日本映画テレビプロデューサー協会報

No.415  2013年3月号

華やかに2013年 第37回 エランドール賞授賞式開催

 

エランドール賞委員会
 テレビ朝日編成制作局制作2部  島川 博篤

 2月7日木曜日、今年も華やかに第37回エランドール賞授賞式が開催されました。
 演出・進行担当がチャンネル順に持ち回りになり3回目。NHK・日本テレビ、そして、今年はテレビ朝日が担当しました。
エランドール賞授賞式風景 司会は市川寛子アナウンサー(テレビ朝日)で、エレクトーンはお馴染みの永田勝子さんです。
 テンポ・流れの良い進行に徹し、壇上の主役たちを盛り上げることを心がけました。

 最初の表彰は、プロデューサー賞・プロデューサー奨励賞です。
 映画部門のプロデューサー賞は「のぼうの城」を制作したC&Iエンタテインメントの代表取締役プロデューサー・久保田修さんが受賞。プレゼンターには、樋口真嗣監督が駆けつけ祝福しました。プロデューサー奨励賞は「テルマエ・ロマエ」を制作したフジテレビ映画事業局映画制作部の稲葉直人さんが受賞。プレゼンターには、主演の阿部寛さんが登場し、会場が沸きました。

 つづいて、テレビドラマ部門のプロデューサー賞は、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のNHKドラマ番組部チーフプロデューサー・岩谷可奈子さんが受賞。プレゼンターに主演の堀北真希さんが登壇しました。会場が一気に華やぎ、歓声が起こりました。
 そして、プロデューサー奨励賞は「ドクターX〜外科医・大門未知子」を制作した内山聖子・テレビ朝日編成制作局制作2部ゼネラルプロデューサーが受賞。プレゼンターに米倉涼子さんが駆けつけ喜びを分かち合いました。会場からは「涼子」「聖子」の掛け声がかかり、大いに盛り上がりました。

 そして、今回の授賞式では、故・小林俊一・彩の会代表取締役社長にプロデューサー協会特別賞が贈られました。
 会場には、小林俊一さんのスライド写真が上映されるとともに「男はつらいよ」のテーマ曲が流れ、小林さんの多大なる功績が紹介されました。代理受賞で御子息の小林浩司さんが登壇され、当協会の元会長・遠藤利男さんから花束が贈られました。今日のエランドール賞があるのは小林俊一さんのご尽力のおかげです。ありがとうございました。

 つづきまして歓談後、特別賞の表彰です。
 土曜ワイド劇場が昨年7月で35周年を迎え、多くのヒットシリーズを生み出してきた功績から「土曜ワイド劇場35周年」が受賞。
 代表して、テレビ朝日・高橋浩太郎ゼネラルプロデューサー、朝日放送・深沢義啓ゼネラルプロデューサーが登壇し、プレゼンターには「法医学教室の事件ファイル」シリーズ主演の名取裕子さんが喜びを分かち合いに駆けつけました。

 いよいよクライマックス、新人賞の表彰です。
 今年は男女6名が受賞されました。(男女五十音順で行われます)
エランドール賞新人賞の方々 まずは染谷将太さん。
 2012年公開の園子温監督作「ヒミズ」では、ベネチア国際映画祭・マルチェロマストロヤンニ賞を獲得。その後、話題の映画・テレビドラマで若手個性派俳優として活躍。花束プレゼンターには、「ヒミズ」プロデューサーの梅川治男さんが登壇しました。
 つづいての新人賞は、尾野真千子さんです。
 NHK連続テレビ小説「カーネーション」で小原糸子を熱演。日本中に笑顔と元気を振りまきました。プレゼンターは「カーネーション」で尾野さんが演じた小原糸子の長女・優子のモデルとなったファッションデザイナーのコシノヒロコさんでした。
 3人目は松坂桃李さんです。
 NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で一気に全国のお茶の間の顔となり、今後も一層活躍が期待される逸材です。プレゼンターには「梅ちゃん先生」で共演した堀北真希さんが登場。撮影現場で見せていたモノマネをふられ松坂さんが披露。会場は笑いと歓声で盛り上がりました。
 4人目は武井咲さん。
 2012年はテレビ朝日「Wの悲劇」フジテレビ「息もできない夏」日本テレビ「東京全力少女」と3クール連続で主演を務め、今もっともフレッシュで好感度の高い若手女優です。プレゼンターは、「Wの悲劇」の内山聖子・テレビ朝日ゼネラルプロデューサーでした。
 5人目は森山未來さんです。
 「苦役列車」「北のカナリアたち」など話題作で類稀なる演技力を発揮しました。プレゼンターには「苦役列車」の山下敦弘監督が登壇。お二人は壇上でも息の合った姿を見せていました。
 新人賞、最後は真木よう子さんです。
 昨年はTBS「運命の人」、フジテレビ「遅咲きのヒマワリ」など存在感を存分に発揮し、実力派女優として活躍しました。プレゼンターにはTBS「運命の人」土井裕泰監督が祝福に駆けつけました。
 以上、6名が再度登壇してフォトセッション。壇上は、今最も旬な俳優陣の共演で華やかに輝きました。舞台はその後、恒例の福引抽選会、そしてその盛り上がりのなか中締めとなりました。
 今回の授賞式は、一昨年、昨年の素晴らしいノウハウや進行表に基づき、若泉副委員長をはじめ皆様のお力添えで無事に進行することができました。市川アナウンサーとともに胸をホッとなで下ろしております。ありがとうございました。
 担当させていただき、この授賞式に多くのプロデューサーや若いスタッフたちが皆集い、受賞者を盛り上げられたらいいと感じております。
 今後、TBSさんに引き継ぐとともに、微力ながら協力をさせていただき、来年のエランドール賞授賞式も声援を送らせていただけたらと思います。

 プレゼンターとしてかけつけてくれた方々

阿部寛さん 堀北真希さん 米倉涼子さん コシノヒロコさん 名取裕子さん

只今撮影中!

フジテレビジョン プロデューサー  清水 一幸

フジテレビジョン プロデューサー  清水 一幸『最高の離婚』

 「このドラマやって良かったです!」
 キャスト、スタッフみんなが口を揃えて言ってくれるドラマ、そんなドラマを作りたい。誰もが思うことですが…。
 私は、1月10日から放送を開始した、毎週木曜夜10時から放送中のドラマ『最高の離婚』のプロデューサーをしています。
 『最高の離婚』。
 〝最高"と〝離婚"まったく相反するような言葉が意味するのは?
 それは現代の結婚事情なのではないでしょうか?
 〝結婚"を考える年代が、男女共に20代を超え、30代になり…さらに「一人がいい」という環境を望んでいる人も増えてきている。また〝お付き合い感覚"で結婚したため、すぐに〝離婚"してしまう夫婦も増えているとか…
 結婚事情はどんどん複雑になっていき、だからこそ、かつて人生のゴールと言われたはずの結婚がもはやゴールではなくなり、かつては結婚するまでがドラマだったのが、もはやそうではなくなってきているのだと思います。
 現代は結婚の先にこそ、本当のドラマがあるのではないでしょうか?
 だからこそ、この作品は、現代の迷える日本の象徴でもある30代の結婚事情に焦点をあて、30代の未熟な結婚感を通して〝夫婦とは何か"〝家族とは何か"を描いていきたいと考えました。
 そしてこの作品が若い世代には、〝結婚"を考えるひとつの契機として、若い世代を越えてしまった大人の世代には、〝結婚、そして夫婦の本質"を知るひとつの契機として、良いきっかけになっていけば良いなと思いました。
『最高の離婚』 そして、この『最高の離婚』というドラマには素晴らしい方々に賛同を頂きました。
 主演の瑛太さんをはじめ、尾野真千子さん、真木よう子さん、綾野剛さんという、現在の映画・ドラマ界の若手トップ俳優の4人が揃い、さらに脚本は坂元裕二さんの描き下ろし。夢のようなキャスティングになりました。
 坂元さんが繰り出すセリフの数々に応える同世代の4人のキャスト、毎日さまざまな化学反応が起き、毎日が刺激的で収録も、編集も、そしてO.A.も一視聴者として楽しませてもらっています。
 そしてドラマのエンディング映像は毎回変えようと考えました。桑田佳祐さんの主題歌にあわせて4人が踊る。その映像は等身大を意識したドラマ本編の映像とは全く異なった〝カッコイイ! 色っぽい!"4人が登場。ドラマ本編が終わり視聴者が離れて行かないためにはどうしたら良いか? 試行錯誤した結果、出た結論がこの映像です。
 このエンディング映像はオリジナル版として「YouTube」でも公開をしたのですが、非常に多くの再生回数を繰り出しました。
 そして…何とこのエンディングには、桑田佳祐さんにもご参加頂くことが出来ました。
 ドラマ本編だけでなく、エンディングまで楽しめるドラマ『最高の離婚』。
 すでにキャスト、スタッフから言われます。
 「このドラマやって良かったです!」
 キャスト、スタッフの思いがいっぱい詰まった〝最高"の作品。
 是非、ご覧下さい!

私の新人時代

東宝株式会社 映画企画部部長  山内 章弘

東宝株式会社 映画企画部部長  山内 章弘 約20年前。会社に入ってから、目指していた映画の制作がほぼ行われていないことを知った。間抜けなこと甚だしいが、それでも制作現場に近づきたくて、社内で唯一活発だったテレビドラマの制作部署を志望、無事配属して頂いた。根拠無き自信だけを身に纏い、明日からでもプロデューサーになれると息巻いている大学出たての青二才。諸先輩方は扱いにくい事この上なかったに違いない。
当然すぐにプロデューサー業など任される訳もなく、最初に就いた職種は昼帯ドラマの制作進行だった。前室、控室の準備から弁当、車輛の手配、ロケ先の交渉、仕上げの進行等々…誰よりも早く出て、誰よりも遅く帰る日々。主演俳優をロケバスに乗せ忘れて出発するようなダメ進行だったくせに、怒鳴られると歯向かって、先輩プロデューサーからは「鉄砲玉」とあだ名を付けられた。
まだ携帯も無い時代。常に連絡が取れない私は、学生時代の友人や会社の同期からも「あいつ呼んでもどうせ来ないから」と声すらかけてもらえなくなり、大学時代の彼女とも別れ、心の中のデスノートだけが増えていく、荒んだ20代前半を過ごした。あの頃ツイッターがあったなら、きっとドス黒い心の内をネットにぶちまけて何らか事件を起こしていたはずなので、アナログ時代に感謝せねばなるまい。
そんな新人時代に体得した教訓は、「先に体、後で頭」ということだろうか。仕事は基本的に理不尽の積み重ねで、理屈が通っていることなんてほとんどない。頭が先に立つと辛いことばかりが増えていく。まずは立ち止まらず動き、その先に理想を描く頭を使えるようになればいい、と。
最近、当時私がバスに乗せ忘れた主演俳優の方と、映画の現場をご一緒した。「長く仕事していると、こんなに嬉しいことがあるんだな」と笑顔でおっしゃって下さった。新人時代の自分に、仕事にはこんなにも嬉しい瞬間があるのだよ、と伝えてあげたくなった。

事務局だより

◎正会員入会

◎退会

会員証の更新について

お手元の会員証の有効期限は2013年3月31日となっております。
更新のためタテ3センチ×ヨコ2.5センチの写真(データ可、カラー、モノクロいずれも可)1枚を写真裏面に必ずお名前を明記の上、事務局までお送り下さい。
データの方はメール  info@producer.or.jp にてお送り下さい。

第54回 プロデューサー協会 ゴルフ会開催のお知らせ

*初めて参加される方は事務局までご連絡下さい。

一般社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会 親睦委員会  ☎ 03-5338-1235

インフォメーション

◎会議の記録と予定