拝啓プロデューサー様
時下ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
芸能史に名を残すであろう個性派女優のKさまは言いました。
「役者も最終的には人柄なのよねぇ〜」
そうかもしれない。 でも、 芸能界で一番人柄でお仕事しているのがプロデューサー様じゃぁないかと私は思ってしまうのです。
私はこの秋ほぼ20年ぶりにサスペンスに出演。 平均より3%多い数字の視聴率だったそうです。
新聞に視聴者の声が載ってました。
「平穏な生活のなかに潜む人間のもろさが柔らかなタッチで…。 残虐なシーンがなくとも、 心の闇を丁寧に浮き彫りにすれば十分に迫力あるサスペンスができる」 …と42才の男性会社員。 ほかにも男性から評が。 ちょっと驚き。 だってテレビは女性子供がほとんどだと思い込んでいたので…。
良い映画の条件として昔、 「一抜け二筋三役者」 といわれたそうです。 富士山や景色をしっかり撮る事が難しい時代の言葉なのでしょうが、
近年にも通じるのでは。 地味であっても画が良くて、 本が面白くて、 演技を外さなければ、
きっちり視聴者の目を釘付けに出きるのでは…。 あのドラマも、 そう確かシーン数がやたら多くて難しい本だと思った。 |
でも監督の映像に対する思いと脚本への愛が、 個性有るキャストを集め、 術後の身体でありながら厳しい条件の中コツコツとシーンを作り上げていった、
さすが日本のヌーベルバーグと言われた井上監督。
そして、 こんな楽しい事を叶えられるのはプロデューサー様あったればこそ。
清く美しく貧しい現場スタッフ達に夢を! 日本の未来にプライドを!
まことに身勝手なことを申し述べましたこと、 なにとぞお許し下さい。
引き続きご厚情を賜りたく宜しくお願い申し上げます。 |
敬 具 |
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