
明けましておめでとうございます。
昨年は、 日本映画界にとって、 特筆すべき年となりました。 興行収益で、 邦画がついに、 洋画を凌駕したといいます。 実に、 20年ぶりということです。 夫婦同伴などの割引料金が一般化してきたことと合わせると、 人々の足が、 邦画にどっと押し寄せたと言っても過言ではないでしょう。
作品も多種多彩で、 興収十億以上の作品が三十本もある、 まるでかつての黄金期を思わせる活況ぶり、 と言う人もいます。 テレビとの連動作品、 巨匠たちの健在ぶり、 そして、 年配の観客が深く感銘を受けるもの、 何より、 独立プロ系の作品に秀作が多かったように思われました。
マグマが爆発したような、 このような活力は、 時代が大きくソフト指向へと振れていく先駆けと言えるのかも知れません。 国家も、 あげて映像産業に目が向き始めています。 映画がその強力な武器である、 という認識が一般化してきたのでしょう。
これから、 団塊の世代が時間の余裕を持つ時代となります。 その知的受け皿として、 邦画は、 ますます多様で、 多彩な発展が見込まれるでしょう。
一方、 目をテレビ業界に向けますと、 爆発的なヒット作は見受けられず、 平均20%を越える番組を作るのは、 至難の業となっています。 邦画の興隆とも合わせてみると、 何かが底流で動き始めているようにも感じられます。
携帯、 IPなどの新市場と、 広告収入の頭打ちなどから、 テレビ局は、 連結決算にシフトし始めています。 つまり、 テレビだけでない、 すべてを巻き込んだソフト戦略を考え始めています。
映画、 イベント、 マーチャンダイジングなど、 放送外の事業、 権利を含めて、 一つのソフトの周辺を大きく拡大していくことで、 ソフト自体の価値を高める。 さまざまな媒体と連動することで、 大きなムーブメントを起こしていく。 それがさらにIP、 携帯、 衛星、 光、 といったプラットフォームで、 多様な反応を呼び起こしていく。
時代は、 まさにプロデューサーの時代になったようです。
多岐に渡る範囲を結びつけるもの、 発想するもの、 作るもの、 こうした総合力がプロデューサーに求められるようになりました。 それは、 もしかしたら、 もう個人の能力を超えているのかも知れません。 たぶん、 優れたプロデューサーをヘッドとしたチームという形式が、 これからどんどん生まれてくるような気がしてなりません。
当協会も、 大きく範囲を広げる時に来ているようです。 時代のニーズに合うように、 他のエリアとの交流を計るべく、 会員の範囲を拡大する必要があるように思えてなりません。 そして、 人の交流から、 それぞれのチームを作るきっかけとなれば、 協会の存立意義はいやがうえにも、 高められるでしょう。
よい方法論をご一考願えれば幸甚です。