第41回通常会員総会にあたって一言ご挨拶申し上げます。
2年前に会長に就任したときのことを思い出しています。そのときには、映像コンテンツを巡る変革の大きな波がじわじわと近づいてくるのを感じる、そんな印象でした。4K8K、ネット配信、テレビからスマホへ、などです。今年になってみると、たった2年で私たちはすっかり変革の波に飲み込まれてしまったと感じざるを得ません。
今月、アメリカのアマゾンから、ストリーミング機能を内蔵した43インチの4Kスマートテレビが売り出されましたが、驚くべきはその価格が、たった500ドル(約5万円)だということでした。さすがにアマゾンと思っていたら、日本でもドン・キホーテが50インチの4Kテレビを5万5千円で発売したところ、初回生産分3000台が1週間で完売したそうです。
まもなく4Kテレビが世界を席巻する日が来そうですが、アメリカでは、ケーブルテレビからネット配信に切り替える人がどんどん出てきているとのことです。3大ネットワークをはじめ、ほとんどどのチャンネルもネットで配信されるようになったので、ある意味当然かもしれません。まさにテレビ放送が「溶解している」と言っていい。ヨーロッパはまだテレビ放送とネット配信とが共存しているようですが。
さて日本はどうなるでしょうか? この一年、相次いで始まった動画配信事業はどこまで広がっていくのか? それが映像コンテンツの制作現場にどんな影響を与えていくのか、しっかり注視していく必要があります。昨年、日本映画界は活況を呈しました。年間興行収入は2000年代に入ってからの過去最高である約2356億円を記録し、観客動員数は1974年以来42年ぶりになる1億8000万人台に達しました。要因は一言では言えませんが、大ヒットした「君の名は。」や「シン・ゴジラ」について言えば、アニメで培われた強力な個性と、アニメの枠を超えた企画力とのコラボレーションがありました。
新しい出会いが、新しい作品を生んでいきます。今年度も映像コンテンツの世界では、様々な新しい出会いがあり、様々な新しい作品を生んでいくでしょう。変革の波が私たちをどこへ運んでいくのかはわかりませんが、押し寄せる波に乗りながら、それぞれの分野で力強いコンテンツを作っていきたいものです。
当協会も、一人一人のプロデューサーの刺激になるような活動を展開し、新たなコンテンツ作りへの一助となっていきたいと思います。今後も会員の皆様のご協力をよろしくお願いします。
ちょうど30年前に日本テレビに入社し、映画やアニメを担当し、その後長きにわたりドラマ制作に携わってまいりました。この度、23年ぶりに映画事業部に戻ったタイミングで協会の理事を拝命させていただくこと、大変光栄に思います。業界の未来のために少しでもお役に立てるよう一生懸命頑張ります。よろしくお願いいたします。
過去、アクターズスクールのお手伝いをした時のことです。若い役者の生き生きとした目と、原石的な存在感が刺激的で、心を新たにした記憶があります。新しい価値の創造や国際的な発信等、諸先輩方にご教示頂きながら、協会の一助になるべく、出来ることから取り組んでいきたいと思います。宜しくお願い致します。
歴史あるプロデューサー協会の理事を拝命し、重みを感じております。 NEPドラマ番組は、伝統的に「テレビ時代劇」に力を入れてきましたが、今は「現代物」や「ファンタジー」など、幅広いジャンルに挑戦しています。 また個人的にも、理事の一人として、日本の放送文化に少しでも貢献できるよう、精進に努めたいと思います。引き続きご指導ご鞭撻を、宜しくお願いいたします。
この度、常務理事を拝命しました鈴木雅之です。私はこれまでドラマ、映画の演出を生業に生きてきたので、大いに不慣れなことは否めませんが、なんとか頑張ろうと思っております。ご迷惑を掛けることもあるかもしれませんが、宜しくお願い致します。
プロデューサー協会に入り30有余年となりますが、フィルムのデジタル化、テレビの4K・8Kと映像コンテンツなど急速な進歩・多様化が顕著です。 今回、先輩のお奨めにより理事となり、少しでも協会の活動、会員の皆様のお役に立てればと思っておりますので、宜しくお願い致します。
歴史ある協会の理事を拝命し、大変光栄です。 ドラマや映画が大好きでテレビ局に入社したのが25年前でした。それから音楽番組・バラエティー・編成…と様々な部署を経験したのですが、なぜかドラマや映画には縁がなく、寂しい思いと一種の諦観をもっておりましたところ、念願かなって映画の世界に来ることが出来たのが4年前、現在はドラマ制作を担当しております。 理事・監事の皆様のお名前を拝見し、身の引き締まる思いです。若輩者ではございますが、協会の発展に貢献できるよう努力してまいりますので、宜しくご指導のほどお願い申し上げます。
ドラマ制作の道に入って28年目、プロデューサーになって11年目ですが、ほぼ協会には何の貢献もせずに過ごして参りました。そんな私が理事を拝命し、これも「お前、いいかげんにしろよ!」という天からのお叱りかと思っております。諸先輩の築かれた伝統を汚すことなく、微力ながら末席にて手伝わせていただければと思います。ご指導のほど、よろしくお願いいたします。
出戻り理事ですみません。vipoと検索してみて下さい。そこからndjcを開いて下さい。12年目の監督育成事業です。昨年のアクターズセミナーでは6名がキャスティングされています。私はVIPOに来て2年目になりますが、協会との接点があまりに多いので今後も積極的にコラボして業界を盛り上げたいと思っております。今必要なのは業界スタッフの育成です。協会会員同様、若者が業界に来ません。人が財産の職場です。この歴史あるプロデューサー協会が声を大にして若者に呼びかけ映像業界を牽引していきましょう。
松竹の吉田です。まことに微力でございますが諸先輩Prの皆様の助言、ご協力をあおぎ業務に邁進できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
NHK広報局 篠原 圭
6月26日、プロデューサーズ・カフェ(Pカフェ)を開催しました。今回のゲストは、平均視聴率16・6%をあげた大河ドラマ「真田丸」の制作統括で、現NHKエンタープライズ・エグゼクティブディレクター吉川邦夫さんです。もう一人の制作統括・屋敷陽太郎さんとの対談を予定していましたが業務の都合で屋敷さんは参加できず、吉川さんにお話をうかがいました。
吉川さんは大河ドラマに参加するのは7作目。「真田丸」は、放送の3年前、屋敷さんと二人で三谷幸喜さんと組み、開発がスタートしました。実はそれ以前、吉川さんは「新選組!」が終わった後、三谷幸喜さんからのメールを覚えていました。「ようやく描き方が分かった気がする。ぜひもう一度やりたい。やっぱり真田丸かな」新しい風を吹かせるのではなく、子どもの頃に自分を歴史ドラマ好きにさせてくれた大河を!という原点回帰を指向しました。戦国の本格的な家族ドラマにするため、登場人物を「英雄」にせず視聴者が等身大の目線で見られることを重視しました。親族間でも殺しあうのが普通だった戦国時代、敵味方に別れても助け合った真田一家は異色で、「家族の為だった」と解釈すれば自然だという視点で真田家を描きました。「アバンなし」「ナレーション有」というのも80年代以前の旧来の大河の語り口にこだわりました。
制作陣は、三谷さんに付いて脚本を担当した吉川さん(第4話演出も)と、屋敷さん制作統括二人のほか、PR担当、キャスティング・スケジュール担当、日本各地の「ご当地」担当の計五人を配し分厚い布陣で臨みました。制作する過程では、考証の先生方の意見を最大限尊重しつつ、作家と考証の間の「通訳」としても吉川さんが活躍しました。PRも、視聴者の満足を考慮し事前情報を抑え、「扮装でのPR出演控える」等を徹底しました。広報・広報制作・事業の組織を横断し、ご当地の地域イベント充実、記者の自由度を上げる、等を図りました。今回も、VIPO(映像産業振興機構)のご協力をいただきました。場所をお借りし来場者も募り、計43名が参加しました。アニメやCGクリエイター、LINE、大学、音楽関係の方々も参加し、質問も制限時間を超えるなど、熱気にあふれたPカフェとなりました。
近代映画協会 新藤 次郎
里中哲夫さんが亡くなりました。プロデューサー協会事務局長でありましたが私にとっては近代映画協会の同志でした。昨年初めに肺ガンが発見され、良い医者に出会い治療を尽くしてもらいましたがご家族に見守られながら5月22日に永眠しました。自分で予期していたのかノートに葬儀などの事を書き遺しており、本人希望に沿って家族葬でおくりました。ノートには「楽しく有意義で幸せな人生を過ごすことができました 皆様もお元気で…」と遺しております。鹿児島男児らしい潔さが見えて胸に応えました。
彼が映画を志し明治大学在学中に「野麦峠」「野生の証明」の製作助手に就いたのが始まりのようで、その後直ぐに近代映画協会で「看護婦のオヤジがんばる」製作助手を経て1981年に社員となり、親子映画や「地平線」の製作担当を勤め、「病院で死ぬということ」で映画初プロデュースし、市川準組を続けてプロデュースしました。中々ハードな現場で私も立会いましたが35ミリ1000フィートロールがロールアウトするのです、それも毎カットです。よく現場を支えたと思います。テレビドラマでは「土曜ワイド劇場」をはじめ殆どの局で仕事をし、仕事以外ではNPO法人「わんぱくクラブ育成会」を創立し理事長を務め、平成20年にはキワニス社会公益賞を授賞しております。活動の事は折々聞いておりましたが理事長である事、授賞した事などは亡くなった後に知る事になり、近くに居りながら何も知らなかった事に愕然としました。ノートには、「好きな映画を仕事とし、酒と煙草を愛し、知り合う事のできた人々に支えられ人生を全うした」とあります。会員各位には生前のご愛顧に感謝いたします。
木曜ミステリー『遺留捜査』
「刑事ドラマ」と呼ばれる作品のゴールは、犯人を暴き出し、事件を解決する事にある。現在、数多の刑事ドラマが制作され、その内容は実にバラエティに富んでいるが、アプローチこそ違うものの「事件解決がゴール」という鉄則は共通している。
そんな中で「遺留捜査」はその鉄則から外れている数少ない「刑事ドラマ」だ。
上川隆也さん演じる糸村刑事は、事件現場に残された遺留品にただならぬ執着を示し、徹底的に追う。そして事件解決への大きなヒントをもたらしながらも、彼はそこで満足しない。遺留品に残された被害者らの声を伝え、残された人々の心を救う事こそがゴールなのだ。それを番組のコンセプトとして、2011年より第1シリーズを制作。上川さんには見事なお芝居で、天然なのか天才なのか、掴みどころのない糸村というキャラクターに芯を通して頂き、愛される存在に作りあげて頂いた。ラスト3分間の、遺留品の真相を語るその顔は、見るものを全て包み込む優しさがある。そんな部分が視聴者の皆様にもご支持頂き、お陰様でこの夏、第4シリーズをスタートさせることが出来たのだと思う。
今シリーズの最も大きな変更点は、舞台を「京都」に移した事にある。下町の風情が漂う月島は、人の気持ちに寄り添う糸村の活躍の場としてハマっていたが、旅情漂う古都での糸村の姿は、これまたしっくり来る。もちろん、撮影も京都で行われるわけで、スタッフもどこか昔気質というか、職人風。チームというより「一家」として、皆で作品をじっくりと作っていこうという雰囲気がある。そういう部分も含め、京都×遺留捜査が化学反応を起こしていく事に期待している。
そしてさらに楽しみなのが、糸村を取り巻く新たな仲間たちの存在。特別捜査対策室、通称「特対」と呼ばれる京都府警の精鋭チームの面々だ。栗山千明さん、段田安則さん、戸田恵子さん、永井大さんという錚々たる実力派俳優達に集結して頂いた。本部の精鋭チームだけあって、その捜査に隙は無く、動きはシャープ。だがその奥に秘めるハートは熱い。だからこそ糸村の奇異な行動はより際立つし、時に彼の行動を深く理解する事が出来る。メンバーが一堂に会しての初撮影の際、最初のドライからビタっとそのイメージを再現して頂けた。これから撮影を重ねれば、そのイメージを超えてくる事は間違いない。糸村×新チームの化学反応にも大いに期待したい。新たな遺留捜査の姿に是非、ご注目ください。
今年もアウォードのための投票をお願いすることになりました。 協会報に同封されたハガキに投票し、締切までにぜひご返送下さい。
一般社団法人 映画産業団体連合会が毎年開催する「映画の日」では永年勤続功労表彰行事が行われます。
表彰者の資格は原則として直接映画関連事業に関与され40年以上勤務し(1977年12月1日以前より従事)現在もなお現役として活躍されている方です。自薦、他薦を問いませんので該当される方は協会へお知らせ願います。ご本人に指定の調書を作成していただき当協会より資格審査会に提出し表彰が決定されます。当協会への調書提出の締切は8月20日です。
「2018年度協会会員手帳」の編集が始まります。掲載事項変更希望の方は8月末日までに事務局へご連絡下さい。