当協会は一般社団法人化して2年経ちました。今総会では、協会の新たな方向性を目指し、組織強化、会員増強について規約の改正を行うつもりです。総会では活発なご議論をいただきたいと存じます。
さて、我々を取り巻く状況についてお話しします。ご承知のように「アベノミクス」によって経済状況だけでなく、文化状況にも新しい変化の兆しが見えます。そのひとつがクールジャパン。つまり日本文化の海外への展開が、いわば国策という形で、急速な動きを見せてきました。当協会は、これまで重村副会長がゼネラルプロデューサーを務める、国際ドラマフェスティバルで中心的役割を担ってきました。中でも昨年企画され、この春タイで実施されたのが、Jシリーズフェスティバル=ジャパンウィークスです。日本のテレビドラマをタイの放送枠で集中的に編成し、CMを出し、日本のタレントを派遣してタイのタレントやファンと交流する様々なイベントの展開です。試みは、NHK、民放、音事協など、様々な団体の垣根を越えた協力で成功しましたが、この成果は、今後の日本の文化政策を推し進めるうえでの指針の一つとなりました。改めて、みなさんのご協力に感謝いたします。
一方、映画も、海外への展開は、時代の趨勢であります。カンヌ映画祭では、是枝裕和監督の「そして父になる」が審査委員賞を受賞、審査員として河瀨直美監督が選ばれるなど、日本映画への評価はますます高まっています。今後映画の発展は、国策の後押しもあり、大いに期待できると思います。
しかしながら、あえて私見を申し上げると、改めて〝映画の再生産〟ということを念頭におかないと、今後の映画界の発展は望めないと考えています。収益の配分が、劇場、配給会社へ大きく、製作者に小さいとなれば、特に小さな製作会社、製作者にとっては、収益を新しい生産に振り向ける余力はなく、映画再生産の道は遠のきます。歴史的背景もあり、すぐとはいかないでしょうが、今後、日本の文化施策の一つとして、1枚のチケットの中に、何パーセントでもいい、再生産の原資を確保するという、ソフトシステムを作ってゆく流れがほしいと思います。
さて、テレビメディアの状況です。今、視聴者のテレビの見方が大きく変化しています。BS、CS波の視聴率は、ゴールデン枠、平均8パーセントを超え、文字通り、地上波、BS、CSが放送3波体制として定着したと言えるでしょう。番組の中に、WEBとテレビが共存する新しい流れが現れてきたと同時に、スマートフォンによる番組視聴が増え、通勤電車の8割の人が、スマホをいじっているという現象の中で、旧作の連続ドラマをスマホで全部視聴してしまうなんてことも普通となっています。
一方、ハードの面でも、4K、8Kといった超高画質テレビが実現化され、ブラジルワールドカップに向け、放送も具体化しています。また、スマートテレビも市場に出回り始めました。従来のテレビに、パソコン、インターネット機能を加え、さらにゲームや、テレビ電話、といった具合に、新しい時代を予感させるテレビかもしれません。これらの現象は、従来言われてきた通信と放送の融合という枠を超えるものです。つまり、一定の時間枠の中にプログラムが組まれるという放送を視聴することから、VODや、長時間収録による大量のストックを、視聴者が、好きな時に、好きな端末から受容するという全く新しい時代の出現です。
となれば、我々が作る映像コンテンツも、これまでの概念をはるかに超えるものとなるでしょう。まだ方向も道筋も、誰にも分からないのかもしれません。ただ、その混沌の中に、何かが胎動する、それだけは確かであり、その様々な胎動を仕掛け、新しいメディア文化を開拓するのは、プロデューサーでしかないことだけは確かです。皆さんも、そうした新しいメディアに関わるプロデューサーたちに積極的に働き掛け、協会に招き入れ、同じ仲間として成長を競い合う中で、これまでになかった強固な集団をめざし、生まれ変わっていくことが必要だと思います。頑張りましょう。よろしくお願い致します。
会長
CXグループ 杉田 成道 |
副会長(4名)
東宝グループ 富山 省吾 |
NHKグループ 木田 幸紀 |
NTVグループ 奧田 誠治 |
CXグループ 重村 一 |
常務理事(10名)
東宝グループ 山内 章弘 |
東映グループ 香月 純一 |
松竹グループ 中嶋 等 |
NHKグループ 若泉 久朗 |
EXグループ 板橋 順二 |
TBSグループ 那須田 淳 |
CXグループ 臼井 裕詞 |
Aグループ 里中 哲夫 |
Bグループ 町田 修一 |
Dグループ 小岩井 宏悦 |
理 事(13名)
角川グループ 椿 宜和 |
日活グループ 永山 雅也 |
NHKグループ 西村 与志木 |
NHKグループ 岩谷 可奈子 |
NTVグループ 神蔵 克 |
EXグループ 田中 芳之 |
TBSグループ 植田 博樹 |
TXグループ 岡部 紳二 |
CXグループ 金子 玄 |
Cグループ 小野 伸一 |
Dグループ 熊谷 健 |
Eグループ 玉川 静 |
Fグループ 中尾 幸男 |
監 事(3名)
東映グループ 坂上 順 |
NHKグループ 松尾 武 |
Eグループ 工藤 英博 |
事務局長
NHKグループ 渡辺 紘史 |
一本の映画を作る時に大切なのは「次の映画に繋げる」事。映画に参加するすべての人と会社が「次の一本」に繋がる映画製作でありたい。そのためには撮影環境を整えてスタッフの成長を促す事、完成作品の収入の可能性を広げる事が肝要です。撮影環境を護るための適正な製作費の算定と出資者への働きかけ、収入増のための海外市場の開拓。これが現在のプロデューサーに求められている仕事です。突破口の一つは国際共同製作。日本映画の新しい可能性を皆さまと一緒に考えたいと思います。
常任理事を拝命いたしました東宝の山内です。現在は自社の映画およびドラマの企画制作部門を預かっております。プレイングマネージャーなのでなかなか捕まらず、既に事務局の方々には何かとご迷惑をおかけしておりますが、社歴のほとんどが映画、ドラマの制作畑という経験を生かし、出来うる限り現場と協会の橋渡しになれればと思います。若輩者ではございますが、協会の皆様、何卒宜しくお願いいたします。
歴史あるこの協会の大役に選任して頂き大変名誉なことと感じておりますとともに、2008年に協会から映画『恋空』プロデューサーとして「特別賞」を頂きました際に、名だたる諸先輩プロデューサーの皆様の前での挨拶に大変緊張した時のことを思い起こしました。その時の緊張感以上の緊張感を持って、諸先輩方が築かれてきた日本の映像文化の歴史と伝統の継承、そして更なる発展に貢献させて頂きたいと微力ながら頑張ってまいります。
入社以来、ドラマ7年、映画に14年間携わっておりましたが、2年前にドラマ制作に戻ってきました。ドラマを取り巻く環境は、地上波、衛星波放送にとどまらずネットや携帯と拡大し続ける一方で、リアルタイム視聴率や録画率といった新しい基準も生まれ、環境の激変に制作現場は日々対応を迫られております。ですが、視聴環境がどれだけ変化しようが、面白いものを生み出そうとする冒険心をもったプロデューサーが存在しコンテンツを創造しない限り、テレビもネットも所詮、窓枠に過ぎないと思っております。今こそ、テレビ創世の時代から多くの先輩達が抱き続けているフロンティア精神を若い世代に受け継いでテレビ業界の覚醒の為、協会に貢献していければと思っております。
1982年に電通に入社し、主にテレビ関連の仕事に従事して来ました。現在は映画関連事業を担当しております。
広告会社の仕事は、クライアントの皆様に向けて課題解決の施策を提供することを生業としています。
海外展開、デジタル配信、官民協働等、映像事業者やプロデューサーの皆様の関心が高い領域にて、少しでもお役に立てる様努力したいと存じます。諸先輩の皆様の一層のご指導ご教示を賜ります様よろしくお願い申し上げます。
日本における邦画マーケットの拡大に伴って、ハリウッドメジャーが競うように邦画製作を始めてから、早6年。今回、日本映画テレビプロデューサー協会の理事にご指名いただき、ワーナー・ブラザース映画で邦画を作る身としては、オーストラリアで育てられた「和牛」が日本に帰ってきて、図らずも「国産牛」扱いになった気分でしょうか。杉田会長に煮ても焼いても食えないよ、と言われないように尽力して参りたいと存じます。
映画、テレビの制作を通じて、20年あまり映像を創るという仕事に携わってきました。モットーという訳ではございませんが、〝やれば面白い〟嗅覚でやってきたような気がします。諸先輩方の輝かしい道のりを学びながら、これからの映像文化を後輩たちにも面白いと思ってもらえるような活動をすべく、微力ながら頑張ります。宜しくお願い致します。
はじまして、日活の永山と申します。
日活では企画グループに所属し、主に映画、ドラマの企画・製作を行っております。
この度、新たに理事として協会の運営に携わることになりました。
皆様に色々とご指導を賜りながら、協会の更なる発展に努めて参りたいと思いますのでよろしくお願い致します。
先日、NHKエンタープライズのドラマ部長へ異動となり、同時に今回理事を拝命しました。この5年間、大河「龍馬伝」朝ドラ「梅ちゃん先生」と、2年単位でひとつの作品を制作するという仕事をしてきたので、急に多彩な現代ドラマや時代劇のシリーズをかかえて脳の容量をオーバーしている状態です。この両輪を常に抱えているのはある意味ぜいたくなこと。その多彩さを武器に、協会の仕事に参加していければと思っています。
TBSテレビ植田と申します。
現在九月公開の、映画ATARUの撮影と十一月公開のSPECと、その他、もろもろ、細かい仕事をやっております。
プロデューサーと名乗るには、まだまだ、道半ば。半人前と言いますか四分の一人前ぐらいの若輩者であり、役員などとは畏れ多い気持ちでいっぱいですが、学生時代、憧れていた作品をおつくりになられた先輩プロデューサーの皆様のお話を伺うのを楽しみに、精一杯、やれることをやらせていただきます。よろしくご指導ご鞭撻くださいませ。
テレビ東京のドラマ制作室は6/21から編成局ドラマ制作部に組織変更しました。来年には開局50周年も迎えます。皆様の力をお借りして、存在感のあるチームに成長していきたいと思います。何はともあれ、やはり視聴率が欲しいです。よろしくお願いいたします!
当協会のHPには最初に「日本文化の向上を目指します」とあります。交通・通信技術の爆発的向上により、世界は驚異的速度で近くなっています。協会が発足して半世紀以上。これまで多くの文化が流入し影響を与え、日本の映像文化は熟成してきました。そして今、先達が作り上げた文化は世界に影響を与えています。世界で唯一の【日本の映像文化】を育成し、未来に向け発展させるべく、若輩者ではありますが、微力を尽くします。
歴史ある〈協会〉の理事を〈新鮮な気持〉でおつとめさせていただき…そして、この機会にもう一度〈プロデューサー〉とは何か…ゆっくりと、静かに考えてみたいと思います。
今回で二度目の理事就任となりました。これまで40年余りテレビ番組の企画制作の仕事に携わって参りましたが、現在、本年2月にシンガポールで放送をスタートした、JFCTV(Hello!Japan)の日本法人に籍を置いております。日本のコンテンツの海外進出は他国に比べ、かなり遅れをとっていると言われています。アジア各国を始め、世界に向け、日本のコンテンツの海外発信を通じて、少しでも協会並びに会員の皆様のお役に立てればと存じます。どうぞよろしくお願い致します。
日本テレビ 秋のスペシャルドラマ 「人生がときめく片づけの魔法」の現場
はじめまして、高と申します! 今秋放送のスペシャルドラマ「人生がときめく片づけの魔法」をプロデュースしています。長いタイトルですいません。なかなか良い略し方が見つからず、現場でもタイトルをフルで言い合っています。「人生がときめく片づけの魔法、休憩はいります」「もしもし、人生がときめく片づけの魔法の者ですが…」良い略し方あったら、是非、教えて下さい!
そんなこんなで、梅雨シーズン、天候に左右されながら、ただ今撮影中です!
このドラマは、累計167万部を売り上げたベストセラー実用書「人生がときめく片づけの魔法」を原案とした完全オリジナルストーリーです。
主演は、仲間由紀恵さん! 片づけのプロと自称する不思議な女性が、女性の部屋を片づけることで、悩みごと一切を解決してしまう、ちょっと変わった人間ドラマです。
主人公、片づけのプロ・乗田磨輝子(通称・のりまきさん)を演じるのが、仲間由紀恵さん。全身真っ白な衣裳に身を包んで、役柄が持つ、独特で不思議な魅力を十二分に醸し出しています。そして、その会社に片づけを依頼する、片づけられない悩める女・二子玉川 薫(ふたこたまがわ かおる)を夏菜さん。さらに、のりまきさんを全面サポートする片づけ社唯一の社員・筑波 努(通称・つっくん)を速水もこみちさんが演じています! その他にも、ゴミ屋敷に住む一癖あるおばあちゃん役に倍賞美津子さん、そのお隣さんにベンガルさん、薫の恋の相手役に福士誠治さんなど、素敵なキャストの方々が揃いました!
現場は常に明るい雰囲気で撮影が進んでおります。セットでは、片づけられない女の部屋がリアルに再現されており、そのため、スタッフさえも足の踏み場がない状態! 撮影自体がものすごく大変です! 前後の画のつながりもあるので、効率を考えると順撮りが一番ということで、できるだけ台本どおりの流れで撮影を進めております。それでも、モノの多さに美術スタッフは四苦八苦! 汗と涙がにじんだ、最高に散らかった部屋が出来上がりました。ドラマの中では〝部屋を片づけること〟がメインなのですが、現場では、〝部屋を散らかすこと〟こそがメインイベントなのです! O.A.では、その点も含めてお楽しみ下さい!
原案を知っている方からも、知らない方からも、どんなドラマになるのかまったく見当がつかない! と、よく言われます。…その通り! 間違いなく異色ドラマになっています。脚本は「名前をなくした女神」などを手掛けた渡辺千穂さん、演出は、映画「ガッチャマン」の監督・佐藤東弥。もう面白くなるイメージしか浮かびません! どのような仕上がりになるのか、秋の放送を今から楽しみにしていて下さい!
今年もアウォードのための投票をお願いすることになりました。
協会報に同封されたハガキに投票し、締切までにぜひご返送下さい。
「2014年度協会会員手帳」の編集が始まります。
掲載事項変更希望の方は8月末日までに事務局へご連絡下さい。
一般社団法人 映画産業団体連合会が毎年開催する「映画の日」では永年勤続功労表彰行事が行われます。
表彰者の資格は原則として直接映画関連事業に関与され40年以上勤務し(1973年12月1日以前より従事)現在もなお現役として活躍されている方です。自薦、他薦を問いませんので該当される方は協会へお知らせ願います。ご本人に指定の調書を作成していただき当協会より資格審査会に提出し表彰が決定されます。
当協会への調書提出の締切は平成25年8月20日です。