国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2007の報告    国際ドラマフェスティバルi事務局 鎌田 敏郎

■国際ドラマフェスティバルなんとかキックオフ!

 初日の式典は来場者250名で会場は一杯、 予定したそれぞれのイベントはオンタイムで終了、 用意した食事はデザートまでほぼ完食でした。
  二日目の上映会・シンポジウムは関係者の多大なるご支援ご協力により、 多くの若者も含め延べで300名近い入場者で、 常時八割の席が埋まる盛況ぶりでした。
  また、 関係者間の刑事的揉め事なし、 事故報告事案なし、 強硬な抗議事案なしと、 7月末から準備を始め、 10月中旬に開催という大胆な挑戦は、 大きな混乱もなく無事終了といえます。
  関係各位、 とりわけドタバタの運営を冷静に受け止めていただき、 適切に対応していただいた運営委員の方々を始めとして、 全ての皆様に深く御礼申し上げます。
  これからそれぞれの清算業務、 報告書作成等々、 事後処理が数多くありますが、 その検証作業を通じて来年度の準備が始まるともいえます。 まさに、 キックオフがなされたわけで、 形を組み立てるのはこれからであります。

■ことの経過を振り返れば

 さて、 今回のイベントは、 出来るかどうかを議論する間もなく、 目の前にある予算と人員で出来ることをやる、 というシンプルな指示で始まったのであります。
個人的感想で恐縮ですが、 八月に初めて幹事会に参加したときに、 これは大変だと、 実は腰が引けました。 やろうとするイベントと予算の身の丈が、 あまりにも合わないと感じたからでした。
実行委員会、 担当部会制と運営の骨組みを議論するなか、 それなりの負担を各社にお願いしなければ成立が難しいことが見えていました。 また、 時間的制約も大きな障害でした。 お願い事の枕詞は、 「とにかく今年は、 キックオフなので、 ひとつよろしく」 でした。
しかし、 予算を抑えて組み立てたものの、 どんなイベントでもそうですが、 必要な形を整えようとすると、 じわりじわりと予測費用が膨らんでいきました。
そこに経産省・民放5社、 総務省、 スカパー、 NHK、 WOWOWと協賛了承の朗報が、 運営会議の修羅場化を防ぐ特効薬となり、 ぎりぎりの数字でゴールに滑り込んだと、 感じています。

■先行きは多難・結集が必要

 総務省から佐藤副大臣、 経産省から新藤副大臣、 橋本NHK会長、 広瀬民放連会長の皆様のスピーチにおいて、 官民協力の重要性及び、 全ての関係者が連携して前進することの意義が語られたことは、 大きな果実を得たといえます。
  とはいえ、 運営面で官民協同を進めることの課題は多くあることが判明したことも事実です。
  国からの補助、 民間企業からの協賛という組み合わせで、 予算編成し、 効率よく遣い切る運用が求められるのですが、 このバランス調整が、 実は相当難易度が高いのです。
  そんな中、 もう来年度の準備を始めなければなりません。 さまざまなルールもこれから整備しなければなりません。 まさに前途多難で窮まり易い道といえます。
  膨大な分量の作業は、 分担制による多士済々の知恵と人手の結集は必須といえます。 多くの関係者のご参加、 ご協力をお願いしつつ、 まとめと致します。

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→国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2007

新理事より会員の皆さまへのごあいさつ A

TBS 遠藤 環  TBS 遠藤  環

 恐らくこの右に載っているであろう写真は、 今の本人の見た目とは著しく違いまして、 これは詐欺罪に問われる疑いさえありますな。
  私がこんな見た目をしていた頃、 テレビドラマは、 今よりずっと面白かった気がするな (山下清風)。
  仕事柄、 新ドラマの第一回目は必ずチェックだが、 二回目以降連続して観るドラマの数は今はとても少ないな。 これって、 いわゆるドラマ離れだな。
  本来テレビドラマって、 小説や漫画等を原作とするものではないはずだ、 という 「古臭〜い」 考えを持っているんだな。 漫画を原作にドラマって、 それ、 映像化したに過ぎないんじゃないの?そこんトコどうですか、 数字が大事な編成さん、 そして若いピーの皆さん方。
  今放送されているものを見て、 あれがドラマだと思ってテレビ局に入ってくる奴が大勢いるな。 今のままでは、 やがて 『テレビドラマ』 はなくなってしまうな。
  エランドール賞を選ぶ時には、 少しだけ抵抗してみよかな、 と言うのが、 新理事としての抱負です。
フェローピクチャーズ 福島 聡司  フェローピクチャーズ 福島 聡司

 今回の理事就任にあたって、 自分が副理事を務めた数年の間、 なにをやってきたのかと自問してみると、 なにもやっていないことに気づきます。 すべて前任の理事にお任せばかりで、 とくに撮影中は理事会への出席率も悪く、 決議されたことを会報で知るばかりでした。 これではイカンイカン!! 今後は心を入れ替え協会のため、 プロデューサー各位のため、 そして日本映画のために頑張っていこうと思います。 とは言いつつもいったい自分に何が出来るのやら、 はなはだ疑問ではありますが… せめて映画撮影の現場に近い自分なので、 現場の若いスタッフ、 キャストに耳を傾け、 プロデューサーに対して、 いや日本映画に対して何を期待して、 何を望んでいるかをよく聞き、 将来の日本映画の発展に少しでも役立つようにしたいと思います。 あと、 アメリカ映画をやっていつも感じる、 日米の撮影時の待遇の違いを少しでも改善していこうと思います。 今後ともよろしくお願いします。
角川映画 土川 勉  角川映画 土川  勉

 今回、 大映グループの理事に就任いたしました角川映画の土川勉です。 映画業界に入り今年で29年、 「プロデューサー」 の名称で仕事を始めて19年になります。 今まで映画関係団体では 「日本アカデミー賞協会」 や 「東京国際映画祭」 などでのお手伝いを末席で微力ながら経験してきましたが、 今回始めてプロデューサー協会の仕事に参加することになりました。 皆様のご協力あっての協会ですので宜しく御願い致します。
  最近 (特に日本映画界では) シンプルな 「プロデューサー」 という名刺を持つ人が少なくなったような気がします。 そう言う私の名刺も役職の他に 「エグゼクティブプロデューサー」 というちょっと大袈裟な肩書きが付いていて (私如きがという) 違和感を覚えます。 よく海外の映画人と名刺交換をすると 「君は一体何をする人なんだ?君は映画を作るプロデューサーじゃないのか?」 と言われる事がある。 シンプルな 「プロデューサー」 という職業こそ世界共通のモノを作る素敵な人たちの職業であって、 そこには 「エグゼクティブ」 も 「エコノミー」 もないと思います。

只今撮影中

NHK  遠藤 理史

NHK 遠藤 理史連続テレビ小説   「ちりとてちん」

 いきなり私事で恐縮ですが、 最近自分の子供を見ていてふと思うことがあります。
「自分の親も、 こんな気持ちで私を育てていたのだろうか」 と。
  子供に何を教え、 何を教えるべきでないのか。 自主性を重んじるべきか規律を教えるべきか。 厳しくすべきなのか優しくすべきなのか。 自分の親もこんなことに悩んでいたのでしょうか。 そしてその親も、 そのまた親も。
  たぶん多くの人たちが、 自分の親や先生から教わったことを自分なりに悩み解釈し、 少しずつ変えて次の世代に伝えているのではないでしょうか。 親から子へ、 子から孫へ。 先生から生徒へ。 それが何世代にも渡って続けられ、 そういった小さな繋がりをたくさん束ねたものを 「伝統」 と呼ぶような気がします。 だから伝統は私たちの未来にもつながっていて、 私たちはその真っ只中に生きているのではないでしょうか。
  そんな考えをきっかけに企画したのが、 10月から始まりました連続テレビ小説 「ちりとてちん」 です。
  ヒロインの喜代美は福井県の塗箸職人の家で育ちます。 お箸は、 日本中で使われているのに誰がどこで作っているのか意外に知られていない伝統の一つです。 そこから喜代美は、 大阪へ出て上方落語の世界に飛び込みます。 落語の世界も、 三○○年の伝統を持ちながらそこに胡座をかくことなく常に現代と向き合い、 少しずつ形を変えて生き続けてきました。 徒弟制度が色濃く残る保守的な面もありつつ、 テレビ界で活躍する人材を次々に送り出す現代性も持ち合わせています。 そこで喜代美が出会う 「笑い」 や、 「仲間」、 そして見つける次世代への責任感。 そんな物語を通して、 見てくださったみなさんが何かを感じていただけたらと思っています。
「ちりとてちん」撮影風景  脚本の藤本有紀さんは、 そんなちょっと説教臭い (?) 企画に素晴らしい主人公を設定してくださいました。
  自信なし。 特技なし。 将来の夢なんてわかんない。 心配性でコンプレックスの塊のような、 言わば朝ドラ主人公の 「風上にもおけない」 女の子、 喜代美です。
  どんな困難にも負けず、 明るく迷いない人生を送っている人なんてたぶんほんのひと握り。 そんなヒロインの活躍を見てすかっとするのもいいけど、 もっと自分たちに似た (?) ダメなヒロインが頑張ってる姿に共感して下さる方も多いのではないかと思います。 実は落語世界の住人たちが面白いのも、 まさに彼らが 「懸命に生きている」 からにほかならないのです。
  果たしてこのドラマとへたれヒロインが視聴者の皆さんにどのように受け入れられるのか、 今はスタッフ一同ドキドキしながらその結果を待っているところです。
  6月にクランクインしてから早四ヶ月。 今日もNHK大阪放送局のスタジオで撮影が続いています。 ぜひご覧いただき、 たくさんのご意見やご感想をいただければ幸いです。

私の新人時代

セガ  梅村 宗宏

セガ  梅村 宗宏「四十の手習い」

とにかくスタートラインが遅かった・・・。
もともと学生時代は音楽漬けで、 かなり幅広く音楽にかかわってきた。 しかし社会人として選んだ道は、 西武百貨店という流通業界であった。 当時の西武はご記憶の方も多いと思うが、 「おいしい生活」 「不思議大好き」 など糸井重里氏の一連のコピーに代表されるように流通業を超えたかなり幅広い事業活動、 特に美術、 スポーツ、 音楽、 映画、 演劇など所謂文化事業に非常に積極的で突出した存在であった。 そんな中で、 私は後のWAVEの前身となる組織で音楽ビジネスの末端の仕事に従事した。 数々の音楽・映像のイベント企画やプロモーションの経験を積んだ。 その後三十歳で西武を離れ、 通信機メーカーの宣伝・広報を経て、 92年ゲーム会社のセガに入社した。 当時のゲーム業界は勃興期で、 ダイナミズムに溢れていた。 とにかくどんな形であろうと、 人を楽しませるエンターテイメント業界に身を置きたかったのであろう。 八年余り企業広報を任され、 仕事が一段落した2000年、 新たに映像事業を展開することになり、 責任者としてまったくの0から事業を立ち上げることとなった。 紆余曲折を経て念願のプロデューサーの仕事に辿り着いたのである。
遅い船出の自分には強力なサポーターが必要であろうと考え、 学生時代の友人であった河井真也氏 (CX) に教えを請いながらセガでの映像事業について様々な観点から考えを巡らせた。 まさに 「四十の手習い」 である。 河井氏と 「Jam Films」 シリーズを立ち上げ、 その後 「female」 やその他いくつかの映画、 劇場用アニメ、 TVアニメ、 DVD作品、 土川勉氏 (現・角川映画) を招聘して作った 「龍が如く 劇場版」 など、 7年間で四十六作品を怒涛の如く製作した。
現時点でも私自身はプロデューサーとしては 「新人」 であり、 「四十の手習い」 で始めた私はまだまだ勉強、 経験を積まなければならない事が多々あると自覚している。 メディアの多様化が浸透していく半面、 業界の市場環境は厳しく、 優勝劣敗が著しくなる中、 海外市場への対応の遅れ、 著作権など根本的な問題も多く存在している。 しかし、 この仕事を今後一生続けたいという思いは強く、 自分なりの目標やアイデアもある。 今後はできるだけ遠回りをせず、 価値ある作品を製作し、 頑張っていきたいと考えている。

事 務 局 だ よ り

・正会員入会  中村 高志 (NHK)        ・退会  下谷 一博 (F)

* * * * 2008年エランドール賞 授賞式・新春パーティのお知らせ * * * *

・日時  平成20年2月7日(木) 午後6時30分より
・場所  新宿慶応プラザホテル 南館5Fエミネンスホール
・パーティ会費
      正会員は、毎月の会費に含まれています。
      賛助会員・功労会員・地方か委員は、会費8,000円です。
      一般の出席者は、会費1,5000円です。
      詳細は12月号でお知らせ致します。
   会員の皆様の多数のご参加をお待ち申し上げます。

* * * * 第43回プロデューサー協会親睦ゴルフ会 * * * *     (親睦委員会)

10月19日 (金) 清川カントリークラブ (神奈川県愛甲郡) に於いて、 心配された天候にも恵まれ27名のメンバーで親睦ゴルフ会コンペが開催されました。
(競技方法は新ペリア方式で行われました。 )

順 位 氏 名 O I G H N
優 勝 大谷 信義 42 49 91 19.2 71.8
準優勝 杉田 成道 44 47 91 18.0 73.0
3 位 松尾  武 41 43 84 10.8 73.2

* * * * お知らせ * * *                     (事務局)

今年十二月下旬、 協会事務局が中野区中央一丁目に移転の予定ですので、 追って詳細は次号でお知らせ致します。

* * * * インフォメーション * * * *              

○会議の記録と予定
10月1日 (月)
親睦委員会
(事務局)
10月15日 (月)
会報委員会
(事務局)
10月23日 (水)
第4回定例理事会
(NEP)
11月1日 (木)
エランドール委員会
(事務局)
11月12日 (月)
会報委員会
(事務局)
11月22日 (木)
第5回定例理事会
(東映)

 

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