社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会 会報 2010年10月号

国際ドラマフェスティバル開催概要決まる!!

「国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2010」

[開催日]

[会 場]

[イベント概要]

  ※詳細はHP(http://nab.or.jp/drafes/)をご覧下さい


 今月25日から開催される「国際ドラマフェスティバルinTOKYO 2010」、注目は、第3回目となる「東京ドラマアウォード」。当協会員の投票によって絞り込まれた候補作から、グランプリや、単発ドラマの作品賞、個人賞など多数の選賞が行われます。因みに、グランプリ候補作(連続ドラマ部門)は「新参者」、「臨場」、「チェイス」、「JIN・仁・」、「リアルクローズ」、「再生の町」、「曲げられない女」、「任侠ヘルパー」、「行列48時間」、「同窓会~ラブアゲイン症候群」、「チャレンジド」、「官僚たちの夏」、「八日目の蝉」、「水戸黄門 第40部」、「交渉人」、「ゲゲゲの女房」、「ブラッディ・マンディ2」、「相棒 Season8」、「リミット 刑事の現場2」、「コード・ブルー2」、「おみやさん」、「救命病棟24時 パート4」、「パンドラ2 飢餓列島」、「Mother」、「月の恋人」、「龍馬伝」、「怪物くん」、「外事警察」、「不毛地帯」の29作品(順不同)。すでに数回の選考会が開かれ、10月中旬のプレス発表を待つばかりです。会員の皆さんの投票が、どう結果として現れるか注目です。
 初日25日は、その授賞式、記念パーティーが明治記念館で。作品賞、個人賞受賞者や、海外ドラマの関係者も多数参加しますので、会員の皆様の積極的な参加を期待します。なお、招待状がなくとも、会員の皆さんであればどなたでも名刺をご提示のうえ、参加入場できます。ぜひご来場ください。また2日目には千代田放送会館で、海外招待作品の上映会や、受賞作品制作者達によるシンポジウムなど多彩なイベントです。また並行して25日から28日まで、六本木ヒルズで開催される「TIFFCOM2010」の会場に例年通りブースを出展し、東京アウォード受賞作品をはじめとする各局の作品が紹介される予定です。
 そこで、これからは、さらなるお願いです。皆さんご承知のように「国際ドラマフェスティバル」は、4年前、日本ブランドの海外展開のための発信イベントとして始められた「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)=CoFesta」と連動するオフィシャル企画です。東京ゲームショウから、東京発ファッションウィークやロボット大賞まで13企画のうち、テレビ、映画に関しては、23回を数える「東京国際映画祭=TIFF」があり、テレビでも、第37回「日本賞」教育コンテンツ国際コンクール、第27回ATP賞テレビグランプリがこの時期同時開催され、東京はこの秋、まさに海外から制作者、バイヤー達が群れ集う、芸術一色に染まります。
 昨年、国際ドラマフェスティバル(当然多くの会員が、それぞれの役割を担って参加しています)への一般協会員の参加には物足りないものがありました。また、国際映画祭への参加も少なかったと聞いています。今年こそ、映画人は、テレビイベントへ、テレビ人は映画イベントへ、積極的に参加(覗くだけでも)しませんか。時には、いつもの仕事を離れて、他者の仕事、仕事ぶりを新しい違った側面から見てみませんか、何か新しい発見があるかもしれません。 会報先月号で重村副会長が危惧したような業界内の劣悪な環境の中にあっても、少なくとも「志」を失うことのないように、是非積極的な参加を、というのは「牽強付会」でしょうか。

(事務局長 渡辺紘史)

デジタル総合ポストプロダクション
東映デジタルセンター誕生

東映デジタルセンター長 葛西 歩

東映デジタルセンター長 葛西 歩  19世紀末に映画が始まって以来、私たちは約100年の間フィルムで映画を作って来ました。21世紀に入りデジタル技術の進歩により、デジタルでの映画作りが始まり、ここ数年ではフィルムを使わずデジタルで撮影されデジタルで上映される作品も出てきました。特にポストプロダクションの作業においてはデジタル化の波は顕著に現れ、フィルムで撮影をしてもスキャニングしてデジタルでポストプロダクション作業をするデジタルインターミディエットも多くなってきました。東映はこういった流れの中で東映ラボ・テックと共同で一貫したデジタルポストプロダクション作業が出来るよう、東京撮影所の敷地内に「東映デジタルセンター」を建設し6月から営業を始めました。「東映デジタルセンター」は東映株式会社と東映ラボ・テック株式会社が、共同で提供するデジタルポストプロダクションサービスの総称を指します。

 4階建ての建物内には3フロアーのスペースを使い10mのスクリーンに2Kのデジタルプロジェクターから水平投射し歪みの無い映像を映せる125席のシアター(試写室)と2Kプロジェクターのスクリーン投射とTVモニターでの試写が出来る27席の小型の試写室であるスクリニングルームをはじめ、考え抜かれた音響設計により遮音・吸音に優れたADR(アフレコルーム)やFoley(生音録音室)MAルーム、サウンドエディトルームなどの音響施設。サーバーで繋がれた10部屋のオンライン編集室とゆったりとしたスペースで作業の出来るオフライン編集室。最高水準の色彩調整や3D映画の視差調整が出来るカラーグレーディングルーム。DVDやブルーレイ制作に関する機材や設備が整っています。又デジタルセンターの建物と昨年11月に竣工したNo6ステージは光回線で繋がっており、映像と音声のやりとりが自由に出来ます。この回線を使ってNo6ステージのカメラからシアターの大型スクリーンに映像を映しリアルタイムでカメラテストをすることも可能です。

 さらにデジタルセンター内にはドイツ語で未来を意味するZukunft(ツークンフト)から名付けられた「ツークン研究所」という組織があります。ここでは3D・VFX・CG・モーションキャプチャーなど映像制作の新たな技術・手法を研究し、複雑化する映像制作の中で予算やスケジュールに合わせた適切なワークフローを立案していきます。

 東映大泉地区では、東映東京撮影所、東映テレビプロダクション、T-Joy大泉、東映アニメーションと映像に関する“入口”から“出口”までの施設と「人」が集まっています。プロデューサーの方々には是非大泉の施設と「人」を有効に活用していただき、多くの作品を作っていただければと思います。

只今撮影中

アスミック・エース エンタテインメント株式会社映画製作事業本部 プロデューサー 荒木 美也子

アスミック・エース エンタテインメント株式会社映画製作事業本部 プロデューサー 荒木 美也子

『大 奥─将軍は女、仕えるは美しき男たち三千人─』

  この『大奥』を映画化したいと思ってから、既に5年ほど経過したことになります。初めてよしながふみさんの原作コミックを読んだ時の鮮烈な衝撃は、今も尚忘れません。男女を逆転させた大奥……その一つの大嘘を除いては、緻密な史実考証に基づいているからこそ、浮き彫りになる虚実皮膜の面白さ。「コミックのなかの登場人物たちに息吹を与え、スクリーンの中に投影させてみたい」と私の中の遊び心が疼きました。更に、不思議なことに、男女逆転することによって、女将軍に仕える三千人の男たちの様が、リーダー不在の今の世のサラリーマン社会と妙に重なって見えたことも、映画化してみたいと思えた大きな所以でした。さて、この『大奥』はいよいよ10月1日から全国で公開となります。9月1日に初号を終え、今は、自分の子供を世の中に送り出すような心境です。男女逆転という大嘘にリアリティをもたせるために、一番金子監督が大切にしたのは、人間ドラマでした。撮影前に、監督から俳優さん一人一人に、役として設定されている境遇とキーワードが伝えられ、そこから先は俳優さんご自身が役の中身を作り上げていきました。柴咲コウさん演ずる女将軍吉宗のキーワードは《絶対》、そして二宮和也さんの主人公水野は《生命力》。加えて江戸の街の人足に至るまできめ細かに監督の演出・指導がなされ、撮影は、時代劇のメッカである京都撮影所を中心に行いました『大 奥─将軍は女、仕えるは美しき男たち三千人─』。また、美術、装飾・小道具は、もし男女逆転した大奥があったとしたらあり得たものをスタッフが想像し、具現化していきました。衣裳においては、当時の着物の色や衣擦れの音に至るまで拘りを持って、五感で感じられる映画になるよう努めました。その流れで、日本映画として、初めて香道も取り入れてみました。映画で匂いは感じられないので、かかる設定は原作にあってもシナリオ化する際に真っ先に外す候補になるところです。が、当時の女性が嗜んでいたことに加え、お茶と違って現代人が目にする機会に乏しい伝統文化で、且つ観客が映像から香りを想像出来るか挑戦してみたいという作り手の遊び心もあり、撮影稿で残しました。『大奥』を映画化する楽しみは、他の時代劇と違って、誰も見たことがない世界を想像できること……企画から完成に至るまで、色々な困難はありましたが、未知のものだからこそ生みの苦しみはある、と自分自身に言い聞かせてきました。プロデューサーの役目は、作品が完成して半分、残り半分は観客に届けるまでの宣伝・営業です。この作品に全てを捧げてくれたスタッフ、キャストの想いに報いる一番は、映画を一人でも多くの方々に観て頂くことだと思っており日夜奔走中です。「大奥で見聞きしたる事いかなる事も親兄弟はもとより一切外様へ申すまじき事」映画『大奥』はかかる誓詞から始まりますので、これ以上の詳細は申し上げられません。是非皆様にも映画館で、観て頂けたらと願います。

私の新人時代

TBSテレビ 鈴木 早苗

TBSテレビ 鈴木 早苗 かれこれもう20年前になります。
 その頃、「現場」には女優さんと記録さん、メイクさんしか女性の姿はなく、今のように美術、音声、映像、照明などに女性が必ずいるというのはまったく考えられない時代でした。
 そこにぽっつり、「AD」として紛れ込み、部長には「お前、生理とかあるんだろ? どうしたらいいの?」と堂々とセクハラ発言をされ、「初めての女の子AD」はものすごく珍しがられるか、全く存在を無視されるかどちらかでした。
 照明の脚立を倒しては怒鳴られ、とある有名女優さんからは「声が嫌いだからスタジオから出て行って」と言われ、「死ね」「お前なんかいらない」と23年間一度も言われなかった経験をし、その時はめちゃめちゃつらかったのに、今となっては、AD時代が一番懐かしく思い出されます。
 「早くセカンドADになりたい」「チーフADになりたい」「ディレクターになりたい」  
 上を向いて、目標を持って走り続けたあの頃。
 今だってもちろん「視聴者の心に残る感動作を作りたい」「視聴率のよいドラマを作りたい」、目標はたくさんありますが、がむしゃらに走り続けたあの頃とは何かが違う……。
 どこにも遊びに行けなくて、普通のOLさんたちとは全く違う生活でしたが、「緑山スタジオ」と「ロケ現場」が私の青春でした。
 「スタジオのドアが開いている」といつも怒られているフォースADの姿を見ながら、自分が失ってしまった何かを懐かしむことが時々ある、今日この頃です。

◇第55回「映画の日」永年勤続功労表彰◇

7月号でご案内しました12月1日の「映画の日」に行われる永年勤続功労章に会員の菜穂進氏、山田隆氏が表彰されることになりました。

アクターズセミナー2010のお知らせ

アクターズ委員 中嶋 等

 「今売れっ子のあの俳優、全く無名だったころにエキストラみたいな役で使ったことあんだよね……」こんなプロデューサーの自慢話とも負け惜しみともとれるような会話をよく耳にする。キャストに知名度が必要、知った顔が画面に出ていないと数字が取れない、などと言われる。果たしてそうなのか、知らない顔が出てきたほうが新鮮で珍しく興味が湧くのでは。主役クラスは別として、あとは芝居がしっかりと出来る俳優をキャスティングする、重要な役に無名の役者を起用する、そんな試みがあってもいいのでは。と考えていたら最近そういったキャスティングを目にするようになった。いつかこの俳優を有名にするのだというプロデューサーの志があってのことだと思う。アクターズセミナーは、知名度のない俳優の志と、プロデューサーの志が一つに交わる場である。開催日は11月21日(日)、詳細は同封のチラシを。協会員の協力あってのイベントである、他のイベントに比すと小規模ではあるが、協会と業界の発展に寄与できると信ずる。今年も熱いオーディションが待っている。

事務局だより

正会員入会

退会

第49回プロデューサー協会 ゴルフ会開催のお知らせ

皆様 ふるって ご参加下さい!

※初めて参加される方は事務局までご連絡下さい。
      (社)日本映画テレビプロデューサー協会 親睦委員会 TEL(03)5338―1235

インフォメーション

◎会議の記録と予定