社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会 会報 2009年2月別号

黄金の飛翔!! 2009年!!歴史あるエランドール賞決定!!

エランドール賞委員会 副委員長 小林 俊一(彩の会) エランドール賞委員会 副委員長  小林 俊一(彩の会)

2008年12月18日(木)協会事務局隣の会議室で、新人賞、作品賞、プロデューサー賞、プロデューサー奨励賞、特別賞の候補の選考委員会が開かれました。
相変わらず、委員会は、皆さんの熱い熱い気持ちと言葉のやりとりの中で、候補者がしぼり込まれ、2009年1月14日(水)に最終選考が行われ1月20日(火)の理事会に於いて次の様に全員一致で承認・決定されました。

〈新人賞〉

  新人賞は、協会員の投票で選出され、スター性と演技力を併せ持った期待の〈輝く! 新人たち〉です。

の6名の方が選ばれました。

〈作品賞〉

〈プロデューサー賞〉 (田中友幸基金賞)

◯映画(プロデューサー賞)

◯映画(プロデューサー奨励賞)

◯テレビドラマ(プロデューサー賞)

◯テレビドラマ(プロデューサー奨励賞)

〈特別賞〉

特別賞につきましては、昭和の日本映画黄金期から、平成の本年に至るまで、映画監督として、生涯現役を貫かれ秀作や話題作を数多く残され我が国の映像文化の発展に多大な貢献をされた市川崑さんと、又、新国劇入団以来長年にわたり、研鑽と努力を重ねられ「鬼畜」や「復讐するは我にあり」そしてNHK大河ドラマ「太閤記」で主役・秀吉を演じ一躍お茶の間の人気を独占し亡くなった緒形拳さんに。そして、平成12年にスタートし、今年で制作十周年を迎えた「平成仮面ライダー シリーズ」が、「テレビ朝日・東映『平成仮面ライダー シリーズ』制作スタッフチーム」として顕彰される事になりました。
そして、さらに、橋田壽賀子脚本・石井ふく子プロデューサーの名コンビで、1990年放送開始以来ホームドラマの名作として、多大な貢献をされた「TBS『渡る世間は鬼ばかり』制作スタッフチーム」に特別賞が贈られる事になりました。
最後に、今年「新人賞」を受賞された皆様の今後のますますのご活躍を心からお祈りし、「作品賞」にご協力ご賛同いただいた「東京ニュース通信社」様と、選考にご協力いただいた協会員各位に心より感謝申し上げます。

2009年エランドール賞 授賞式・新春パーティーのお知らせ

日 時 平成21年2月5日(木)
18時受付 18時30分開会 20時30分閉会予定
会 場 新宿京王プラザホテル南館5階 エミネンスホール(立食形式)
パーティー会費
◯正会員の方は毎月の会費に含まれております。
◯賛助会員・功労会員・地方会員の方でご出席される場合は
当日、会場前の受付にてチケットをご購入下さい。
チケット代は8,000円です。
◯一般の入場者の方は当日会場前の受付にてご購入下さい。
チケット代は15,000円です。
※会場内の撮影は禁じます
会員の皆様の多数のご参加をお待ち申し上げます。

受賞者の紹介

新人賞

瑛太瑛太

1982・12・13生
東京都出身
(パパドゥ所属)
映 画「銀色のシーズン」
テレビ「のだめカンタービレスペシャル」「篤姫」「東京大空襲」「ラスト・フレンズ」

黒木メイサ黒木メイサ

1988・5・28生
沖縄県出身
(スウィートパワー所属)
テレビ「扉は閉ざされたまま」「1ポンドの福音」「風のガーデン」「男装の麗人・川島芳子の生涯」

戸田恵梨香戸田恵梨香

1988・8・17生
兵庫県出身
(フラーム所属)
映 画「L change the World」「闘茶 〜Tea Fight」
テレビ「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「流星の絆」

松田翔太松田翔太

1985・9・10生
東京都出身
(研音所属)
映 画「花より男子ファイナル」「イキガミ」
テレビ「薔薇のない花屋」「篤姫」

三浦春馬三浦春馬

1990・4・5生
茨城県出身
(アミューズ所属)
映 画「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 「奈緒子」
テレビ「貧乏男子ボンビーメン」「ごくせん3」「ガリレオΦ」「ブラッディ マンディ」

宮﨑あおい宮﨑あおい

1985・11・30生
東京都出身
(ヒラタオフィス所属)
映 画「陰日向に咲く」「ハブと拳骨」「闇の子供たち」
テレビ「篤姫」

作 品 賞

○映画(TV Taro賞) …  「おくりびと」

受賞代表 滝田洋二郎(監督)

おくりびと

○テレビドラマ(TV ガイド賞) …  「篤姫」

受賞代表 佐野 元彦  (日本放送協会)

「篤姫」

プロデューサー賞(田中友幸基金賞)(5名)

特別賞(4名/敬称略)

只今撮影中

東映株式会社  映画企画製作部  企画開発室プロデューサー  岡田 真

東映株式会社 映画企画製作部 企画開発室プロデューサー 岡田 真2月14日公開ですので、当然「只今撮影中」ではございません。また私はプロデューサー協会の会員でもありません。すいません。この映画の監督・脚本である宮藤官九郎さんとのシナリオ作りの過程で感じたことを思いつくまま書かせていただきます。
宮藤さんとお仕事をするのは「ゼブラーマン」(’04)以来2度目でした。シナリオに取りかかったのは2006年の10月。「名作映画の一部分を借りて新たなストーリーを作ろうとすると、いつの間にか全部同じになることってありますよね。全ての細部が有機的に結合して全体を構成しているから名作なんだってその時気づくんですよねぇ。バカですよねぇ」などとゆるいやりとりを重ねるなか、ある日宮藤さんから1本の洋画DVDを渡されました。その映画は男2人の30年以上にわたる愛憎のエスカレーションを描いた作品で、正直、笑えないコメディでした。が、見終わった後に「なぜお互いにこれほど憎しみ合えるのだろう」「このエネルギーはなんだ!」というような感に捉われる不思議な映画でした。「面白いですね。観終わった後のこの不思議な突っ走り感」を目指しましょうと相成りました。この時は「ベストセラーの原作」とか、「この役者で」とかが優先される昨今の映画作りのなかで、映画全体を通じて届けたいエモーションを第一義にシナリオを作る。何と素晴らしいことなのだと思ったのですが、その後は大変でした。「少年メリケンサック」最終的にこの「少年メリケンサック」はレコード会社に勤めるお気楽OLが、25年前に解散したオッサンパンクバンドを再結成して全国ライブツアーにでる羽目になり、その珍道中を描くというストーリーになりました。しかし第一稿は主人公は男性で、パンクもバンドも全く関係のない話でした。伝えたいエモーションははっきりしているのだけれど、それを表現する器(ストーリーやキャラクター)を探るという脚本の改訂作業は、必然的に前の本を全て捨てて新たにシナリオを書くという形にならざるをえません。出口の見えない戦いになりました。こちらは口で「こういうふうに展開できませんか?」とか言うだけですが、宮藤さんは本当に大変だったと思います。準備稿ができたのは2007年の8月。10か月間に渡り全く違うストーリーを一から起こし、小ネタも含めてキャラクターを見事に展開させたシナリオを数回にわたり仕上げていただきました。器は代われど最初に目指した「伝えたいエモーション」はぶれないという才能にも驚きましたが、何よりもベストを目指すエネルギーと情熱には本当に頭が下がりました。
そのような宮藤さんの姿勢を見るにつけ感じましたのは、オリジナルの脚本を書ける能力は原作ものを脚色するのとは全く別の才能とエネルギーが必要とされているということです。アメリカのアカデミー賞は脚本家に与える賞をオリジナル脚本と原作の脚色の二つに分けています。日本のほとんどの脚本賞はそのような区別はありません。オリジナルを書ける才能を褒め称えることは映画の末来にとってとても大切なのではないのでしょうか。プロデューサー協会の皆様は如何お考えでしょうか? 皆様の議論のきっかけになることを願います。

私の新人時代

テレビ東京  ドラマ制作室プロデューサー  瀧川 治水

テレビ東京 ドラマ制作室プロデューサー 瀧川 治水私のような若輩ものが新人時代など語れる資格は毛頭ありませんが、担当持ち回りということでどうか御無礼お許し願いたく存じます。学生時代から八ミリフィルムの自主映画製作の面白みを知った自分は、いつの間にか故・久世光彦氏の制作会社にアルバイトで入り込んでいました。勿論最初から久世氏のドラマに就ける訳がなく、確か「忍者ハットリくん」や「男はつらいよ! 30回 記念番組」のADがスタートだったように思います。一年くらい持ち堪えた頃、向田邦子新春スペシャル「眠る盃」「夜中の薔薇」「冬の家族」という三夜連続ドラマのフォースとして従事します。正直いって使えない助監督だったので怒鳴られてばかり。その頃習った演出や制作のことなど全く記憶がありません。雑巾のように働き、よく事務所のソファーを涎で汚しては怒られていました。
そんな自分にも忘れられない1週間があります。久世氏と寝食を共にした1週間。人はそれを「鞄持ち」「付き人」と言いますか。新人にとって24時間師匠に付いて回るほど勉強になることはありません。確か氏が、別会社の制作ドラマに演出で雇われた時であったと記憶しています。氏の家に泊まり車を運転し氏を緑山スタジオまで送ります。収録中は氏の小間使いをやり、自宅に連れて帰る。驚いたことは氏が一日3時間くらいしか寝ない事です。スタジオで演出仕事の後、深夜は文筆作業。名前を残す人とはこのくらい努力しないといけないのかと慄きました。仕事に厳しく怖い人でしたが、ソファーで寝ている自分に毛布を掛けてくれたりと、温もりのある人でした。強烈に覚えている氏の言葉は二つ。一つは、「瀧川。テレビドラマって本当に面白いんだ。こんな面白いものは辞められない」もうひとつは、「演出家というのはな。恥かいてナンボやで。恥かきを逃げたら成長はない」です。当時その二言がどんな意味を持つのか知るよしもありませんでしたが、現在、悪戦苦闘している自分の脳裏に残像のように消えては現れ、いつのまにか原動力になっている二言。テレビドラマというジャンルにバラエティなどの要素も入れた氏の革新的ドラマづくりの発展性を探ること。そして失敗を恐れず、プライドをちょっと捨てて笑われてもいいからなんでもやって見る精神。歳をとるに連れて億劫になる「師の教え」を気張らず守っていけたらと思う今日この頃であります。

第46回 ゴルフ会開催 のお知らせ

※皆様のご要望により今回は初の土曜開催です。
初めて参加される方は事務所まで御連絡下さい。
(社)日本映画テレビプロデューサー協会  親睦委員会  (03)5338−1235

「平成20年度臨時総会」開催

  定款第24条に則り、左記次第にて臨時総会を開催いたします。

インフォメーション

◎会議の記録と予定