社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会 会報 2009年3月号

華やかに 2009年  エランドール賞授賞式開催!!

エランドール賞新人賞のみなさん(宮﨑あおいさん/三浦春馬さん/戸田恵梨香さん/松田翔太さん/黒木メイサさん/瑛太さん)(株)TBSテレビ  ドラマ制作センター  担当部長 遠藤 環

エランドール賞授賞式が、2月5日午後6時半より、新宿京王プラザエミネンスホールにて、華々しく開催された。
当協会杉田成道会長が開会の挨拶、文化庁文化部芸術文化部課長清水明氏が来賓挨拶を行い、続いて⑭近代映画協会新藤次郎代表取締役の乾杯の音頭によって、いよいよ授賞式となった。
スタートは例年通り作品賞からで、既報の通り、映画部門「おくりびと」の滝田洋二郎監督、テレビドラマ部門「篤姫」佐野元彦P、佐藤峰世Dが受賞。次いで、⑭東京ニュース通信社から提供された「TV・Taro賞」(賞金20万円)が小森浩正編集長より、又、「TVガイド賞」(賞金20万円)は並木朋子編集長より各々、手渡され、中村メイ子さんからお祝いの言葉があった。
そして、注目の新人賞発表。司会の小林大輔さんが名前を読み上げたが受賞者が登壇しないというちょっとしたハプニング。発表順が当日変更になったことが徹底してなかった事が原因らしいが、無事スタート。受賞者6人が登壇すると報道陣からフラッシュの嵐。
瑛太さんから授賞式が始まる。ゲストはともさかりえさん。続いて黒木メイサさんが受賞。ゲストは奥田瑛二さん。続いて松田翔太さん受賞で、ゲストは若村麻由美さん。受賞者もゲストも華やかそして豪華である。受賞者は各々この大きな賞を受賞した喜びを素直に語り、ゲストも今後の活躍を期待すると述べた。そして戸田恵梨香さんが登壇すると、客席からファンの声が飛ぶ。ゲストは寺島進さんだが、半年近くも共演していて、段々成長していった話を照れながら披露し、会場は笑いと微笑ましいムードに包まれた。さらに三浦春馬さんが受賞。ゲストは平野俊一監督。そして最後に宮﨑あおいさんが登壇すると、昨年の「篤姫」ブームを反映してか、フラッシュが一層強くなる。
ゲストは長塚京三さんで、このエランドール賞はじめ、何度もゲストに呼ばれ、花束を渡せて嬉しい限りと、ベテランらしい余裕のコメント。最後に受賞者全員の写真撮影があり、眩いばかりのフラッシュの嵐となる。
その後、今年度のアクターズ・セミナーの受賞者の6名 小石川祐子さん、河野安郎さん、寿大聡さん、宮本郁子さん、森久ともよさんの紹介があり、一段落して特別賞。まず故市川崑監督へ贈られ、市川建美さんが代理受賞。ゲストの石坂浩二さんが想い出を語った。続いて故緒形拳さんに贈られる。長男の緒形幹太さんが代理受賞。「父には、役の大小は関係ない。いかにその役を自分のものにするかが大事だ」と言われたと想い出を語り、ゲストの奥田瑛二さんも「意地を張り合った仲。亡くなったのではなく、俳優の守護霊として今後も我々を見守ってくれるはず」としんみりと語った。続いてテレビ朝日・東映『平成仮面ライダー』シリーズ制作チームを代表して白倉伸一郎さんと、テレビ朝日の梶淳プロデューサーが受賞し、プレゼンターに俳優の井上正大さんがかけつけた。更に、『渡る世間は鬼ばかり』制作スタッフを代表して、石井ふく子Pが受賞。「五十年やってこれたのも皆様のお陰です」とゲストの長山藍子さんとともに喜びのコメント。最後を飾ったのはプロデューサー賞で、映画部門は「おくりびと」の中澤敏明さんが受賞。ゲストは滝田洋二郎監督が登場。奨励賞は「クライマーズ・ハイ」の若杉正明さんと「相棒―劇場版―」で香月純一さんが受賞。脚本家の加藤正人さんと六角精児さんがお祝いに駆け付けた。若杉さんのように地道な制作者の方が受賞されるのはとても喜ばしいことである。そしてテレビドラマ部門のプロデューサー賞で清水明 文化庁課長/杉田成道 協会会長「篤姫」の佐野Pが再登壇。「やっと自宅に持ち帰れる賞を頂いた」とゲストの中島朋子さんと喜び合う。最後に「相棒Ⅳ」でテレビ朝日松本基弘Pが受賞。ゲストとして、主演の水谷豊さんが登場した際には、大きな歓声と共にフラッシュが激しさを増し、一層華やかなラストシーンとなった。水谷さんは「大事なのはプロデューサーの時代を見つめる目であり、この作品は絶対歴史に残るものになると話しあっていた」と、役者とプロデューサーの強い絆を感じさせるコメントを残した。
そして、各々の「プロデューサー賞」には「ゴジラ」をはじめ「日本沈没」などの空前絶後の大ヒットメーカーであるとともに協会の社団法人化を推進、初代会長を務められた故田中友幸Pの寄贈により設立された「田中友幸基金賞」(各々10万円の賞金)が授与された。
今年は例年にない盛り上がりをみせた式典だった。受賞者の顔ぶれもさることながら、それに花を添えるプレゼンターの豪華さも加わり、御来場の皆さん、報道陣も充分満足された事と思われる。これもNHK若泉Pはじめ、各局のプロデューサーのキャスティング努力の賜物であり、また、誉れ高い場に快く御出席願えるのも、エランドール賞という権威ある賞であるが故の事であると感じられる。今後とも、更なる発展が望まれる。

只今撮影中

TBSテレビ プロデューサー   間瀬 泰宏 TBSテレビ プロデューサー 間瀬 泰宏
『ジェネラル・ルージュの凱旋』

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』は救命救急の現場を舞台とした医療ミステリーである。
映画製作も救命救急並みの迅速さが求められた。

 前作『チーム・バチスタの栄光』は昨年2月9日に公開され、140万人動員・興行収入16億円という成績を挙げ、世に言う「ヒット作」となった。
  内外からも続編の声が上がるなか、昨年8月、配給・東宝から「来春の枠が空いた。」との報が…。
  2009年3月公開となると、7ヶ月弱で、企画・制作・宣伝という作業をこなさねばならない。
  通常では考えられない過程である。
  早速、中村監督をはじめとする前作のスタッフを招集するも、案の定、 「せめてGW以降の公開にならないか…」と、猛反対である。
  ここは、現場スタッフの苦労を顧みず、突っ走るしかない!
  まずは、数ある海堂尊氏の原作から『ジェネラル・ルージュの凱旋』に的を絞り、台本作りに着手した。『ジェネラル・ルージュの凱旋』
  台本の方向性が見えてきた9月。早や、キャスティングを始めねばならない。
  まずは、前作に引き続いての主演・竹内結子さんと阿部寛さんをはじめとした主要キャストは欠かせない。
  つづいて、今作に登場するゲスト主演・疑惑の中心人物「ジェネラル」である。
  ここは何としてでもNHK大河ドラマ『篤姫』で人気を博している「ジェネラル家定」堺雅人さんに登場願いたい。
  皆さんに出演の快諾をいただいたものの、公開日(3月7日)から逆算すると12月末までに撮了しなければならない。
  でも、奇跡的に、多忙を極める皆さんのスケジュールが11月から12月で間隙を縫う形で確保できた。
  11月19日クランクイン。
  過密日程にも拘らず、山本太郎さん、貫地谷しほりさん等の若手ムードメーカーのおかげで、和気藹々とした撮影現場となり、無事、12月27日クランクアップした。

 現在(2月8日)は、ポスプロ真っ最中である。まだフィルムオール段階だが、はっきり言って面白い!
  これに、佐藤直紀さんの劇伴とEXILEの主題歌がのれば、中村監督の新境地開拓といったところだろう。
  この短期スケジュールの中、中村組「技あり!」である。

 無理難題に応えていただいたキャスト・スタッフの皆さん。
  そして、なんといっても、救命救急医療の最前線で身を粉にして働いている方々に、貴重な時間を割いて医療指導・監修をお願いしたばかりではなく、撮影場所の提供もしていただき、感謝の念に堪えません。本当にありがとうございました。

 2月20日初号。24日完成披露試写。3月7日公開。
  これから、宣伝も佳境!東宝の宣伝チームをはじめとした製作委員会の皆さん、宜しく御願いいたします。
  さて、異例の「救命救急」ムービー。結果やいかに…。

私の新人時代

NHK 放送総局  藤澤 浩一NHK 放送総局 藤澤 浩一

NHKに入局して今年で20年目になりますが、未だ新人気分から抜けきれません。というのも「プロデューサーの藤澤です」と、初対面の方に挨拶をするようになってからまだ2年。スペシャルドラマ「坂の上の雲」のプロデューサーの一人として頑張っておりますが、まだまだ仕事ぶりが様になっているようには思われず、プロデュースという仕事の全体像をイメージしきれずにいて、悪戦苦闘、反省の日々を送っています。
振り返れば、入局してNHKドラマ部での助監督時代、地方局勤務のディレクター時代、そしてドラマの演出時代を経て今に至るのですが、4・5年のサイクルで仕事が変わり、その都度新人に戻ったつもりで、その仕事についてなるべく多くを知り、全体像をイメージできるように心掛けてきました。それは、入局しドラマ部に配属になって助監督をするようになったときの反省によるものです。
普通、NHKにディレクターとして入局すると地方局に配属になり、中継やステージものの歌番組や30分サイズのドキュメンタリーなど、一通り自分でできるようになって東京に戻るのですが、そうした経験を経ずにドラマの制作現場の末端に組み込まれた私は、「番組制作」という仕事の全体像が良くわからないまま日々の業務に追われるようになりました。最初についた大河ドラマ「信長」の最初のロケ1ヵ月で体重が7キロ落ち、現場から帰った宿の、電気も消された深夜のロビーで、非常灯の灯りを頼りに翌日のスケジュールとカット割りをめくりながら、このロケが終わったら仕事を辞めようと思っていました。仕事がきつければきついほど、番組の中での自分のポジション、自分の仕事の意義が分からないとしんどい。それでも辞めずに今に至るのは「テレビっ子」だった子供の頃のワクワクしながらドラマを見ていた頃の気持ちを忘れていないからでしょう。
今でも、業務に追われて混乱してくるとあの頃のことを思い出し、仕事の全体に立ち返って俯瞰してみるということを心掛けています。

事務局だより

◎正会員入会

◎賛助会員入会

「平成20年度臨時総会」開催

定款第24条に則り、左記次第にて臨時総会を開催いたします。

第46回 ゴルフ会開催のお知らせ

※皆様のご要望により今回は初の土曜開催です。
初めて参加される方は事務局まで御連絡下さい。

(社)日本映画テレビプロデューサー協会  親睦委員会  (03)5338―1235

インフォメーション

◎会議の記録と予定