日本映画テレビプロデューサー協会報

No.404  2012年2月号

黄金の飛翔!!2012年!! エランドール賞決定!!

 昨年12月、協会員によるアンケート投票から始まったエランドール賞の選考は、エランドール賞委員会の各委員たちによる、数回にわたる熱心な討議の結果、最終的に、1月17日の最終選考委員会で、受賞者が確定し、1月19日の理事会において、次のように承認され、決定しました。

〈新人賞〉

 新人賞は協会員の投票によって選出され、決定しました。スター性、演技力、いずれをとっても、次代の映画・テレビを背負って立つ、輝ける新人たちです。

(女性男性交互アイウエオ順)

 以上5名の方が選ばれました。
 なお、新人賞には、今年から新たに副賞として、東京ニュース通信社から「TVガイド賞」として銀製の写真立てが贈られることとなりました。

〈プロデューサー賞・田中友幸基金賞〉

 作品賞は、これまでプロデューサー賞と重複して受賞してきたことから、これを廃止し、今年度から、プロデューサー賞のみとなりました。

◯映画(プロデューサー賞)

◯映画(プロデューサー奨励賞)

◯テレビドラマ(プロデューサー賞)

◯テレビドラマ(プロデューサー奨励賞)

〈特別賞〉

 特別賞には3つのグループの受賞が決定しました。いずれも、長い期間継続制作され、ヒットしてきた作品で、その長年にわたる成果とスタッフの努力に対する顕彰です。

◯「相棒」制作チーム

 2000年6月、テレビ朝日系「土曜ワイド」枠で放送されて以来、2002年にはシーズン1として水曜21時枠のレギュラー放送が始まり、現在はシーズン10の放送が続いている。杉下右京警部の主役と、警視庁特命係を舞台とする変わらぬシチュエーションで、開始以来11年、いまだ硬派のテーマを持ち続ける完成度の高い作品を生み出し続けています。

◯「3年B組金八先生」制作チーム

 1979年10月に第1シリーズが制作されて32年、金八先生と中学3年生という多感な世代のドラマを通して、時代が直面する多くの社会問題を取り上げてきた。放送は第7シリーズまで、断続的に続き、2011年3月27日の「3年B組金八先生・ファイナル最後の贈る言葉」で終了したが、これまでの作品制作本数は、スペシャルを加え、185本の多きを数えた。まさに昭和から平成の日本の世相を見つめ、世の中の子を持つ親に寄り添い続けた作品でした。

◯「大河ドラマ50」

 1963年(昭和38年)の「花の生涯」から数え、昨年の「江」は大河ドラマ50作目、今年の「平清盛」で51作目となる。大型時代劇として、ときには近代を描いたり、女性の視点に注目するなど、企画の工夫を加えながら、テレビ表現にも常にチャレンジを怠らず、結果として49年間、視聴者の高い支持を得てきたものです。今回、50作という節目に顕彰することになりました。

 エランドール賞選考にご協力いただいた協会員の皆さんありがとうございました。

 最後に、「新人賞」を受賞した皆様の今後ますますのご活躍をお祈りするとともに、「新人賞副賞」にご協力いただいた「東京ニュース通信社」様と、毎年花束を提供していただいている「日本ばら切り花協会」様に、心より感謝申し上げますとともに、毎回、協賛金、福引景品を提供していただいております協賛会員各社様に改めて感謝申し上げます。

(エランドール賞委員会)

第36回 2012年エランドール賞受賞者一覧

(敬称略)

2012年2月9日(木曜)18時30分開会

新宿京王プラザホテル南館5階エミネンスホール

※選考対象期間   2010年12月1日〜2011年11月30日

新人賞☆TVガイド賞

女性男性交互五十音順敬称略 (5名)

杏

   1986・4・14生  東京都出身  (所属:トップコート)

テレビ

  •   「プロポーズ兄弟〜生まれ順別 男が結婚する方法」
  •   「名前をなくした女神」
  •   「妖怪人間ベム」

高良 健吾

高良 健吾

   1987・11・12生  熊本県出身  (所属:テンカラット・アプレ)

映 画

  •   「ノルウェイの森」
  •   「白夜行」
  •   「まほろ駅前多田便利軒」
  •   「軽蔑」

テレビ

  •   「ビート」
  •   「おひさま」

井上 真央

井上 真央

   1987・1・9生  神奈川県出身  (所属:セブンスアヴェニュー)

映 画

  「太平洋の奇跡─フォックスと呼ばれた男─」

  「八日目の蝉」

テレビ

  「獣医ドリトル」

  「おひさま」

長谷川博己

長谷川博己

   1977・3・7生  東京都出身  (所属:ヒラタオフィス)

映 画

  •   「セカンドバージン」

テレビ

  •   「セカンドバージン」
  •   「鈴木先生」
  •   「松本清張ドラマスペシャル砂の器」
  •   「家政婦のミタ」

吉高由里子

吉高由里子

   1988・7・22生  東京都出身  (所属:アミューズ)

映 画

  「GANTZ」

  「カメリア」

  「カイジ2人生奪回ゲーム」

テレビ

  「私が恋愛できない理由」

アクターズセミナー受賞者紹介

(4名)

プロデューサー賞(田中友幸基金賞)

○映画(プロデューサー賞)

○映画(プロデューサー奨励賞)

○テレビ(プロデューサー賞)

○テレビ(プロデューサー奨励賞)

特別賞

只今撮影中

東映  東京撮影所  菊池  淳夫

東映  東京撮影所  菊池  淳夫

『はやぶさ 遥かなる帰還』

 「衛星を作り続けるのは、技術の継承が大きな目的です」
 映画「はやぶさ 遥かなる帰還」渡辺謙さん演じる主役のモデルとなった宇宙科学研究所(ISAS)川口淳一郎教授の言葉である。
 川口教授は、想像を絶する苦難を乗り越えて、人類史上初のサンプルリターンを成し遂げた「はやぶさ」チームのリーダー。
 「はやぶさ」は計画されてからミッション完了まで、実に25年の歳月がかかった。計画当初、川口教授はまだ研究員であった。
 この映画では、打ち上げから帰還までの7年間を描いている。しかし実際にはそこまでに18年もの壮大なドラマがあったのだ。『はやぶさ 遥かなる帰還』 撮影風景
「研究者人生の中で関われるのは、せいぜい3つの衛星。技術は現場の経験で継承される。次の世代に技術を引き継ぐためには、常に作りつづけなくてはなりません」
 宇宙研が創設されたのは昭和23年。それ以来、日本独自の宇宙開発はNASAの陰になりながらも脈々と引き継がれ、ついに「はやぶさ」の成功につながったのである。
「日本の宇宙開発の歴史は、映画と似ている」
 撮影前の取材で、瀧本監督とそんな話をした。
 平成4年、高倉健さんの「鉄道員」の現場で瀧本さんと初めてお会いした。私は製作部、瀧本さんはセカンド助監督。この映画で私たちは、高倉さん、降旗監督、木村大作さんをはじめとする一流映画人の薫陶を受けた。
『はやぶさ 遥かなる帰還』撮影風景  6年後、木村さんがキャメラ、「鉄道員」でチーフであった佐々部清さんが監督、そして渡辺謙さん出演の「陽はまた昇る」という映画で、ふたたび瀧本さんとご一緒させていただいた。
 「はやぶさ」も前二作と同様、坂上順プロデュース作品である。
 「鉄道員」から15年、今回の瀧本監督作品で、諸先輩方の実績には及ばないながらも、次の世代に「映画」を引き継がなければならない立場になったと思う。
 瀧本監督と渡辺謙さんは、チーフ助監督の権野元を予告編などの宣伝映像の監督に抜擢した。現場では、セカンドの富澤昭文に技術関係の演出を任せ、サードの畑中みゆきにエンドロールを創らせた。
 十年後、彼らが順繰りに監督となって、また次の活動屋を育てていると信じている。
 次世代への継承機「はやぶさ2」は大幅に予算を削られた。それでも必ず打ち上げるそうだ。
「どんなに困難でも、チャンスがあれば挑戦する。それが私たち宇宙科学研究所の伝統です」
 「はやぶさ」という究極のモノづくりを果たした川口教授の言葉は、映画というモノづくりに励む活動屋たちの気持ちを代弁してくれている。

私の新人時代 

フジテレビジョン  石井  浩二

フジテレビジョン  石井  浩二 「僕はシナリオの行間を〝絵〟にするのが大好きです!」
 と、元気よく宣っていた入社直後…。ドラマの演出家志望で運良く入社出来たものの、最初に配属されたのはドラマではなく企画制作部という、当時「今夜は好奇心」、「NONFIX」といったドキュメンタリーや情報番組を制作する部署。ドキュメンタリーも将来行くであろうドラマ演出の勉強になるし…と、今と変わらぬポジティブな私だったが、就いた番組は『ウゴウゴ・ルーガ!』。そう、今でも語り継がれる〝子供番組〟。アニエスbや安藤忠雄が登場し、岡崎京子がイラストを、ジャミロクワイがテーマ曲を書き下ろし、当時まだソ連のモスクワ〝赤の広場〟から中継したりと、子供番組をふりに大人が好き勝手に制作していた。と言うと叱られるかも知れないが、兎に角〝面白さの追求〟には半端がない。キャリアなど関係なく議論をし、自分のアイデアを言わないと叱られる、そんな番組だった。〝作り手の魂は何処にある?〟良く言われた言葉。だから常に自分のアイデアを考え続け、古典からサブカルまで精通する努力をし、新しいタレントや社会現象を求めアンテナを張りまくるといった修行を続けた。その修行癖は今でも続いている。新人時代は厳しいどころか充実した日々…。あ、厳しかったのは1週間で数時間しか眠れない事が1年続いたぐらいか。
 番組が始まって1ヶ月位経った頃、通勤電車で女子高生達の会話が聞こえた。「何かさぁ、朝早くから変な番組やってねぇ?」「あー!何か超ウケるよね〜」。視聴率表ではなく肌で感じた。〝社会現象になるテレビ番組って、こういうことかぁ。〟これが、私のテレビ制作における原体験になった。マーケティングだけで作り手に〝魂〟がない番組は決してブームを作れない。今でもそう思う。
 あれから20年…。編成部も経験し、バラエティ制作では「笑っていいとも!」のプロデューサーも務め、入社時の希望だったドラマ制作に辿り着いた。
 「作り手の〝魂〟は何処にある?」

 

第7回プロデューサーズ・カフェ開催のお知らせ

こんな美味しい話が聞けてチャージ無料、プロデューサーが集う一日だけのカフェがオープンします。
今回は、驚異の視聴率を叩き出したあのテレビドラマの裏をミタい方におすすめです。

☆会場へ直接お越しになれます。

参加ご希望の方は事務局までご連絡ください。

 

2012年エランドール賞 授賞式・新春パーティーのお知らせ

日時 2012年2月9日(木)18時受付 18時30分開会 20時30分閉会予定
会場 新宿京王プラザホテル南館5階 エミネンスホール(立食形式)
パーティー会費

ドレスコードはありません。※会場内の撮影は禁じます

会員の皆さまの多数のご参加をお待ち申し上げます。

第52回 プロデューサー協会  ゴルフ会開催のお知らせ

*初めて参加される方は事務局までご連絡下さい。

日本映画テレビプロデューサー協会  親睦委員会  TEL 03-5338-1235

皆さんふるって ご参加ください!

 

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