社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会 会報2007年10月号

「国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2007」
                      ・・・ 実行委員会 委員長 重村 一

新理事より会員の皆さまへのごあいさつ @
                      ・・・ 電通 島本 雄二
                      ・・・ 東宝 本間 英行
                      ・・・ 日本テレビ 奥田 誠治

只今撮影中 ・・・ 東宝 樋口 優香

私の新人時代 ・・・  テレビ朝日 松本 基弘

事務局だより

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「国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2007」    実行委員会 委員長 重村 一

開催にあたり

 世界に向けて、 日本のコンテンツ、 ソフトをより積極的に紹介し、 発信していくべきだとは、 長い間、 各界から要請され、 業界内部でも、 事あるごとに提唱されてきたことです。 しかし、 その為の様々な試みは行なわれ、 各種のイベントも数多く存在するようには成りましたが、 それぞれの連携や協力関係は、 まだまだ希薄で、 本来の日本のソフト制作能力を十分に海外にアピールできているかといえば、 疑問符をつけられても仕方ありません。

 本当に、 「日本のソフトパワー」 を世界に理解して貰う為には、 世界の多様なジャンルの関係者や、 バイヤーたちが、 ある時期に日本に行けば、 その期間に、 日本のあらゆる分野のコンテンツに目を触れる事が出来て、 クリエーターとも交流、 会話そして商談まで出来る環境と場が出来ている必要があります。

 その期待に応えられる構想がこの秋、 やっと実現の運びと成りました。 映像産業振興機構 (VIPO) が運営の中心となり開催される、 「JAPAN 国際コンテンツフェスティバル」 (コ・フェスタ) というイベントです。 この祭典は、 これまでバラバラに実施されていた、 「東京国際映画際」 や 「東京ゲームショー」、 「CEATEC JAPAN」 「秋葉原エンタまつり、 MANGAフェスティバル」 「NHK日本賞、 教育番組国際コンクール」 などを首都圏を中心に、 9月19日から10月28日まで、 集中的に開催し、 相互に連関性を持たせるとともに、 フェスティバル全体の規模の拡大を計ろうという狙いで、 今年初めて行われます。

 ところが、 日本のテレビ文化の重要な担い手として、 世界でも有数のテレビ大国の形成に大きな貢献をしてきた、 テレビドラマに限定した祭典やコンテストは、 不思議な事に、 これまで、 わが国には存在しませんでした。 海外でのコンクールやコンテストでの表彰実績を言うまでもなく、 欧米やアジアの作品に比べても、 個々の作品が持つクオリティ、 あるいはエンターテイメント性において日本のドラマ作品は、 海外において、 もっと高い評価を受けるべきであり、 更に言うならソフト商品としての競争力、 商業性があってよいはずです。

 この背景には、 著作権問題をはじめ、 様々な要因が考えられますが、 最も重要なことは、 テレビ業界、 ドラマ制作会社、 そして、 権利団体が、 一丸となって結集し、 海外に向けて、 開かれたマーケットを作る努力が、 これまでは掛け声ばかりで、 具体的に行なわれてこなかった事です。 確かに、 各テレビ局などは、 海外の大きなイベントにはブースを出し、 自社の作品のPRや売り込みに努力しているのは事実です。 しかし、 日本ブランドのドラマ価値を高めるためには、 まず海外のバイヤーが一堂に集まって、 数々の日本のドラマを見てもらう場を作り出さねばなりません。 すなわち、 日本に、 国内外の優秀作品が集まる環境を作るとともに、 恒久的なシンジケーションマーケットを作りだす努力が必要です。

 その様な、 大きな目標に向かう第一歩のイベントとして、 この 「国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2007」 は企画されました。 但し、 今年は、 準備の期間も短く、 キックオフ的なイベントとなります。 10月12、 13日の2日間に渡り、 アジアのコンテストでグランプリを獲得したり、 高い評価を受けた作品を招待し、 その作品を上映するとともに監督、 主演俳優、 などに来日していただき、 パーティーを開催し、 上映会、 シンポジウムを行ないます。

 また日本からは、 昨年度に放送され、 高い評価を受けるとともに、 海外でも十分、 商業的価値を持つと思われる作品を招待。 その関係者、 出演者に参加してもらいます。 日本とアジアのドラマ制作者同士が、 このイベントでの交流を通じて、 いかに世界に通用するドラマ作りに挑戦するかを話し合い、 共同制作を含め、 更なる、 ドラマの発展の礎となる場を演出したいと考えています。

 また、 シンポジウムでは、 各国のドラマ制作事情の違いや、 海外進出への国内制度上の問題点、 などについて忌憚の無い建設的な議論を行なう予定です。 このシンポジウムには、 韓国、 中国、 タイなどで、 ドラマの国際イベントを主宰している方々が参加、 その経験や今取り組まねばならない課題についても話し合う事になっています。

 このフェスティバルは、 来年度以降、 欧米を含めた、 世界のテレビ関係者が集まり、 連携する、 ドラマ制作者の交流の場へと枠を広げるとともに、 日本の作品への理解を深めて貰う場としての存在価値を高める役割を持ちたいと考えています。 そして、 ただ単なる、 コンテストや祭典に終わらせるのではなく、 そこから、 新しいビジネス、 商取引が生まれ、 日本のドラマが映像産業として世界にこれまで以上に認められるための一助としたいと考えています。

→国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2007

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新理事より会員の皆さまへのごあいさつ @

 

島本雄二   電通 島本 雄二

  今年の5月に、 杉田会長と重村副会長がわざわざお見えになり (それだけでもいたく恐縮しましたが)、 常務理事就任のお話をお伺いした時は、 このような歴史ある協会に我々のような広告会社の人間が就任して何が出来るのか正直申し上げて自信がないと申し上げました。
  その時両氏から今後、 協会として新たな人材育成をし、 異業種との人材交流を深めていきたいので、 むしろ我々のような異業種の人間も多少は必要になるかもしれないと伺い、 ついその気になって就任してしまいました。
  今でもどれだけお役に立てるか全く自信はありませんが、 業界内だけでなく業界外に対しても積極的にメッセージを発信することにより、 今まで以上に協会の活動を認知、 評価してもらえるように微力ではありますががんばろうと思っております。
  今後共よろしくお願いします。
 
本間英行  東宝 本間 英行

  「ま、 頼むわ…」 電話の一言で受けてしまった。 そりゃ森知大先輩には断れない。 協会に入って何年たっただろう。 そいう認識すらない。 ただ土日関係なく千円で映画が見られるので会員証は常に携帯して重宝している。 それでもアカデミーよりは知られていないのか、 劇場の切符売り場では 「ちょっとお待ち下さい」 とファイルで確認されて後ろに並んでいる人に申し訳なく思うことがしばしばある。 高い会費なのに利用されてないのかとも思う。
エランドールのパーティーにはタダ酒飲みにと、 いそいそと出席させていただいていた。 今年は福引きまで当たり…おまけに東宝映画賞ときて手を上げて出て行ったら先輩諸氏に罵倒された。 いいのかこんな僕が理事で。 などと思っても始まらない。 ただの会員から常務理事になりエランドール委員会の副委員長になってしまった。 先日の会議でエランドールの意味が黄金の飛翔であると初めて知った。 迷惑かけないように頑張ります。
奥田誠治  日本テレビ 奥田 誠治

  今回、 尊敬する杉田成道会長の推薦で、 恐縮ながら大役を務めさせていただくことになりました日本テレビの奥田誠治です。 自己紹介に代えまして、 この秋公開の 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」 の製作中に思い出した子供の頃のことをお話しさせてください。
  1964年東京オリンピックの年から65年にかけて、 当時、 小学低学年だった私にとってその後の一生を左右する3つのテレビ番組との出会いがありました。
  それは、 鰐淵晴子主演 『風と樹と空と』、 夏木陽介主演/石原慎太郎原作 『青春とはなんだ』、 そしてウォルト・ディズニー自身が番組冒頭に出演した 『ディズニーランド』 です。 「風と〜」 は、 第一話の冒頭、 私の故郷である会津柳津の生家前をSL牽引の集団就職列車が疾走するシーンに感動し、 「青春とは〜」 では、 教師役の藤山陽子さんの美しさにその後の女性観が形成され、 「プロレス中継」と隔週で放送された 「デイズニー〜」では、 放送のない週に見たくもない!?プロレス中継を我慢して見る、 と言う事も覚えたものです (笑)。
  しかも、 この3本の番組のどれもが日本テレビでのOAでした。 後年、 これらの番組を作った“安田暉”(大学の先輩)“岡田晋吉” (のちの上司) という大プロデューサーの方々を知ることになるのです。
  私は、 今は映画の仕事を中心にしていますが、 大先輩のプロデューサー達から得たものをお返しする意味でも、 観客の思い出の中に深く長く残るような、 そんな作品を作り続けたいと思っています。 そんな私ですがどうかよろしくお願い申し上げます。
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只今撮影中

東宝  樋口 優香
樋口優香「陰日向に咲く」

  人気若手お笑い芸人・劇団ひとりの小説が原作のハートウォーミングなコメディ映画 「陰日向に咲く」 が、 6月23日にクランクインし、 8月10日にクランクアップしました。 原作小説の 「陰日向に咲く」 (幻冬舎) は、 76万部 (8月現在) を売り上げる、 大ベストセラー。 話題性も、 そして多くの人々の支持も得たこの小説。 その完成度や世界観に賛同していただいた、 岡田准一さん、 宮アあおいさん、 伊藤淳史さん、 平山あやさん、 緒川たまきさん、 塚本高史さんに加え、 日本映画界を支えるベテラン名優、 西田敏行さんと三浦友和さんにご出演いただきました。 監督は、 「そのときは彼によろしく」 で劇場映画デビューを果たした新進気鋭監督・平川雄一朗さん。 前作から半年ほどで映画2作目を撮ることになった平川監督は、 前作で得た手ごたえと反省とをこの映画に思いっきりぶつけています。 脚本は、 「電車男」、 「7月24日通りのクリスマス」 など、 ラブコメディを得意とする金子ありささんです。 監督・脚本家・プロデューサーチームはじめ、 若いスタッフで、 新しい感覚で新しい日本映画を作り上げるのが、 この映画の一つの目標でもありました。
原作小説が、 ギャンブル中毒やホームレスに憧れるエリートサラリーマン、 売れないアキバ系アイドルにアイドルオタク、 ストリッパーに売れない芸人など、 ダメで冴えない人間だけど、 そんな彼らを暖かい目線で描いた連作短編小説ということで、 まず脚本化の作業でかなりの試行錯誤を繰り返し、 オムニバス形式ではなく、 1本のお話に色んなエピソードが絡み合った群像ドラマに見えるように、 オリジナル要素も入れつつ、 お話を紡ぎました。 そのため、 映画の撮影とは言え、 浅草、 新宿、 秋葉原など都内含め東京近県とロケ場所を転々として、 スタジオで落ち着いて撮影できたのは、 ほんの数日。 しかも、 梅雨の時期の撮影で太陽に恵まれず、 梅雨明けも記録的に遅かった上に、 明けた途端の猛暑。 お天気に泣かされました。 通常の映画よりもハードなスケジュールに、 キャストの皆さんはじめスタッフも疲労困憊しながらも、 そんな苦労は全く感じられない素晴らしい映画が出来上がりつつあるのを、 現在進行中の編集過程で、 しみじみ実感させられています。
お話の内容もさることながら、 内容ももりだくさんで、 宮アあおいさんと伊藤淳史さんの愛らしい夫婦漫才シーンや、 平山あやさんのアキバ系アイドル姿など、 他の映画では見られないようなシーンもたくさんありますし、 花火大会や台風のシーンなど、 視覚的にも見所たくさんの、 とても力のある映像もお楽しみいただけるような映画になったと思います。
10月下旬完成予定、 来年1月に全国東宝洋画系にて公開予定です。 ご期待くださいませ。  
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私の新人時代

テレビ朝日  松本 基弘
松本 基弘 「きみ、 うち入ったら何やりたいの?」
「ドラマがやりたいです」
「あのねえ、 うちドラマ作ってないんだよ。 知らなかった?」
「……」
  忘れもしない、 今から20年少し前のテレビ朝日の入社面接でのやりとりだ。 その当時、 テレビ朝日のドラマのほとんどが外部発注だったということは後日知ることになる。
  その場は話題を転換して切り抜け、 なんとか入社。 しかし、 ドラマ、 バラエティには今のところ新人は必要ないからと、 ワイドショー配属に。 テレビ朝日は、 民放の中でワイドショーという形態の番組をいち早く始めたという伝統を持つ。 ニュース、 トーク、 VTR、 生放送のスタジオワーク等テレビの持つあらゆる要素がすべて学べるから制作系の新人には最適の場だという理由だ。 ところが、 困ったことにワイドショーというものを見たことがない。 おまけに人手不足だからと、 ひと月もたたないうちに一人立ちさせられて取材に。
  殺人事件の被害者の自宅に出かけ遺族に 「今のお気持ちは?」。
これはつらかった。 でもせっかく入れてもらえたテレビ局。 認めてもらうため、 とにかく目の前の仕事を必死でやった。 やり方を覚えると少しずつ自分なりのアイデアを盛り込めるようになる。
  ある時作ったお通夜のニュース。 弔問客のコメントの構成や音楽に工夫を凝らした。 これを見たプロデューサーが 「おまえは作りモンうまいなあ」 と、 企画コーナーの担当にしてくれた。 他社との争いから解放されたが、 今度はネタ探しに追われることになる。 でも最初からすべて自分の手でできることで充実感があり自信にもなった。
  その後、 あの“大将”こと萩本欽一氏の昼帯バラエティが始まると同時にそのADとなり“大将”から 「フリ」 「オチ」 「フォロー」 を学ぶ。 続いて音楽班へと移り今度は音楽漬けに。 ドラマへの道のりは遠い。
  そんな中、 年齢の近いドラマ志望の先輩、 後輩たちと時々 「ドラマやりたいね」 「いつかドラマ行こうぜ」 と励まし合う日々。 といっても、 他の番組だったり、 編成部、 宣伝部、 秘書部など所属はバラバラだ。 お互いめったに会うことはない。 社内ですれ違う時の立ち話程度だ。 でもそれが支えになっていた部分は確かにあった。
  今、 そのメンバーがみんなドラマ班にいる。 あの時それぞれの場所で思いを抱えていた仲間たちだ。 改めて考えてみるとすごいことだなあと思う。 そしてこれからも一緒に頑張ろうと思う。
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事 務 局 だ よ り

・・・・・・・ 正会員入会 ・・・・・・

  • 那須田 淳 (TBS)
  • 津川 英子 (EX (朝日放送))

――「東京国際映画祭」 のお知らせ――

 第20回東京国際映画祭は10月20日 (土) から10月28日 (日) までの間、 東京・渋谷と、 六本木ヒルズを中心に開催されますが、 今年も団体名で発行していたIDカードの発行は見送られましたので、 ご了承下さいとの映画祭事務局から連絡がありました。

――― インフォメーション ―――

○会議の記録と予定
9月10日 (月)
会報委員会
(事務局)
9月13日 (木)
第3回定例理事会
(東映)
10月1日 (月)
親睦委員会
(事務局)
10月15日 (月)
会報委員会
(事務局)
10月23日 (水)
第4回定例理事会
(NEP)
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