アクターズ・セミナー |
〜プロデューサーと俳優の出会いの場〜 |
セミナー委員 豊田 紀雄 |
当会報の九月号で西村委員長が報告していたように、 十一月二十八日 (日) に、 アクターズセミナーが開催される運びとなった。
アクターズセミナーが何故人気があるのか?それは一口に言って、 普段プロデューサーや演出家に会う機会が無い役者たちにとって、 高額な参加費 (前回は八千円) を払ってでも価値があるのは、 これが大きな大きな演技の発表の舞台だからなのです。
かつて モデルは写真スタジオでポーズをとり、 スポーツ選手は競技場で技を競い、 お笑い芸人は寄席で笑いをとっていた時代 マネージャーは自社のタレント名簿をかかえ、 大泉東映東京撮影所を起点に、 午後は中央のテレビ局へと出向くか、 調布の日活撮影所を起点とすると、 三船プロ、 東宝砧撮影所、 円谷プロからNHK、 TBS、 大映テレビ等へ移動する。
文学座や俳協のような大世帯の事務所のマネージャーは五冊や十冊の台本を一日の成果として持って帰った。 それだけ役者の仕事があった。 現在はというと、 ひとつの小さな役に、 何十、 何百と候補者の資料が集まる。 それだけ役者の仕事が激減した。 特に無名の小劇団や弱小プロダクションの若手役者の、 テレビ、 映画への出演の機会は絶望的である。 従って彼等はどんな小さなオーディション情報でも血眼になって探す。 夏のビアパーティーがなくなって十年近くになります。 このワークショップオーディションがどれ程待たれたことでしょう。
赤貧と斗い乍ら、 真摯に演技する孤独な劇詩人たちを見て下さい。 汗と唾を浴びて下さい。 魂の叫びを聞いて下さい。 新しい血の流れを感じて下さい。 第二、 第三の上川隆也、 柄本明、 もたいまさこ、 渡辺えり子を探して下さい。
運良く天候に恵まれれば、 京王プラザホテルを左手に見て黄葉の新宿中央公園を抜けて会場 (東放学園) への十五分、 身も心も洗われるかもしれません。 |
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