社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会 会報 2011年2月号

黄金の飛翔 !! 2011年 !! 歴史あるエランドール賞決定 !!

 2010年12月16日(木)協会事務局で、エランドール賞選考委員会が開かれました。今年も、例年通り協会員からのアンケート投票が実施され、その票数をベースに、新人賞、作品賞、プロデューサー賞、プロデューサー奨励賞、特別賞の候補を選考しました。各委員による熱心な討議の結果、候補者が絞られ、年の改まった、1月13日(木)の最終選考の委員会で、受賞者が確定し、1月19日(水)の理事会において、次のように承認され、決定しました。

〈新人賞〉

 新人賞は協会員の投票によって選出され、決定しました。スター性、演技力、いずれをとっても、次代の映画・テレビを背負って立つ、輝ける新人たちです。

 桐谷 健太  松下 奈緒  吉瀬美智子  向井  理  佐藤  健  満島ひかり
(男女交互アイウエオ順)
以上6名の方が選ばれました。

〈作品賞〉

映画(TV Taro賞)

 「告白」

テレビ(TVガイド賞)

 「龍馬伝」

〈プロデューサー賞〉(田中友幸基金賞)

映画(プロデューサー賞)

 石田 雄治「告白」

 鈴木ゆたか「告白」

映画(プロデューサー奨励賞)

 川村 元気「悪人」「告白」

テレビドラマ(プロデューサー賞)

 鈴木  圭「龍馬伝」

テレビドラマ(プロデューサー奨励賞)

 橋本 芙美「フリーター、家を買う。」

以上のように作品賞、プロデューサー賞が決まりました。

〈特別賞〉

 特別賞には個人とチーム一組の受賞が決定しました。

 寺島しのぶ

 個人は寺島しのぶさんです。寺島さんはこれまでも多くの賞を得ておられる女優さんですが、今回、2010年のベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀女優賞)の受賞を評価しました。この賞は、1964年の左幸子さん、1976年の田中絹代さんに続き、35年ぶりの受賞で、改めて日本映画の存在を世界に示した功績をたたえ贈るものです。

 NHK「ゲゲゲの女房」制作チーム

 チームは、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」制作チームに決定しました。この作品は漫画家水木しげるさんご夫妻を描いたものですが、戦後の社会世相をしっかり押さえながら、夫婦愛や家族の絆等をきめ細かく描き、多くの視聴者の支持を得たこと。加えて、魅力あるキャスティングや、主題歌の大ヒットもあって、「ゲゲゲの」という言葉が昨年度流行語大賞になるといった、一種の社会現象を引き起こしたことも評価され、今回の受賞となりました。
 改めて、エランドール賞選考にご協力いただいた協会員の皆さん、ありがとうございました。
 最後に、「新人賞」を受賞した皆様の今後ますますのご活躍をお祈りするとともに、「作品賞」にご協力いただいた「東京ニュース通信社」様と、毎年花束を提供していただいている「日本ばら切花協会」様に、心より感謝申し上げますとともに、毎回、協賛金、福引景品を提供していただいております協賛会員各社様に改めて感謝申し上げます。
エランドール委員会

2011年エランドール賞 授賞式・新春パーティーのお知らせ

日時 平成23年2月3日(木)18時受付 18時30分開会 20時30分閉会予定

会場 新宿京王プラザホテル南館5階 エミネンスホール   (立食形式)

パーティー会費

第35回 2011年エランドール賞受賞作品・受賞者

(敬称略)
※選考対象期間 2009年12月1日〜2010年11月30日 (エランドール賞委員会)

新人賞

桐谷健太

桐谷健太

1980・2・4生
大阪府出身
(ホットロード)

映 画

「BECK」「ソラニン」「オカンの嫁入り」

テレビ

「JIN−仁−」「龍馬伝」「黄金の豚」「ストロベリーナイト」

吉瀬美智子

吉瀬美智子

1975・2・17生
福岡県出身
(フラーム)

映 画

「のだめカンタービレ最終楽章」「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」「海の金魚」「死刑台のエレベーター」

テレビ

「ライアーゲーム シーズン2」「ブラッディ・マンデイ シーズン2」「ハガネの女」「ギルティ 悪魔と契約した女」

佐藤 健

佐藤 健

1989・3・21生
埼玉県出身
(アミューズ)

映 画

「劇場版TRICK霊能力者バトルロイヤル」「BECK」

テレビ

「龍馬伝」「Q10」

松下奈緒

松下奈緒

1985・2・8生
兵庫県出身
(ジェイアイプロモーション)
テレビ「ゲゲゲの女房」「探偵倶楽部」

向井 理

向井 理1982・2・7生
神奈川県出身
(ホリエージェンシー)

映 画

「ハナミズキ」「BECK」

テレビ

「ゲゲゲの女房」「新参者」「ホタルノヒカリ2」

満島ひかり

満島ひかり

1985・11・30生
沖縄県出身
(ユマニテ)

映 画

「食堂かたつむり」「カケラ」「川の底からこんにちは」「悪人」

テレビ

「ブラッディ・マンデイ シーズン2」「月の恋人〜Moon Lovers〜」「モテキ」

作品賞

映画(TV Taro賞)

「告白」

テレビドラマ(TV ガイド賞)

「龍馬伝」

告白 龍馬伝

プロデューサー賞(田中友幸基金賞)

○映画(プロデューサー賞)

「告白」

石田 雄治(日活㈱)

鈴木ゆたか(㈱リクリ)

○映画(プロデューサー奨励賞)

「悪人」「告白」

川村 元気(東宝㈱)

○テレビ(プロデューサー賞)

「龍馬伝」

鈴木  圭(日本放送協会)

○テレビ(プロデューサー奨励賞)

「フリーター、家を買う。」

橋本 芙美(㈱共同テレビジョン)

特別賞(2名)

寺島しのぶ

 第60回ベルリン国際映画祭 最優秀女優賞銀熊賞受賞

日本放送協会 「ゲゲゲの女房」制作チーム

只今撮影中

東映 企画調整部  柳迫 成彦

東映 企画調整部  柳迫 成彦『わさお』

 「わさお」。皆さんご存知ですか? 最近、ワイドショーなどで見かけた方もいらっしゃると思います。まだ、ご存知ない方も是非、お見知りおきを。癒しを与えてくれる愛嬌。勇気を与えてくれる野性。白い衝撃です。って、説明不足ですよね。スイマセン。「わさお」は、現在推定3歳の秋田犬(希少な長毛種)で、青森県鯵ヶ沢町在住、イカ焼き屋の女主人・節子さんに飼われています。このわさわさとした毛をまとった、不細工だけど可愛い犬が、旅行者の目に留まり、そのブログから火が点いて、あれよあれよという間に人気者に。さらに発売された写真集を目にして、ムムッと唸ったのが、制作会社タイムズイン社長の伊藤満さん。この犬から漂うオーラは、あの大物俳優に匹敵する。よし! と映画化の企画が発案されました。弊社に企画案が持ち込まれたのが、一昨年秋のことです。関西で宣伝をやっていた私が、新設の調整部に異動になるずっと前のことです。私自身がこの「わさお企画」に初めて出逢ったのは昨年の6月でした。(そんな途中参加の私が寄稿していて申し訳ございません)。恥ずかしながら、それまで「わさお」を知りませんでした。東京近郊のウサギ小屋に住まう身としては、大型犬など、興味を持ってはいけない対象だったからです。しかし、この当時2歳の犬のオーラは40男を圧倒しました。う〜ん。ともあれ、私が6月に出会ったこの「わさお企画」は、社内承認企画となり、編成会議等を経て、8月には公開日(2011年3月5日)も決まり、物わさお語の構成・キャスティング・出資集め等、具体的なすべての物事が急ピッチで進み始めました。この8月時点で決定していたのは監督・錦織良成さん、脚本・小林弘利さん、撮影・柳田裕男さん、そして主役・「わさお」本人(本犬)です。イカ焼き屋の女主人・節子さんのキャスティングも8月末に決まりました。ご自身も大変な愛犬家の薬師丸ひろ子さんです。準備期間がほとんどないため、製作チームは準備に大わらわ。私はといえば、慣れない出資集めの仕事にてんてこ舞いでした(これは、今も、ですが)。この作品は、すべてを鯵ヶ沢町の実際のイカ焼き屋さん、またその周辺で撮っています。早くも寒風が吹き始めたこの北の港町で、ついに撮影がスタートしました。後に語り草になる「初日から逃亡、2時間行方不明事件」はありましたが、すばらしい俳優陣に囲まれた「わさお」はその後も泰然自若、日々小さな奇跡を起こしてくれました。クランクアップは10月31日。「わさお」には花束ならぬ、ドッグフードが、薬師丸さんより贈られました。公開初日3月5日はもうすぐそこ。内容・見所には触れません(笑)。皆さん、劇場で「わさおの奇跡」をご堪能下さい!

私の新人時代

フジテレビ 遠藤 恵

フジテレビ 遠藤 恵

 今から十数年前、念願のテレビ局にめでたく入社。新人研修で早速撮影現場を見学させてもらった。ただ隅に立っているだけなのに、自分が今立っている場所がスタッフの邪魔だったらどうしようと不安になった。撤去の時にカメラコードにつまずき「手伝えないなら手伝わないで!」と叱られた。昼には弁当が足りなくなるという事態が発生。先輩ADが呟いた。「この業界、弁当は一番重要だからなぁ…」。手渡された弁当が急に喉を通らなくなった。
 研修後、現場の部署にはいけなかったものの、2年後、ようやく希望の映画部に異動。最初の「仕事」は企画会議での弁当の手配だった。
 3年前の先輩ADの言葉が脳裏に蘇る。「この業界、弁当は一番重要だからなぁ…」
 すでにADとして活躍中(?)の同期に聞いてみた。「人気のお弁当って何?」「やっぱ○○のカレーじゃねぇの?」ネットで調べるとチーズカレーがこのお店の定番らしい。皆喜ぶに違いない…!意気揚々と注文した。弁当の数が足りなくなったあの日のことを思い出し、ここは多め数量で発注。
 会議の時間になった。あれ?想定の範囲外の不穏な空気が流れている。先輩がつぶやいた。「部長、チーズ嫌いなんだよね…」あああああ…、やってしまった…。さらには少人数の会議なのに弁当を余らせ、冷たいカレーを密かに夜も食する羽目になった。
 あれから十数年、昨年末のこと。現場で某俳優さんのささやかな誕生日会があった。定番だけどサプライズケーキの登場。女性スタッフ数人と大きなバースデーケーキを切り分けるのに四苦八苦…。肝心の本人への切り分けたケーキはボロボロになり、慌てて隣の人が「この人たち、料理慣れしてなくてね…」と笑って場を和ませ、なんとか乗り切ってもらった。
 新人時代の若かりし日のことを懐かしく思い出すつもりが、成長していない自分を再確認する結果になってしまいましたが、今後とも辛抱強くお付き合い下さいますよう…。

事務局だより

新しい法人化に向けて

 御承知のように、当協会は現在新しい法人法に基づく「一般社団法人」への移行作業を進めていますが、現状と今後の方向について簡単に報告します。
 12月15日の臨時総会で承認された新定款を改めて内閣府に提出し、年明けに財務関連の補足説明を行うなど、移行のためのすべての作業が終了しました。1月中に内閣府内の部内承認を経て、2月に予定される外部委員による諮問に付され、正式に承認決定される予定です。このまま推移すれば、3月中に新法人の登記を行い、4月1日から、新しい法人としてスタートすることになります。
 なお、新しい法人のもとでの2011年度収支予算案、事業計画案は3月の理事会に諮られ、5月に予定される定時総会で承認されれば、新しい法人の活動が正式に始まることになります。

第50回 プロデューサー協会 親睦ゴルフ会にご参加ください

 当協会設立以降開催されてきた「親睦ゴルフ会」は、次回で記念すべき50回目を迎えます。親睦委員会では、最近参加者が減少していることに鑑み、できるだけ多くの会員の参加が見込まれる日時の設定、若い会員も気軽に参加できるゴルフ場の決定を急いでいます。
現在4月23日(土)24日(日)
  5月14日(土)15日(日)
    21日(土)22日(日)を軸に、
 東京近郊のゴルフ場を検討しています。
決定次第速やかに告知しますので、会員におかれては、今からご参加を検討いただきたく、よろしくお願いいたします。

インフォメーション

◎会議の記録と予定