「シルミド」 いよいよ日本上陸 |
東映 企画製作部 プロデューサー 野村 敏哉 |

皆様ご存知の通り、 ヨン様と口々に叫ぶ淑女の方々が羽田空港に何千人も押し掛けている光景というのは、 突出したできごとではあったが、 今、 韓国ドラマ・映画ブームは、 空前の盛り上がりを見せている。 そこに大切な観客・視聴者を奪われ始めている我々同業者としては、 これは油断はできないぞ、 と内心思っていたところに、 弊社が6月に急遽公開することを決めた 『シルミド/SILMIDO』 の宣伝担当の仕事が舞い込んできた私である。
『シルミド/SILMIDO』 は、 昨年12月に韓国で封切られるや、 大本命 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 を遥かに超えて大ヒット、 韓国映画史上初めて1000万人動員を果たした (最終的には1200万人になる見込み)、 まさに"モンスター・ムービー"である。 30年以上にわたって韓国政府が隠し続けてきた、 実在の金日成暗殺部隊の育成・抹殺の真実を暴くという内容の衝撃度もさることながら、 韓国国内で観る事が可能な人口の3分の1以上 (R−15指定)、 しかもほとんどが若い客層であるということが、 日本の来るべき観客、 また我々製作者に向けての大きなメッセージを含んでいると思う。 とにもかくにも、 当協会の会員の方々にも直に観てご確認頂くのが何より早いことだが、 少々そのサワリを。 最近公開され、 話題になった他のいくつかの韓国映画にも共通していることでもあるのだが、 『シルミド/SILMIDO』 の何よりの良さは、 "熱気"である。 困難な題材に立ち向かう監督の熱。 長期の厳しい撮影を乗り越えてフィルムに定着された役者たちの熱。 そして、 スクリーンに注がれる観客の熱。 端的に言うなら、 故深作監督の 『仁義なき戦い』 を彷彿させる雰囲気を思い出した筆者であったが、 日本映画の上映制限の厳しいお国柄、 当然のことながら 「全然観た事ないな」 とカン監督に一蹴されたのだった。
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