華やかに2010年 エランドール賞 授賞式開催!!

NHK制作局 ドラマ番組部 屋敷 陽太郎
エランドール賞授賞式は、2月4日午後6時半より、新宿京王プラザホテル・エミネンスホールにて、開催された。
当協会杉田成道会長が開会の挨拶、文化庁文化部芸術文化課長清水明氏が来賓挨拶、続いて松竹株式会社代表取締役社長迫本淳一氏の乾杯の音頭によって、いよいよ授賞式となった。
最初は作品賞から。映画部門(Taro賞)の「沈まぬ太陽」には、角川グループホールディングス角川歴彦会長と若松節朗監督が受賞者として登壇。テレビドラマ部門(TVガイド賞)のNHK大河ドラマ「天地人」には、内藤愼介チーフ・プロデューサーと片岡敬司チーフ・ディレクターが登壇、プレゼンターとして、同番組で主役を務めた妻夫木聡さんと、その子役時代を演じた加藤清史郎くんが登場した。
つづいて特別賞。映画「劔岳 点の記」の木村大作監督には、同作に出演した松田龍平さんがプレゼンターに。テレビ朝日「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史」制作チームは、石橋冠監督、テレビ朝日から五十嵐文郎チーフ・プロデューサーと藤本一彦プロデューサー、そして中山秀一プロデューサーと大野秀樹プロデューサーがそろって登壇、プレゼンターは、主人公・八兵衛の妻を演じた原田美枝子さんであった。松竹の「釣りバカ日誌」シリーズ出演者及び製作チームの受賞では、西田敏行さんと三國連太郎さんと二人の主役、そして深澤宏プロデューサーと岩田均製作担当が登壇した。そして故・森繁久彌さんの受賞では、ご子息の建氏が受賞された。

次に、アクターズセミナー受賞者の今村洋一さん、おのさなえさん、小野ゆり子さん、鶴町梨紗さんが紹介された。なおこの4名の方には、花の贈呈や抽選会などにも活躍いただいた。
そして、いよいよエランドール新人賞の発表。岡田将生さんのプレゼンターは、「乙男」で共演された田延彦さん。榮倉奈々さんには、映画「余命1ヶ月の花嫁」のモデルとなった故・長島千恵さんを支えた赤須太郎さん。松田龍平さんには、映画「劔岳 点の記」の木村大作監督。志田未来さんには、ドラマ「小公女セイラ」脚本の岡田惠和さん。水嶋ヒロさんには、ドラマ「東京DOGS」脚本の福田雄一さん。多部未華子さんには、ドラマ「つばさ」で共演された吉行和子さん。それぞれ豪華なプレゼンターたちが登場された。
最後はプロデューサー賞(田中友幸基金賞)であった。映画部門のプロデューサー賞は、「沈まぬ太陽」の彩の会代表の小林俊一さんと、角川映画企画製作部長の土川勉さんが受賞。同奨励賞はTBS石丸彰彦さんに。石丸さんには映画「ROOKIES・卒業・」の平川雄一朗監督がプレゼンターであった。テレビドラマ部門のプロデューサー賞にはNHKの内藤愼介さん、奨励賞には日本テレビ次屋尚さん、フジテレビの村瀬健さんが受賞し、それぞれのプレゼンターは「天地人」脚本の小松江里子さん、「アイシテル~海容~」出演の佐野史郎さん、「BOSS」にゲスト出演された志田未来さんであった。
さて、私自身はエランドール賞の舞台裏に携わるようになって5回目となり、新人賞授賞式に先立つ受賞者記者会見を毎回担当している。今回は、まず午後5時過ぎに受賞者6名に集まってもらい、杉田会長よりお祝いの言葉があり、5時半から、一人ずつ囲み取材を受けてもらった。例年、芸能レポーターからは、「ヴァレンタインチョコレートを誰に贈るか?」「贈られたいか?」といった質問が定番なのだが、今年は、会見直前に報道された「横綱・朝青龍の引退をどう思うか?」という想定外の質問もあった。新人賞の受賞者の皆さんの、それぞれのキャラクターらしい誠実な受け答えが印象的だった。受賞者の今後の活躍が期待される。
舞台裏はいつもバタバタだが、全てが無事終了したときの達成感は、映像制作にも似た感動がある。来年は誰が選ばれ、どんな授賞式になるのか、今から楽しみだ。
只今撮影中
日本テレビ ドラマ局 西野 真貴
『遠まわりの雨』
私は今、蒲田の油まみれの町工場の中で、“世界の”渡辺謙さんとともに、助監督としてこのドラマの撮影に臨んでいる。「遠まわりの雨」は、渡辺謙演じる中年の職人と夏川結衣演じる元恋人との再会という危うい大人の恋物語なのだが、初めて台本を読んだ時は正直ピンと来なかった。「これが山田太一さんの作品?」という印象だった。それもそのはずだったのかもしれない。2度3度と読んでいくうちに、どうやら山田さんの台本には罠が隠されているらしいということがわかった。どんな罠かというと、物語の流れがスポッと飛んでしまうところがあって、普通なら描かれそうなシーンが書かれておらず、その代わりまわりに意味を持った台詞が散りばめられている。台詞を聞いているうちにポワンポワンと隠されたシーンを想像させられてしまう魅力的な罠だ。例えば、桜(夏川結衣)が草平(渡辺謙)を訪ねてホテルへ入っていくというシーンがあるが、その次はホテルの中ではなく、街のスナックで2人が会うというシーンに飛んでいる。読んでいてアレ? と思うのだが、スナックでの2人の会話の中に桜とホテルマンのやり取りが少しだけ語られることによって、ホテルからの流れが頭に浮かんできてしまう。それどころか、草平と桜の過去の関係まで感じられてドキドキしてしまうのだ。
それに気付いてからこの作品が素敵でたまらなくなった。スタッフの間でもつい台本の話が盛り上がってしまうほどで、こんなに台本を読み返したくなるのは間違いなく初めての経験だ。
ひとつひとつの台詞が素敵なこのドラマにさらに期待を持たせるのが主演の渡辺謙さんだ。ハリウッドでの活躍のせいか遠く感じてしまいそうな渡辺謙さんだが、会ってみると実に親しみやすく誠実な方だとすぐにわかった。驚いたのがその俳優業へのこだわりである。実は渡辺さんと初めてお会いしたのは衣装合わせや顔合わせではなく、蒲田の町工場の中だった。今回の渡辺さんの役どころが、へら絞りという技術の職人ということで、撮影前に何度も工場へ足を運び、へら絞りの特訓をしていたのだ。渡辺さんが一人黙々と本場の職人に技術を習う姿には圧倒された。自ら町工場の本物の空気に浸って職人気質を体に染み込ませようという意気込みを感じ、渡辺さんは俳優業の職人なんだなぁと一人で納得したのを覚えている。
そして2月初旬、いよいよ撮入の日を迎えた。俳優陣によって登場人物の台詞が立体的に立ち上がることで、台本の中にまた新しい発見をする毎日が続いている。
役者の間でも台本の話が盛り上がっているようで、撮影前のリハーサルともなると監督と台詞の相談に長い時間を割いている。色々と台詞の言い方を変えていくうちに登場人物の裏面が見えてきて、役者一同が笑いながらリハーサルを続けるという場面をよく目にする。そんなリハーサルを膝を叩いて楽しんでいる渡辺さんが印象的だ。
山田さんの台詞の意味との格闘、見えない敵との充実した闘いの中で、テレビ画面には映らない隠れたドラマがたくさん生まれている。「遠まわりの雨」絶好調で撮影中です。
私の新人時代
テレビ東京 橋本 かおり
昭和57年は3年後の男女雇用機会均等法の施行を控えていたがまだまだ女子の就職氷河期であった。当時CAをめざしていた私にとっては(嘘です)ただ“テレビが好き”というアピールで(?)入社の運びとなった。
約一年の人事部を経て念願の演出局(当時)に異動となったその日は弊社の人気音楽番組の収録日であった。夜の酒の集いしか仕切ってこなかった私は勿論戸惑いの連続で・今日は邪魔にならないよう見学してよい、但し食事以外絶対に座るな・とのDからのお達しで食事もとれずずっと立っていた。だがCPの六本木のシシリアでの夜飯ごちそう会で疲れも吹き飛ぶ。下っ端の私にとって会社近くの銭湯にマイ桶を置くハードな生活であったが嫌な思い出もなく一年余りが過ぎ、ようやく下も来るのかしらと思っていた矢先、あるジャズポップス番組への担当替えがあった。
チームによってこんなに違いがあるのと驚く位、今度は個人プレーのクールな関係である。構成作家のM先生は、やることだけこなしてきた私のADぶりを察知されたのか、『ゲストのネタを何故自分から集めてこない、そんな事で番組作れるか』、と放り出すような厳しさであった。さらに上司からは、初のディレクターをやりたいなら歌手などのブッキングを全部やれ、出来たらやらせてやるという環境だったので、その後必死になってある歌手をくどいた。だが試練は続いた。やっとこぎつけた収録の前夜2時ころ家の電話が鳴り、予定していた3曲のうち1曲を変更したいという。大変だ。怖い照明のおじさまの顔が浮かんだ。明け方、玄関前で待ち構え、頭を下げてお願いをした。泣きそうだった。だから若造にDなんてやらせるからだといった雰囲気満々の中、無言でプラン変更作業をしてもらった。プロの中で戦うこれからが遠い道のりに思えた。悠々と仕事をこなしていたかにみえた今までの上司も毎日苦難の連続だったことを思い知った。
数年後、念願のドラマへ配属となり、入社して28年、果たしてあの頃の無我夢中さが今も残っているのかしらと思いあぐねるこの頃である。
事務局だより
第48回 プロデューサー協会 ゴルフ会開催のお知らせ
皆様ふるってご参加下さい!
- 《日 時》 s平成22年4月24日(土) 8時30分集合 9時スタート
- 《場 所》 白鳳カントリー倶楽部 千葉県成田市磯部8番地 0476・36・1131 【競技方式 新ペリア】
- 《会 費》 25,000円(プレー費、パーティ費、賞品代含む)
- 《交 通》 東関東自動車道成田IC下車・JR、京成成田駅下車 ~行き方、駅送迎など、別途ご案内致します~
- 《締 切》 4月12日(月)事務局必着 。
※初めて参加される方は事務局までご連絡下さい
(社)日本映画テレビプロデューサー協会
親睦委員会 TEL(03)5338―1235
「平成21年度臨時総会」 開催のお知らせ
定款第24条に則り、左記次第にて臨時総会を開催致します。
臨時総会成立のため、委任状をご送付下さい。
- ○日時 平成22年3月25日(木) 18時30分 開会予定
- ○場所 中央区銀座3‐2‐17 東映本社8階会議室
- ○議題 平成22年度事業計画(案)と収支予算(案)の件 及び公益法人移行について
退会
- 川村 庄子(TX)
- 只野 研治(TX)
会員証の更新について
お手元の会員証の有効期限は2010年3月31日となっております。
更新のためタテ3センチ×ヨコ2・5センチの写真(カラー、モノクロいずれも可)1枚を事務局までお送り下さい。
インフォメーション
◎会議の記録と予定
- 2月15日(月) 会報委員会(事務局)
- 2月17日(水) 第8回定例理事会(東映本社)
- 3月15日(月) 会報委員会(事務局)
- 3月25日(木) 第9回定例理事会・臨時総会 (東映本社)