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2時間ドラマ好調の秘密 @ |
民放各局では連続ドラマが苦戦を強いられる中、 2時間ドラマが好調です。
今月号と次号、 二回に渡って各局担当者に聞きました。 |
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TBS 編成局編成部 月曜ミステリー劇場編集長 |
木村 理津 |
2時間ドラマが今、 好調な理由
月曜ミステリー劇場に転換したのが2年前の4月ですが、 ミステリー色を前面に押し出す方針を固め、
以前の枠より高調になりました。 (2000年上期15・4%⇒2001年上期16・5%)
もちろん以前の枠より引き続きやっているシリーズもありますが、 それも含め、
内容はかなり"ハード"な、 より"しっかり"したミステリーへと転換しています。
これは、 横山秀夫さんの原作と我が月曜ミステリーチームが出会った事が大きな要因かもしれません。 ご存知の方も多いと思いますが、 横山秀夫さんの初出版本である 「陰の季節」 はいきなり松本清張賞を受賞し、 各制作会社さんがドラマ化を目指し原作権の取り合いになりました。 ところが、 こういった、 横山秀夫色を好むかと思われたNHKさん、 そして重厚なミステリーを作っている火サスの日テレさんにもって行ったところ、 「これはウチではドラマ化できない」 と断わられ、 せっかく原作権を取った制作会社さんはもったいないのでTBSにでも持っていくか…と最後に私の所に持ってきてくれたのです。 この作品をどうしてもドラマ化したいと思いましたが、 そのころ月ミス (当時は月曜ドラマスペシャル) では、 そこまで"ハード"な"しっかり"したミステリーは少なく、 「暗いのでは?」 「地味すぎない?」 との意見がでました。 しかし、 放送してみると18・5%という高視聴率!しかも放送文化基金賞などの賞をたくさん頂き、 あっという間に月ミスの"顔"的存在になりました。 この 「陰の季節」 シリーズに続き、 「逆転の夏」 「沈黙のアリバイ」 「第三の時効」 「密室の抜け穴」 と立て続けに横山作品をドラマ化していますが、 そのどの作品も非常に評判が良く、 また、 質が高いとの評価を頂き、 月ミスの誇りとなる作品になりました。 こういった作品を放送するうちに、 どうやら月曜日の2時間ドラマは、 「質の高い、 本格的なミステリーをやっている」 とのイメージが定着してきたようです。 我々もその他の作品を作る際にも、 やはり 「質が高く、 本格的な作品」 に仕上げたい気持ちが強く、 制作会社の方にもそのような作品に仕上げて頂くようお願いしております。 2時間ドラマは、 かつては素人探偵が大流行で、 「昼は銀行員、 夜は探偵」 的作品がいわば2時間ドラマ、 との認識が視聴者の方にもおありだったかと思います。 しかし、 今やお金を払って見る映画より面白いと言って頂けるような 「質の高い、 面白い」 2時間ドラマを目指し、 日夜努力した結果が、 毎週視聴者の方に好印象を持って頂けるのかと自負しております。 |
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