありがとうございます。 素の私で私自身と向き合い、 心を磨いていきたい、 そしてこれに甘んずる事なく、 お芝居に精進していきます。
こばやし ゆうた
小林 優太
所属
ミズキ事務所
電話
03−5712−5628
現役で活躍されているプロデューサーの方々とお話ができ貴重な体験をさせて頂きました。 最後の自己アピールはとても緊張しましたが、 自分の中ではとても楽しめたオーディションでした。 ありがとうございました。
たかだ けんいち
高田 賢一
所属
さち子プロ
電話
03−3359−4664
まだまだ駆け出しの私にとって各界のプロデューサーの皆様とお会い出来たのはとても良い機会だったと思います。 おまけに賞まで頂いて言葉もありません。 これを励みにこれからも頑張ります。 有難うございました。
たけおか つねきち
竹岡 常吉
所属
ポップン マッシュルームチキン野郎
電話
090−6119−0154
今回このような賞を頂くことができ大変恐縮です。 このオーディションのために自分で書いた作品でしたので、 賞をもらえた時は本当に嬉しかったです。 これからも一生懸命芸を磨いていきたいと思います。
* * * 只 今 撮 影 中 * * *
フジテレビ 保原賢一郎
 この秋、 空前の京都ブーム到来!
と言ってもそれは観光のことではなく、 ドラマ・映画の撮影のことである。 聞くところによると、 この秋から冬にかけて、 実に10作品を超えるドラマ・映画が京都で撮影されるらしい。 時代劇全盛を思わせる活況と言っても過言ではないのでは…!?
  そのブームに乗った訳ではないけれど、 かく言う私もその内の2作品を手がけている1人である。
  一つは東映撮影所で撮影中の劇場版 「大奥」。 テレビシリーズとして3年間続けてきたものだけに、 この映画化は実に感慨無量である。 今回は主演に仲間由紀恵を迎え、 高島礼子、 井川遥、 杉田かおる、 松下由樹、 浅野ゆう子などの豪華女優陣を相手に、 壮絶な愛憎バトルを繰り広げる。 総額1億円を超える衣裳を纏った女優たちの美の競演も見どころである。 さらに、 FNS系列各局代表の女子アナ軍団の出演も決まり、 なにしろ女性ばかりの華やかな現場である。 今回、 映画監督となる林徹 (フジテレビ) は、 シリーズ集大成の極上のエンタテイメント大作をお届けすると息巻いているが、 美女たちに囲まれてのこの上なく幸せな映画デビューとなりそうである。 劇場版 「大奥」 は12月23日全国東映系の公開。
  もう一つは映像京都の制作協力で撮影中のスペシャル時代劇ドラマ 「明智光秀〜神に愛されなかった男」。 誰もが知っているのに、 あまり語られることのなかった智将・明智光秀の生き様を独自の新解釈で描く、 斬新な戦国歴史ロマンである。 主演の明智光秀には唐沢寿明、 ライバル秀吉には柳葉敏郎、 信長に上川隆也など。 この豪華男優陣が、 戦国を駆け抜けた男たちの熱い生き様を見せる。 比叡山焼き討ち、 本能寺の変、 山崎の合戦などの合戦も再現。 テレビドラマのスケールを越えたスペクタクルも必見である。 武将たちで溢れる撮影所は壮観の一語に尽きる。 命を賭けた男たちの魂のドラマであるスペシャル時代劇 「明智光秀〜神に愛されなかった男」 は新春放送予定。 現代人がなくした大切なものがそこにある。
  さて、 私にとって2つ作品を全くの同時期に制作することは初めての経験だが、 片や女祭り。 片や男祭り。 実に見事な色分けがなされたものである。 一方で絢爛豪華な打掛に圧倒されたかと思えば、 また一方では勇猛な甲冑武者たちの迫力に目を見張る。 私は今、 テレビマン人生で二度とないであろう貴重な体験をさせてもらっている。 私の太秦の2つの撮影所を行ったり来たりする日々は11月下旬まで続く。 東映京都撮影所と松竹京都映画撮影所は歩いて5分強の距離である。 良い運動と言えば確かにそうなのだが、 自転車が欲しくなってきた今日この頃である。

輝く!2007年エランドール賞
授賞式・新春パーティーのお知らせ
日 時
平成19年2月8日 (木)     18時受付開始    18時30分開会
場 所
新宿京王プラザホテル   南館5Fエミネンスホール
    
◎詳細は会報12月号でお知らせします。
 
私の新人時代
テレビ東京 小川 治
 小学生の頃、 近衛十四郎さんのテレビ時代劇 『素浪人月影兵庫』 が大好きだった。
  ‘57年生まれの私の中高大学の10年間は、 そのまま’70年代だった。 当時はテレビの、 テレビドラマの黄金期ではなかったかと思う。 その頃はプロデューサーやディレクターがどんな仕事をするかも知らず、 ただ素敵なドラマを夢中で観、 いつかそれに関わる仕事をしたいと思った。
  ‘80年東京12チャンネルに入社した。 (翌年テレビ東京に社名変更)
  当時、 ドラマ系の番組はほとんど無かったが、 制作局長が業界誌で 「新たに自社製作ドラマに挑戦する」 と語っていた。 一からドラマ創りを覚えたかった。 一年間営業に配属された後、 制作に異動したがその局長は会社を辞めていた。
  結局、 音楽バラエティー番組のアシスタントディレクターになった。 アイドル大全盛時代でいくつかの番組を掛け持ちで担当した。
  深夜に仕事が終わると、 それぞれの番組から同世代のAD仲間が集まり、 酒を飲み、 愚痴の合間に将来を語り、 朝になるとそれぞれの番組に散っていった。
  辛くて情けない時期だったが、 お祭りの連続のような日々だった。
  それが私の 『テレビ新人時代』。
  30才の時、 会社がドラマ復活の方針を打ち出し、 運良くドラマプロジェクトチームに配属された。 現代劇と時代劇がほぼ同時に始まり、 私は時代劇のアシスタントプロデューサーになった。
  当時のテレビ時代劇の現場は日本映画の全盛期を支えた巨匠たちであふれていた。
  私は上司のプロデューサーのうしろについているだけ。 打ち合わせ、 撮影現場、 宴席。 何の役にも立たないAPで、 ただ黙って巨匠の仕事を見て、 話を聴いた。 それが面白かった。 そんな時代が3年。
  それが私の 『テレビドラマ新人時代』 か?
  昔読んだ或る小説の一節は忘れないでおこうと思う。
  老舗劇団の駆け出し役者の主人公に、 座長が何気なく語る言葉だ。 「私は三十まで大根と言われていました。 そうして、 いまでも私は自分を大根だと思っています。」
  いつまでも新人でいるわけにはいかないが、 新人の頃の気持ちは忘れたくない。

◎正会員入会 ・・・ 城谷厚司 (NHK)   六山浩一 (NHK)  杉尾敦弘(CX)
◎退会 ・・・ 遠谷信幸(F)
◎訃報 ・・・ 功労グループの笹井英男氏は去る九月十九日逝去されました。 八十六歳でした。
          ご生前の功績を偲び、 心からご冥福をお祈り申し上げます。
 
 ○会議の記録と予定
10月5日 (木)
エランドール賞委員会
(事務局)
10月18日 (水)
第4回定例理事会
(東映本社)
10月19日 (木)
親睦委員会
(事務局)
10月26日 (木)
セミナー委員会
(NHK)
11月9日 (木)
エランドール賞委員会
(事務局)
11月13日 (月)
会報委員会
(事務局)
11月15日 (水)
第5回定例理事会
(NHKエンタープライズ)
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