ALL NIPPON PRODUCERS ASSOCIATON
次代を担う若手プロデューサー
新年に期待する!

テ レ ビ
 2002年の幕開けを飾らせていただいた (と、 勝手に思っている) ドラマ愛の詩スペシャル 「キテレツ」 (NHK教育・元日時分から) が、 私のプロデューサーとしての実質的な初仕事となりました。 昨年6月にNEPに来てすぐに担当することになった作品です。 藤子・F・不二雄さんの漫画を原作に、 CG・特撮を駆使した、 夢あふれるドラマです。 暑い夏のロケでしたが、 元来、会議やお金の計算や文書を作ることより現場が大好きな私は、 毎日のように嬉々として現場へ足を運んでいました。 それから半年。 プロデューサー業ってキツイものだと、 思い知らされる毎日です。 それでも、 自分がワクワク・ドキドキしていなければ、 観る人をワクワク・ドキドキさせるようなドラマは作れない、 そう信じて、自分を奮い立たせています。 発明大好き少年・キテレツ君のように、 想像力と創造力の翼を広げ、 時空を自在に旅することのできる精神を持ち続けたいと願いながら。
NHKエンタープライズ21
 
加賀田 透
 以前、 「これからは“視聴質”という切り口で作品を評価して行くべきだ」 と言われたことがありました。 視聴率偏重主義に眉を顰めた意見です。 しかしながら、 この言葉は現在あまり使われてはいません。 “視聴質”という言葉の定義が曖昧であったばかりでなく、 それを数値化することが出来なかったからだと私は思っています。 それまで数値化できたのは、 視聴率と映画の観客動員数だけでした。  エンターテインメント作品を取り巻く環境は現在急速に変化しつつあります。 多メディア化、 多チャンネル化の流れの中、 デジタル技術の発達がローコストでの撮影を可能にしてゆきます。 これらによって、 作品の伝達システム、 制作費の回収システム、 作品の評価システムの幅が広がってゆきます。 それに伴って作品のタイプの幅も広がります。 制作側として、 どんな観客にどのような形で見せようとしているのかをより意識した作品作りをしていかなければならないと思っています。
日本テレビ
 
池田 健司郎
 八木康夫 (50)。 20年近くヒットドラマを創り続け、 今なお衰えを知らぬ名プロデューサー。 TBSの4番バッターであり、 日本ドラマ界のビートルズだといえる男。
 僕は常々、 この人を超える事を目標にしてきた。
 実は八木さんは、 僕の中学の大先輩であり、 「うちの子にかぎって」 が放送された時は、 学校内だけでなく、 町全体の有名人だった。
 ドラマ好きだった僕も、 斬新な企画で次々とヒット番組を生み出す八木さんに憧れてテレビの世界を志した一人である。
 現在は、 運良くそんな大先輩と同じプロデューサーという立場で仕事をさせてもらっているが、 台湾野球がメジャーリーガーと戦っているかのごとく、 視聴率の土俵ではことごとく惨敗。
 しかし、 ドラマ冬の時代といわれる昨今、 この4番バッターを若手が打ち取らなければ、 春はない。
 今年は、 ドラマ人生の全てを懸けて勝負したい。

TBSエンタテインメント
 
山田 康裕
 僕が好きだったフジテレビのドラマは、 いつも新しかった。 大物女優ではなくアイドルや歌手を連続ドラマの主役に抜擢したり
( 「月曜ドラマランド」 )、 オムニバス形式のショートショトドラマを確立したり( 「世にも奇妙な物語」 )、 それらは日本のTVタイムテーブル上で新鮮に輝いていた。 それらが新しかった原点は 「演出」 や 「企画」 ではない。 それ以前の 「規格」 が新しかったのだ。 画期的な規格が新しい企画や演出を育てたのだと思う。 今はどうだろう。 ヒッチコック風の演出や、 フルオケの劇版。 たしかに登場した時は本当に感動した。 でもそれは年前の話、 もう新しくはない。 しかし、 次なるものを積極的に作っていかなければならない我々若手と呼ばれる者たちも、 知らず知らずのうちに年前の規格の上で勝負しようとしてしまってはいないだろうか。 演出や企画の新しさだけで喜んでいる場合ではないのだ。 そろそろ新しい 「規格」 を打ち出さないと、 もうヤバイ。

フジテレビ
 
鈴木 吉弘
 数年前、 先輩プロデューサーに企画書を提出した時、 「ドラマがない」 と却下された。 その場で 「ドラマって何ですか」 と聞き返したが、 答えは帰ってこなかった。 「面白くない」 「泣けない」 と言われれば、 納得していたかもしれないが、 「ドラマがない」 とは未だに謎の言葉として残っている。
  「ドラマがない」 とは便利な言葉なのか、 作家打合せで自分の意見がまとまらない時に使いそうになって、 自省の念が起きる。 自分自身が明確な意味を理解していなくても、 何となく 「ドラマがない」 と言えてしまう魔力を持っている。
 水曜夜、 駅前食堂のおばちゃんは 「はみだし刑事」 を見てくれている。 もしも、 このおばちゃんが 「ドラマがないわねー」 と呟いたら、 私はきっと立ち直れない。 そうなる前に 「ドラマがある」 番組を求めて彷徨って行こうと思う。 先輩の言葉より、 おばちゃんの呟きに耳を傾け、 戦々恐々と定食を食べながら…。

テレビ朝日
 
稲垣 ケンジ
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