プロデューサーズ・フェスタ2003
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報 告 |
プロデューサーズ・フェスタ2003 |
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さらに新しい祭りのために フェスタ委員長 西村 与志木 |
プロデューサーズ・フェスタ2003は昨年12月6日、 蒲田の日本工学院で開かれました。
結論から言えば、 予想以上の成果を挙げイベントとしても成功したのではないかと思います。
会員の皆さんを始め運営に当たったキネマ旬報社、 日本工学院の皆さんの協力のおかげだと感謝しております。
9時30分からTV、 映画、 制作会社の人事担当者がパネリストとなった 「映像業界が求める人材とは」 をテーマにした人事セミナーが開かれました。 会場からも活発な質問が出て、 そのあとに続いた若手プロデューサーとの 「出会いの広場」 とあいまって参加者の映像業界への就職の熱い関心度合いが感じられました。 午後からドラマセミナーとして 「脚本家とプロデューサーとのバトル!」 と題して4人のプロデューサーと4人の作家の脚本作りの裏話や丁々発止の議論に会場も大いに沸いておりました。 それに続く映画セミナーは 「時代劇」 をテーマに予告編の上映も含めて話題の作品のプロデューサーたちの議論がなされました。 最後にトリを飾ったのは 「ザ・ヒットメーカー2003」 でした。 表彰の後に行われた受賞者たちのパネルディスカッションは 「日本文化を如何に海外に輸出するか」 という実に興味深いところまで及んでおりました。 これらのセミナーと平行してワークショップも鶴橋康夫さんの指導の元に各局のプロデューサーも参加して開かれ活況を呈しておりました。
心配された収支もとんとんということになった様ですが、 今年のフェスタで4回目を迎えた今、 抜本的にこのイベントを考え直してみようとの声も会員の中から数多く聞かれました。 内容や開催場所、 さらにはこのイベントの名称も含めて、 一度会員の皆さんの意見を集約して議論するいいチャンスではないかと思っております。 これまでの成果を踏まえて 「さらに新しい祭り」 を目指していこうではありませんか。
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プロデューサーズ・フェスタ2003 |
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プロデューサーズ・フェスタ2003 |
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熱い一日 豊田 紀雄 |
八時四十分をまわるとぽちぽち受講者が集まってきた。 熊谷事務局長はじめ各担当の委員方もあわただしく集う。 私は名札を胸にただちに、 ワークショップ会場に向かう。 土曜日だというのに授業があるのだろう、 何人かの学生が、 寒空の下テラスのベンチで談笑している。 地下二階の会場へ急ぐ。 審査員のお茶がない。 会場の椅子が足りない。 当日持参した履歴書のコピーを学生にたのむ。 ワークショップの組み合わせを決める。 審査をつとめて下さるプロデューサー諸氏への挨拶も出来ないまゝ開始時間が迫る。 肝心の鶴橋氏がまだだ。 開始三分前、 うすいサングラスに帽子を真深にかぶり、 ジャンバー姿で主役が登場。 さあ、 いよいよ開始。 参加者五十三人、 見学者十八人。 長い一日の始まり。
定員六十人のところ、 応募者は八十人近くあったが、 実際来たのは五十三名。 遅刻者はひとりもいなかった。 参加申し込みをしながら出席しなかったのはおそらく参加費八千円が工面出来なかったのだろう。 彼らの赤貧の生活を想像するに残念。
体調を崩されて欠席のNHKを除いて各局精鋭の若手現役プロデューサーが席に着く。 午前中の課題作は、 山田太一作ふぞろいの林檎たち。 二頁のセリフをしっかり覚えてきた者。 組み合わせの相手のつたない演技に足をひっぱられる者。 厳しく、 やさしく、 丁寧に批評するプロデューサー諸氏。 一○六個の眼がらんらんと輝く。 そして見学者三六個の眼。 それをしっかり受け止める審査員の真剣なまなざし。 心配気に会場の様子を覗きに来る杉田会長はじめ小林俊一氏。 小山啓氏ははじめから終わりまで会場の隅で固唾をのむ。
午後からは一部、 審査員が入れ替わり、 NHKのプロデューサーも加わり、 会場の熱は一気に上がる。 一分半の自由課題。 シェイクスピアやつかこうへいを何人もが取り上げ、 鶴橋氏にこっぴどくやられる。 徹夜で編集作業をやり、 かけつけてくれた氏の手厳しく、 適確で愛情あふるるアドバイスに会場は静まり返る。 なんという贅沢、 なんという幸福。
終わりがきた。 はじめの約束通り四人の優秀な人が選ばれた。 TBSの鈴木早苗氏が一言、 「自分をプロデュースすることが上手な人が選ばれました」 選ばれた四人を中心に参加者全員で起立。 四人を称えて鶴橋氏の指揮のもとに合唱。 拍手。 それは四人を称えると同時に参加者自身への労らいの拍手、 そして審査員、 チャンスを与えてくれた協会への感謝の拍手であった。
三年後、 五年後、 五十三人のうち何人が役者を続けているだろうか。 役者を断念した者も、 バイトとレッスンの中で身体をいためつけている者も、 十二月六日、 経験したワークショップは一生忘れることはないであろう。
会場を出ると、 今までかろうじて持っていた空から氷雨が降ってきた。 興奮と軽いめまいにも似た夢を覚ますには丁度いい雨だ。 森江氏の待つ、 ヒットメーカーの会場に行かなければ 。 長い一日の終わりはその後だ。
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プロデューサーズ・フェスタ2003 |
プロデューサーズ・フェスタ2003ワークショップ・優秀賞のみなさん |
(連絡は事務局へお願い致します) |
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山田 淳子 |
橘 麦 |
松井 伴憲 |
原田 琢磨 |
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