日本映画テレビプロデューサー協会報2007年7月号

第31回通常総会を終えて ・・・ 会長 杉田成道

新理事の顔ぶれ

新特命副会長の御挨拶 ・・・ (株)ニッポン放送 代表取締役 重村一

私の新人時代 ・・・ フジテレビジョン 杉尾敦弘

事務局だより     

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第31回通常総会を終えて

会長 杉田 成道

会長 杉田成道 新理事の選出、 ありがとうございました。 これから、 この布陣で新しい流れに対処していきたいと思っております。
  映像の世界は、 今、 我々が思っているよりも遙かに早いスピードで変化しているようです。
  邦画が洋画を興行収入で抜いたという画期的な出来事がありました。 この潮流に乗って、 どこの撮影所もたいへんな活況を呈していると聞きます。 資金的な手当も多岐に及び、 新しいプロデューサーも次々と輩出され、 今までとは違った制作形態も生まれて来ています。
  一方、 テレビの側も、 世の中の流れが、 放送局というよりも、 企業としての成長が求められる時代になったようです (「あるある」 問題といった放送倫理の問題はありますが)。 どの局も、 放送という限界産業から、 多角的なソフト制作集団へと衣替えしようとして、 映画、 イベント、 IP、 モバイルなどへ、 積極的に参加し始めています。
  すでに、 映画とテレビの垣根は、 十年前と比べれば、 無きに等しいでしょう。 映画、 テレビと分けるよりも、 アニメ、 CMも含めた映像全体として捉えたほうが早い状況にあります。
  このような昨今の状況下に、 当協会も新たな衣替えに迫られています。 そこで、 今期は思い切って、 今後、 幾年かの青写真を作るとともに、 組織の抜本的な見直しを計りたいと思います。
  具体的には理事会の改革。 執行部の活動しやすい体制にするためにも、 理事の総数を現行の22名から、 24名にする。 副会長を4名、 常務理事を6名まで置けることとする。 組織改革。 映画、 テレビだけでなく、 アニメ、 CM、 イベント事業など、 広範囲にエリアを拡大することで、 垣根をクロスオーバーする視点を獲得する。 同時に、 会員数の拡大、 現役世代の拡大を計るが、 会社の参加も呼びかける。 そして、 あらゆる制作会社、 代理店、 映画会社、 NHKを含むテレビ局を網羅した、 日本最大の会員組織を作る。
総会風景  この方向性で、 エランドール賞などのアッピール力を再検討する。 新しいイベントの可能性を探る。 映像産業振興機構 (VIPO) とも共同して、 映像界全体に何かしら寄与するイベントを考える。 産学協同の時代だからこそ、 大学と接触して、 人材育成のための講座を持つ (功労会員の皆様の協力が必要ですが)。
  軌道に乗り始めた、 フェスタ、 ヒットメーカー、 カフェ、 の他に、 以上のような施策を考えてみようと思っています。
  多角的な視点を持ったプロデューサーというものが、 今ほど求められている時代はありません。 その意味でも、 当協会が、 映像の垣根を越えた、 日本最大の会員組織になり、 人の交流を促す必要があります。 それが、 現役世代のステイタスにもなるし、 所属する誇りも生み出すのではないかと考えられます。
  よろしく、 会員各位のご協力をお願いできれば、 幸甚でございます。

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新理事の顔ぶれ

今総会で選任された理事・監事をご紹介します。
この改選に伴い、 各委員会のメンバーにも変更がありますので、 次号でお知らせする予定です。
会長 杉田成道
特命副会長 重村一
副会長 坂上順
副会長 黒井和男
副会長 西村与志木
会 長
杉田 成道
C X
特命副会長
重村  一
(ニッポン放送)
副会長
坂上  順
東 映
副会長
黒井 和男
角 川
副会長
西村与志木
NHK
常務理事 本間英行
常務理事 奥田誠治
常務理事 遠藤環
常務理事 大多亮
常務理事 島本雄二
常務理事
本間 英行
東宝(東宝映画)
常務理事
奥田 誠治
NTV
常務理事
遠藤  環
TBS
常務理事
大多  亮
C X
常務理事
島本 雄二
B(電通)
理事 小林俊一
理事 福島聡司
理事 香月純一
理事 中嶋等
理事 土川勉
理事
小林 俊一
E(彩の会)
理事
福島 聡司
東宝(フェローピクチャーズ)
理事
香月 純一
東 映
理事
中嶋  等
松 竹
理事
土川  勉
大映(セガ)
理事 香西靖仁
理事 木田幸紀
理事 小山啓
理事 桑田潔
理事 小川治
理事
香西 靖仁
日 活
理事
木田 幸紀
NHK
理事
小山  啓
NTV
理事
桑田  潔
E X
理事
小川  治
T X
理事 里中哲夫
理事 小野伸一
理事 森江宏
監事 鴨下信一
監事 工藤英博
理事
里中 哲夫
A (近代映画協会)
理事
小野 伸一
C (仕事)
理事
森江  宏
F (オフィス森江)
監事
鴨下 信一
TBS
監事
工藤 英博
E (P・D・S)
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新特命副会長の御挨拶

(株)ニッポン放送代表取締役会長  重村 一

重村一突然”ドラマ・フェスタ”構想

   まだ、 何一つ正式に決まっているわけではありません。 しかし、 もしそれが実現するということになれば、 あまりに、 その準備の為の時間がない。 更に、 その運営を当協会に委託される可能性が高い。 そんなことから、 少々フライング気味と言われるのを覚悟で、 会員の皆様に、 こんな情報があり、 水面下で検討が行なわれていることをお伝えします。
  世界に向けて、 日本のコンテンツ、 ソフトを、 より積極的に紹介し、 発信するべきだとは、 長い間、 各界から提唱されてきたことです。
  そこで、 その構想を実現させる第一歩としてこの秋に日本国際コンテンツフェスタという名称で、 いままで、 バラバラに実施されてきた 「東京国際映画祭」 「ゲームショウ」 「アニメミーティング」 「ATP賞」 などをある一定の期間に集中的に開催し、 日本のソフトの祭典として統一感を持たせ、 海外の関係者やバイヤーを一堂に集め、 様々なジャンルの日本のソフトパワーを評価、 理解してもらおうというのが、 ここへ来て、 具体性を帯びてきました。
この発想は数年前から、 VIPO (映像産業振興機構) が中心になって地道な努力を続けてきたもので、 やっと、 その汗が結実するところにまできています。
  ところが、 この中にテレビドラマ祭がない。 というよりは、 もともとドラマのみに限定したコンテストや祭典は存在していません。
  そこで、 今回、 コンテンツフェスタ事務局から、 NHKと、 民放連に 「海外に目を向けた、 国際的視野にたったドラマフェスティバル」 を実施してくれないかという依頼が舞い込んできました。 以前から、 そんな構想があることは、 うすうす知っている方もいたようですが、 公式に要請があったのは、 6月に入ってからのようです。 両者も監督官庁と協議の上 「受けて立とう」 という結論にほゞ固まったと言います。 このようなフェスティバルがスタートすることは日本の映像産業、 ドラマづくりを活性化させるものであり、 あまり、 異議を唱える人は少ないと思いますが、 さてその実現、 実施となると、 越えねばならぬ障害は数限りなくあります。 第三者的な立場でいられる時は 「やる奴は大変だなァ」 で済むのですが、 それが、 そうは言ってられなくなりそうなのです。 放送界と映連中心に実行委員会が作られ、 ある程度の資金は用意されるようですが、 運営は我々映画TVプロデューサー協会に委託という方向で話が進んでいます。 光栄なことともいえますが、 とても時間的にも能力的にも無理なことという意見をお持ちになる方も多いでしょう。
  秋の開催を考えると、 今年はキック・オフ的なささやかな会としても来年以後、 どんな特色のある、 そして日本 (アジアまで含めた) の映像産業にとって意義のある一大イベントと出来るか、 真摯に検討し、 我々としての結論を出さねばならないことと思います。
  あらためて、 申し上げますが、 まだ正式な要請はありません。 (この会報が届く頃には、あるのかもしれませんが) ただ、 「情報公開は速やかにの時代」 でもありますので、 いまこのような動きが、 猛スピードで動いていることを第一報としてお伝えします。
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私の新人時代

フジテレビ  杉尾 敦弘
杉尾敦弘 KさんとOさん。 私のドラマ新人時代はこの2大スタープロデューサーが天下を分けていた時代だった。
  スポーツ部から異動してきて最初に就いたのはKプロデューサーの番組。 私にとっては雲の上の人である。 「この連ドラをやってみてプロデューサーコースに進むか、 ディレクターコースに進むか決めればいい」 という有難いお言葉をKさんに頂き、 5ヶ月間、 セカンドADとして一生懸命働いた。 そして、 クランクアップの日。 札幌だった。 雪の中、 盛り上がる役者さんやロケスタッフ。 皆での乾杯。
私 「Kさん、 Kさんの下でワンクール連ドラやってわかりました。 僕はKさんのようなプロデューサーになりたいです!KさんのAPにして下さい!」
Kさん 「よーし、 わかった!!! 次の連ドラな! (笑顔)」
私 「ありがとうございます! (涙)」
感動的なシーンだった。
  しかし…私の次の仕事は、 なぜかSプロデューサーの番組。 そしてサードAD。 全然、 話が違うじゃん!しかもセカンドからサードに落ちてんじゃん!Kプロデューサーは後で言っていた。 「わりぃ、 わりぃ!シフトがさ、 変わっちゃってさ (笑)」 プロデューサーは柔軟さが大切だKプロデューサーからはそのことを学んだのだった。
  1年後、 紆余曲折を経て、 私はOプロデューサーの手掛ける連ドラのAPとなった。 ある単発ドラマの打ち上げで披露した 「裸腕立て伏せ・裸腹筋」 がOプロデューサーに高く評価され、 ついに掴んだAPの座だった。 プロデューサーになるため、 ドラマ人生における勝負所だった。 5ヶ月間、 APとして一生懸命働いた。
  そして、 クランクアップの日。 最終回のラストカット。 山中湖付近のグラウンドで、 夕景狙いの富士山バック大ルーズを撮ろうとしたとき、 富士山に雲がかかっていた。
Oさん 「杉尾、 あの雲どけて」
私 「わかりました!」  
裸で掴んだAPだから、 最後まで裸で勝負しよう!服を脱ぎ捨てた私はグラウンド中央に躍り出て富士山に向けて 「うおー!」 と大声を上げた…雲が流れていった。 かなりいいタイミングで。 ウケた。
  もちろん、 打ち上げでも裸になったことは言うまでもない。 番組終了後、 Oさんは言った。 「次、 プロデューサーやってみる?」 プロデューサーは勢いが大切だOプロデューサーからはそのことを学んだのだった。
  振り返ると、 愉快な先輩たちに恵まれてきたなあと思う。
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事 務 局 だ よ り

・・・・・・・ 正会員入会 ・・・・・・

  • 尾崎充信 (NHK)
  • 儀間海五 (B オーリン)
  • 島本雄二 (B 電通)
  • 白石統一郎 (B 電通)
  • 梅川治男  (D ギャガ・コミュニケーションズ)
  • 大前典子 (D ギャガ・コミュニケーションズ)
  • 津田じゅん (D ギャガ・コミュニケーションズ)
  • 朴木浩美 (D ギャガ・コミュニケーションズ)
  • 山崎雅史  (D ギャガ・コミュニケーションズ)

・・・・・・・・  退会  ・・・・・・・・

  • 阿部康彦 (NHK)
  • 大加章雅 (NHK)
  • 小林信一 (NHK)
  • 秋山茂樹 (NHK)
  • 一井久司 (NHK)
・・・・・・・・  除名  ・・・・・・・・
  • 藤田裕一 (F)

2008年度協会会員手帳について

「2008年度協会会員手帳」 の編集が始まります。 掲載事項変更希望のある方は、 8月末日までに事務局までご連絡下さい。

――― インフォメーション ―――

○会議の記録と予定
6月18日 (月)
会報委員会
(事務局)
6月20日 (水)
第1回定例理事会
(東映本社)
7月3日 (火)
親睦委員会
(事務局)
7月4日 (水)
プロデューサーズカフェ夏
(東映)
7月18日 (水)
第2回定例理事会
(NEP)
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