(社)日本映画テレビプロデューサー協会報 2008年2月号

華やかに2008年エランドール賞授賞式開催!!

2008年エランドール賞新人賞の皆さん
晴れやかに、 2月7日 (木) 新宿・京王プラザホテル・エミネンスホールで 「2008年エランドール賞授賞式」 が開催されました。
  歴史ある私達の協会が 「日本映画製作者協会」 として発足したのが1954年でした。
  その年の 「年忘れパーティー」 が 「新春パーティー」 に、 そして 「新人俳優の表彰制度」 が後の 「エランドール新人賞」 (ELANDOR/黄金の飛翔) へと名称は変わりましたが、 第一回受賞者は――池内淳子・石原裕次郎・川口浩・草薙幸二郎・白川由美・杉田弘子・高倉健の皆さんでした。
  この行事は、 協会の永い歴史と伝統の重みから、 日本映像界の数ある賞の中でも、 最も権威のあるものになっています。
  司会はおなじみの小林大輔さん。 エレクトーン演奏は永田勝子さんです。
  冒頭に杉田成道協会長の開会の挨拶があり、 来賓の祝辞は、 文化庁文化部芸術文化課の清水明課長のご挨拶をいただき、 続いて、 菅谷定彦テレビ東京代表取締役会長の乾杯の音頭によって、 いよいよ華麗なる授賞式はスタートを切ったのです。
  まず 「エランドール作品賞」 の授与は、 重村一協会副会長より、 映画部門は、 本格的な社会派ドラマとして、 日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにし、 感動的な作品として高い評価を受けた 「それでもボクはやってない」 (受賞代表/周防正行監督) が授与されました。
  そして、 テレビ部門は、 日本買収ビジネスを巡る二人の男の野望と挫折を描く重厚な人間ドラマとして大きな話題を呼んだ、 NHK土曜ドラマ 「ハゲタカ」 (受賞代表/大友啓史ディレクター) が授与されました。
  次いで、 東京ニュース通信社から提供された 「TV・Taro賞」 が高橋和佳子副編集長より、 「TVガイド賞」 は、 並木朋子編集長から各々手渡され、 プレゼンターの、 草刈民代さんや、 坂上順協会副会長より 「日本ばら切花協会」 の提供による逸品のバラの花束が手渡されました。
  続いて、 ひときわ高鳴るファンファーレと共に、 歴史と栄誉ある 「エランドール新人賞」 の授与式が行われました。
  今年は、 新垣結衣さん、 大森南朋さん、 小栗旬さん、 貫地谷しほりさん、 檀れいさんが、 2007年度において、 優れた感性と、 新鮮な演技をもって映画やテレビ界で目覚ましい活躍をしました。
  今後も尚一層の研鑚と飛躍を期待すると、 杉田成道協会長より表彰状と、 トロフィー、 そして副賞として腕時計 (平和堂貿易提供) が手渡されました。
  又、 それぞれの受賞者、 お祝いにかけつけたプレゼンターの女優の麻生祐未さん、 俳優の大杉漣さん、 監督の三池崇史さん、 俳優の竜雷太さん、 笹野高史さんから、 バラの花束が手渡されました。
  続いて、 「エランドール特別賞」 の授与は、 坂上順協会副会長より、 1960年代の国民的スターとして人気を集め、 映画やテレビで華々しく活躍し、 「無責任」 という流行語と共に時代を象徴するトップスターとして多くのファンに親しまれ急逝された故・植木等さんの代理に長男の植木廣司さんに贈られました。
  続いて、 今までの連続テレビドラマのスケールをはるかに上廻る究極の人間ドラマとして全国の話題を集めたTBSの 「華麗なる一族」 の制作に携わったスタッフの代表として、 TBSの瀬戸口克陽プロデューサーに特別賞が贈られました。
  又、 ケータイ小説をベースに、 一途な愛を貫こうとするヒロインの青春を細やかな視点で描いた純愛ドラマ、 映画 「恋空」 の製作に携わったスタッフの代表として、 今井夏木ディレクターにも特別賞が贈られたのです。
  続いて、 1981年に放映された 「それからの武蔵」 から、 テレビ東京の 「12時間超ワイド・ドラマ」 としてスタートし、 その後、 「テレビ東京・新春ワイド時代劇シリーズ」 として現在も正月恒例の特別番組として、 高い評価を受けている制作スタッフを代表して佐々木彰ドラマ制作室長にも特別賞が贈られたのです。
  プレゼンターの、 トップコート社長渡辺万由美さんや、 俳優の北大路欣也さん、 女優の新垣結衣さんからそれぞれバラの花束が贈られました。
  そして最後に、 西村与志木協会副会長より 「エランドール・プロデューサー賞 (田中友幸基金賞)」 の授与式が行われました。
  映画部門は、 「それでもボクはやってない」 のアルタミラピクチャーズの桝井省志プロデューサーと、 フジテレビの関口大輔プロデューサーに、 そして 「プロデューサー奨励賞」 は映画 「西遊記」 の鈴木吉弘フジテレビプロデューサーが受賞されました。
  又、 テレビ部門は、 NHKのテレビドラマ 「ハゲタカ」 の訓覇圭プロデューサーと、 奨励賞は、 「華麗なる一族」 と 「花より男子②リターンズ」 の瀬戸口克陽TBSプロデューサーが受賞しました。
  そして、 プレゼンターの、 俳優の徳井優さん、 伊藤淳史さん、 大森南朋さん、 小栗旬さんが花束をお渡ししました。
  こうして、 なごやかな中にも華やかに、 最後は、 坂上順協会副会長の閉会の辞があり、 協会名物の楽しい 「福引き大会」 が行われ、 大盛況裡に無事幕を閉じました。
  皆様に心よりお礼を申し上げます。

杉田成道 協会会長  清水明 文化庁課長  菅谷定彦 テレビ東京会長  北大路欣也さん 俳優

只今撮影中

松竹  福島 大輔
松竹 福島大輔
 「犬と私の10の約束」

 当然のことなのですが、 犬の映画の撮影を行うにあたって絶対に欠かせない存在が、 ドッグトレーナーです。 本作品では宮忠臣さんに引き受けて頂きましたが、 同氏は 「南極物語」 を皮切りに、 「ハチ公物語」 「マリリンに逢いたい」 「クイール」 「マリと子犬の物語」 等々、 犬の映画といえばこの人、 といっても過言ではない、 いわゆる“大御所”です。 私は宮さんとご一緒するのは初めてだったため、 右記の実績を見るだけでも身が引き締まる思いでしたが、 撮影前にお会いして犬について相談させて頂いた際、 非常に親身になって考えて頂き、 とてもほっとしたことを今でも覚えています。 その後、 撮影で犬に演技をつける宮さんを拝見しておりましたが、 一言でいうと 「安心感」 がある事に気づきました。 犬の行動としてト書きには書いてあるものの、 こんな事はできないんじゃないか?と思うような箇所も、 宮さんが現場で演技をつけ始めると、 気づけば一発OKに近いペースで撮影が進んで行きました。 宮さんの実力を目の当たりにして、 感心しきりだったのですが、 なぜそんな事が出来るのか、 また、 宮さんのすごさを知るのは、 撮影後のことでした。 宣伝の一環で、 映画に出演してもらった犬と一緒にインタビューを受けるために私が宮さんのご実家にお伺いしたときのことでした。 セットの中ではものすごく穏やかで、 若干心配になるくらい大人しかった犬が、 宮さんの周りを力いっぱい走り回り、 ものすごくはしゃいでいました。 その時に気づいたのが、 犬は宮さんと一緒にいることが嬉しいし、 宮さんが喜んでくれることが嬉しいのではないか、 ということでした。 宮さんもそのことについてはインタビューで仰ってましたが、 犬が演技らしきするものは、 ひとえにご主人様と一緒にいれる事が嬉しくて、 もっと一緒にいるためにも、 大好きな人の指示に応えていこうとする気持ちがあるからなのだそうです。 「南極物語」 に出演した“タロ”と“ジロ”が、 撮影後に住みやすい環境という理由で稚内に引っ越した事からも分かりますが、 人生を犬と共に生きてきた宮さんだからこそ、 撮影現場で実現できることがあるのだと、 実感しました。
 「犬と私の10の約束」  ほとんど宮さんと犬の話になりましたが、 映画全体の話をさせて頂きますと、 インターネットを中心に、 アメリカやイギリスなど英語圏内で浸透している、 「犬の十戒」 の英文詩を見つけたことから企画が立ち上がり、 10個の約束の要素を随所に盛り込んだ脚本にて、 製作が行われました。 また、 実際の撮影は06年の秋、 07年の春および夏と計三回に分けて行い、 10年以上に及ぶ物語に説得力を与えるべく、 四季を丁寧に撮影していきました。 なかでも、 函館において行われましたロケにおいては、 はこだてフィルムコミッションの方々に多大なるご協力を頂き、 製作サイドの意向が十二分に実現できた撮影となりました。 改めて御礼申し上げたいと思います。
また、 遅くなりましたが、 田中麗奈さん、 豊川悦司さん、 加瀬亮さん、 福田麻由子さん、 高島礼子さん、 布施明さんをはじめとした出演者の方々は、 全員と言って良いほど“愛犬家”の方々であり、 通常の撮影では考えられないペースや進め方にも関わらず、 撮影にご協力頂き、 無事クランクアップすることが出来ました。 たんなる“犬の映画”にとどまることなく、 人間のドラマが織り込まれた映画に仕上がったのは、 演技力もさることながら、 辛抱強くご協力頂いた結果のしるしだと思っております。
感動作品として仕上がりました本作品、 3月15日から公開しておりますので、 ご来場頂けましたら幸いです。

私の新人時代

東宝 阿部 謙三
東宝 阿部謙三「DASH AND DASH」

 ついこの間のようにその日のことは思い出せる。
 東宝テレビ部に配属になった1990年の10月、 初日に台本を渡され2日目にはロケ現場に向かった。 文字通り右も左もわからないまま 「刑事貴族」 (NTV系列放送、 「太陽にほえろ」 の放送枠、 舘ひろしさん、 松方弘樹さん他、 出演)の撮影をする新宿中央公園に立っていた。 先輩に付き添ってもらい、 監督、 スタッフ、 キャストの方々に一通り挨拶し、 何から仕事をすればいいのだろうと、 迷子の小犬のように突っ立っていた。 そこに早速洗礼が。 レギュラー俳優のFさんからの指令だった。
 昼食の弁当時に差し入れたいから、 アツアツのコロッケを100個ほど買ってこい、 とのお達しだった。 2秒ほど反応が遅れたが、 とっさに 「ハイ!」 と答えるしかない空気を察し、 その場からダッシュした。 さて、 この広い公園どちらの方角に向かえばいいのか?いったい100個のコロッケなんてひとつの店で買えるのか?そもそも昼時までそれほど時間がないではないか、 などなど思案しながら走っていた。 案の定、 弁当屋、 肉屋など回るが個数が足りずへとへとになりながら、 とにもかくにも一陣目を現場に届けようと戻ることに。 しかし、 あれれ、 跡形もなく撤収移動しているではありませんか。 ポケットに突っ込んだくしゃくしゃのスケジュール表で手かがりを探し、 あたりをキョロキョロする姿は、 自分を円形移動で撮られているイメージでした。
 やっとのことでロケ隊をみつけ、 Fさんに事の次第を告げると 「しょうがねえなあ」 などといいながら回りの人とクスクス。 冷汗をかきながら 「やられたかな」 と恥ずかしさで一杯でした。 その後コロッケはあまり食べなくなりました。
 撮影所に戻ると、 カメラマンのIさんがスタッフルームで言いました。 「皆でビール飲むから、 冷奴用意しろ」 との指示。 成城駅前スーパーまでダッシュし豆腐と鰹節、 生姜をゲット。 一目散に戻り、 皿に盛り醤油をかけてIさんに差し出すと、
 「あれっ、 ネギは?」
 すばやく再度ダッシュした、 そんな初日でした。
 (奇しくもこの年はアッシー君という言葉が大流行していた)

事務局だより

◎正会員入会

◎退会

第44回ゴルフ会開催のお知らせ

2008年春の親睦ゴルフ会を開催致します。

参加者決定後、 締切日以降に組合せ表をお送り致します。
※コンペ申込み後、 参加出来なくなった場合、 出来るだけ、 代わりの方を推薦下さるようお願い致します。
  ( 親睦委員会 ・・・ 電話 03- 5338-1235)

「平成19年度臨時総会」 開催

定款第24条に則り、 左記次第にて臨時総会を開催いたします。

尚、 当日ご都合にて欠席される正会員の方は、 総会成立のため必ず (委任状) 同封ハガキをご送付下さい。

インフォメーション

◎会議の記録と予定

2月18日 (月)  会報委員会 (事務局)
2月20日 (水)  第8回定例理事会 (事務局)

3月10日 (月)  会報委員会 (事務局)
3月17日 (月)  親睦委員会 (事務局)
3月24日 (月)  第9回定例理事会 臨時総会 (東映本社)