最近、連ドラの視聴率が低迷しているようですが−と、この類の質問を記者から受けることが多い。それに対して、いつもこういう風に答えている。
−90年代が良過ぎただけであって、80年代は20%を越えれば時代を代表するドラマと評価され、30%越えなんて、NHKの大河と朝ドラの専売特許みたいなもんで、テレビ誌創刊ラッシュが追い風の連ドラバブルがはじけてだけで、適性水準に修正されたようなもの。視聴率の呪縛が解ければ、ドラマの多様性は再び発揮されます。硬軟とり合わせたバラエティ豊かなドラマ群になることは、視聴者にとっても制作者にとっても誠に良いことなのです。ドラマと不振とおっしゃいますが、2時間ドラマ枠の数字は上昇しています。連ドラとトータルすれば、ドラマ・シェアは変わってません。原因分析を、制作者や脚本家の世代交代がうまくいっていないとかスター不在、諸事情の優先、視聴者の質的変化に求めるムキもありますが、そもそもテレビに向いてないし、プロとは言い難い。
だって、バラエティの方々は努力してますよ。「あいのり」とか「未来日記」はヘタな恋愛ドラマよりおもしろいし、「ガチンコ!」や「坂本ちゃん合格!」で泣けたりするんですから。もったいぶったドラマよりも気軽に楽しめるじゃないですか。そもそもドラマ的手法を採り入れてるんだから、強いはずです。だから、ドラマは愛と夢と希望というフィクションの原点に立ち帰ったうえで、何か新しいことを採り入れるべきでしょう。でも新しいことなんて作劇的にはない訳ですから、歴史に学ぶしかないですよ。昔のドラマがおもしろかったという方は、ドラマ作るの止めて下さい。2時間ドラマの制作者たちは謙虚だし、弱音なんて吐かないもんね。−でも、やっぱり「連ドラ好調の原因は?」なんて質問された方が気持ちいいかな・・・・。 |
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