木村英進堂が昭和二十九年に創立して今年で四十八年になります。 その間、
一貫してドラマ、 映画の台本印刷一筋でやってこられたのもプロデューサーの皆様のおかげだと深く感謝しております。
今日では原稿の入稿はFAX、 あるいはメールで頂くことが多いのですが、
十五年ほど前までは原稿のやりとりは手渡しがほとんどでしたからプロデューサーから原稿を頂くか、
脚本家のお宅に直接原稿を取りに伺っていました。
でも原稿が遅れてくると、 先生の方から出向かれて来られて、 弊社で原稿を執筆されることも度々でした。 英進堂は小さな会社ですから、 先生方の執筆専用の部屋は用意できませんでしたので、 社長室を使って執筆していただきました。 M先生は小さな社長室が寂しいからと嫌い、 わざわざ皆が作業している事務室に陣取り、 周りがざわざわしている方が仕事が出来るんだと執筆していました。 少し書いては構想を練っているのか会社中をぶらぶら歩き、 また書き始めるといったあんばいです。
またO先生は英進堂近くの喫茶店に陣取り、 朝からビールを飲みながらの執筆でしたが、
それでも朝始めると夕方には必ず脱稿するスピードというかパワーがありました。 |
I先生は夕方五時になるとプロデューサーの目を盗んで、 お友達の女性と連絡をとり、
どこかにいなくなってしまいます。 I先生、 私にはそっといなくなるよって言っていくのですが、
何も知らずに残されたプロデューサーはお気の毒でした。
先生方が弊社で執筆する時はプロデューサーも一緒に弊社でひたすら原稿が上がるのを待つことになります。
原稿が書き上がらなければ私たちも印刷出来ませんから、 プロデュ々サーと一緒にただひたすら原稿の上がるのを待つことになります。
そんな連帯感を持てた時代が懐かしく思います。 これからもスタッフの一員としてみなさまのドラマ作りのお手伝いが出来ればと、
社員一同頑張ってまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
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