ALL NIPPON PRODUCERS ASSOCIATON |
|
|
青少年環境法特集B |
演出家 深町幸男 |
|
|
皆さん、お元気ですか?!今日この頃のテレビ界は、やたらに騒々しいと思いませんか?「あっ、そうだ、先日、照明家協会の審査会に参加した時、心休まる水彩画の様なテレビドラマに巡りあいました。今時、この様なドラマを真剣になって制作してくれるテレビ局もあるんだ」と独り、嬉しくなりました。それは、TBS作品、”義父のいる風景”という単発ドラマで、福田さんという演出家の遺作とか・・・・・。勿論、深町としては審査会で、一票投じました。やたらにおどろおどろしかったり、馬鹿々々しかったり、視聴者を、おちょくったり、他人の秘密を覗き見し、あざ笑う、バラエティ系のタレントさんたち、そして、それを、視聴率とにらみ合わせて、ほくそ笑むプロデューサーやディレクター達・・・・。 |
 |
でも、ぼくは思うんです。全員が、そんな人達ばかりとは思いたくないんです。政府が”青少年環境法”に向かって進み始めると、マスコミ、テレビ界をあげて、“言論の自由、表現の自由の弾圧反対!!”と叫ぶ私達の仲間。勿論、私個人としては、表現の自由の弾圧には、心から反対します。でも、異常な世相をテレビに新聞、雑誌が深刻ぶって、クローズアップすればする程、愉快犯という面倒な人間達が、それを真似て、殺人、暴行等を平気で行う。「キレタ」「ウザッタイ」と簡単に叫ぶ、若者。それを批判もなく、番組でとりあげる大人達に“自由の弾圧”と叫ぶ権利があるのか・・・・・。私が愛するテレビ界の人々がもっと、気をつかい、番組作りを再検討する必要はないのでしょうか。私にはこんな経験があります。“宮沢賢治”という舞台の制作発表の場で、某有名男優と同棲している若い新進女優に、某テレビ局のワイドショーの女性レポーターが云った言葉を忘れません。「先日、お二人で、ダブルベッドを買いに行かれたそうですが、今回の舞台でもダブルベッドを買いに行く場面があるんですか?」「お二人でセリフの稽古をしていますか?」「彼に教えて貰っていますか?」私は余りに馬鹿々々しい質問が続くので、「そこのレポーターさんよ、やめなさいよ。ぼくも同じテレビのドラマディレクターの一人として、恥ずかしいよ。二人は愛し合っているんだよ。わかってるじゃない、同じテレビの人間が、制作発表の場を踏みにじるのは許せない!」 |
 |
会見場に拍手が沸き上がった。他局のワイドショーのレポーターが、会見終了後、私に近づいて来て言った。「監督さん、私達はあんな事は聞くつもりはありませんでした。」とか・・・。翌朝のワイドショーでは、その事件をとり上げた。スポーツ新聞等をクローズアップし、笑いながら放送していた。
「深町監督、大いに怒る!!」
私は、人間が大好きだ。テレビドラマが大好きである。それこそ、命ある限り、心に残るテレビドラマを演出したいと思っている。
生きる喜び、日々、戦う力の沸き上がる、又、心安まるドラマの演出家でありたいと・・・・・。 |
|

|
|