2018年2月1日(木)、第42回エランドール賞が行われました。
毎年、各局が交代で幹事社を務める中、本年度はNTVが幹事を務めさせていただくことになりました。
昨年のNHKのご担当者からのご指導や、過去ご担当された皆様から引き継がせていただいた進行台本のおかげで、本年も大盛況の中、無事に授賞式を運営することが出来ました。
昨年に引き続きたくさんの一般入場者の方々や、映画・テレビに関わる多くの方々が会場を彩る中、NTVアナウンサー郡司恭子が司会を務めさせていただき、18時30分よりついに開演。
当協会の木田会長、文化庁文化部芸術文化課の江崎典宏様からご挨拶をいただき、そして日本映画放送株式会社の杉田成道社長のご発声で乾杯へと進み、しばしの歓談をはさんだ後に、プロデューサー賞の授賞式となりました。
本年度映画部門のプロデューサー賞は「三度目の殺人」を制作されたフジテレビ松崎薫さんが受賞されました。お祝いには是枝裕和監督が駆けつけ、松崎さんの受賞に素敵なコメントをいただきました。
奨励賞では「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」から日本テレビ北島直明さん、ロボット小出真佐樹さんが受賞。
そしてテレビドラマ部門プロデューサー賞は「カルテット」が受賞。TBS土井裕泰さん、佐野亜裕美さんにご登壇いただきました。お祝いには自身も今年エランドール賞新人賞を受賞された吉岡里帆さんが駆けつけ場内からは歓声があがりました。奨励賞は「ひよっこ」の制作を担当した菓子浩さん、「奥様は、取り扱い注意」の制作を担当した枝見洋子さんの2名が受賞。菓子さんには「ひよっこ」にご出演された木村佳乃さんがお越しくださり温かい言葉で受賞をお祝いし、枝見さんには「奥様は、取り扱い注意」で主人公を演じていた綾瀬はるかさんがお祝いに駆けつけ、場内を更に賑わせることとなりました。
続いて、本年度の特別賞ですが、今年は2作品の制作チームが受賞。一組目の受賞はNHK「精霊の守り人」制作チーム、二組目はテレビ朝日「やすらぎの郷」制作チームが受賞しました。「精霊の守り人」チームへのお祝いプレゼンターとして、綾瀬はるかさんが再びの登壇。場内からはまたも大きな拍手が送られ、会場のボルテージはその後の新人賞に向け、大きく上がることとなりました。
アクターズセミナー受賞者の紹介では、小出薫さん、鈴木勝大さん、百瀬美鈴さん、谷口翔太さん、唯月ふうかさんが登壇(真凛さんは欠席)。皆様からセンターマイクで今後のお芝居に対する思いを強い言葉に乗せてご挨拶いただきました。セミナー賞の皆さんには、授賞式の舞台進行のお手伝い、さらにマイクアレンジや福引など多くのご助力をいただきました。本当にありがとうございました。
そしていよいよ、第42回エランドール賞新人賞の授賞式。
高橋一生さん、門脇麦さん、竹内涼真さん、杉咲花さん、ムロツヨシさん、吉岡里帆さんという、現在の映像界の中心を担い、そして今後も間違いなく担い続ける素晴らしき6名にご登壇いただきました。
それぞれの受賞者がご紹介と同時に登壇する度に、大きな拍手と歓声が沸き、そして皆様が受賞に対して壇の中心で力強くそれぞれの想いをご挨拶いただきました。本年度の受賞者の方々に共通していた言葉は「感謝」でした。ご自身を支えてくれた人々に、これまで苦楽を共にした方々に、一緒に作品を作り上げてきた制作者たちに、温かな感謝の言葉を述べ、時には涙を流す方もいながら、受賞の喜びを伝えてくださいました。
そして新人賞の皆様には大変豪華なお祝いのゲストが。トップバッターの高橋一生さんには「おんな城主直虎」で共演されていた柴咲コウさんがお祝いに駆けつけ、場内からは更なる大歓声が。続いての門脇麦さんにはドラマ「悦ちゃん」で悦子役を演じていた平尾菜々花さんが可愛らしさに溢れたお祝いのコメントを、さらに竹内涼真さんには「陸王」で演出を務めた福澤克雄さんが力強く竹内さんのお芝居を絶賛されました。4人目の杉咲花さんには「メアリと魔女の花」の西村義明プロデューサーがお祝いに駆けつけ、さらにムロツヨシさんにはムロさんご本人のご挨拶の時にも感謝の言葉を向けられていた福田雄一監督がお祝いに。そして最後の吉岡里帆さんにはドラマ「ごめん、愛してる」の脚本を務められた浅野妙子さんが吉岡さんの今後の役者人生に強い応援の言葉を語られ、場内は感動に包まれました。
最後のフォトセッションで改めて6名の受賞者の方々が並んだ光景の輝かしさは本当に感動的で、場内の方々も改めての歓声と拍手でお祝いをしておりました。
おかげさまで本年度幹事社として大きな滞りもなく、授賞式を執り行うことが出来ましたが、これは偏に協会事務局の皆様や、エランドール委員の皆様、そして当日アテンドを担当して下さった各社の皆様のおかげであると心より感謝を申し上げたいと思います。さらに、末尾になりますが会場としてご協力をいただいた京王プラザのご担当者の方々や照明、音響のご協力をくださった皆様にも改めての御礼を申し上げたいと思います。皆々様、本当にありがとうございました。
『隣の家族は青く見える』
コーポラティブハウスの友人の新築祝いに行った時に、「隣の家族は青く見える」の軸が見つかった! と、思いました。みなさんも経験したことがあると思いますが『新しいこと』をひらめいた気分になりました。今回と同じくオリジナル企画である「ラスト・シンデレラ」を一緒に創った脚本家の中谷まゆみさんといつか妊活をテーマにしたドラマをやりたいと話し始めてから3年以上が経っていました。年代のせいなのか、周囲に妊活している夫婦が増え、調べていく中で自分の想像以上に実際に不妊治療をしている方が多いことを知りました。デリケートで、重くなりがちなテーマですが、なるべく暗くならない為にはどうすれば良いのか? 糸口を探しているときに見つけたのが、様々な家族がひとつ屋根の下に共同で住むコーポラティブハウスです。お蔭で、多様な家族の在り方を描けていると思います。
ただいま、絶賛撮影中ですが、主演の深田恭子さんや、松山ケンイチさんを始め、本当に役に憑依というか寄り添ってもらえているので、普段もドラマの中の登場人物と話しているように感じます。先日のOA(第3話/2月1日放送分)の編集では、深田さんと松山さんの夫婦のシーンで、はじめてオフラインを見た時に心がえぐられて涙を流してしまいました。いつもは、プロデューサーとして客観的に観るように心がけているので、本当に初めての体験でした。本当にこの夫婦には幸せになって欲しいと願いました。その幸せとは何かを見つけるのが、このドラマの追求するテーマでもあります。
脇を固める役者の方々も、役になりきってくれているし、芝居の上手な役者さん達なので、毎回、編集を見るのが楽しみです。松山ケンイチさんのお母さん役を務める高畑淳子さんの芝居も、やはり圧巻で、現場でも役柄そのままに、ムードメーカーなので、和ませてもらっています。他の役者陣もチャレンジングな内容ながら、とても楽しみながら取り組んでくれています。それが、画面から伝わっていくと嬉しいですね。視聴者の方に配役が絶妙とお褒めいただいて、プロデューサー冥利に尽きる作品になっています。
子供をもつ、もたない、多様な考え方や選択があって、それぞれの家族の在り方を模索していく。この物語は、究極のラブストーリーでもあると思っています。皆さんにも、自分の家族?隣の家族?ごとのように感じながら観て頂きたい作品となっています。
今を遡ること30数年前の10月1日、半年間の新人研修を終えた私は一着しか持っていないスーツを着て、配属先の東映東京撮影所の門をくぐりました。それがどんなところなのか、見当もつかないままに。かつて名進行主任だったという撮影所長代理はかなりやんちゃな感じの人で、今は仕事無いからしばらくテレビプロに行ってくれやと言い、言われるままテレビプロに行くと、そしたら「特捜最前線」の進行助手の助手をやってもらうから、明日朝6時にズック履いて来い、と。
こうして私の撮影所生活が始まりました。半分笑い話ですが、当時の新人は三つに分類されました。「自主映画上がり」「芝居崩れ」「撮影所育ち」の三つです。語弊があると思いますが、当時の表現のままでお許しください。自主映画にも芝居にも縁がなかった私は必然、「撮影所育ち」となるのですが、この言葉からは撮影所が人を育てる場所だったことが想像できます。私が「育った」かどうかはおくとして、「背広着なくていいのなら」などというアホな理由で会社を選んだ幼稚な学生だった私が、曲がりなりにも長く社会人でいられたのは、撮影所が広い気持ちで私を受け入れてくれたからであり、私も撮影所の「撮影所臭さ」を愛したからに他なりません。この「撮影所臭さ」というのは、その場所で作られた幾多の作品に費やされた、莫大なエネルギーや、気持ちや、知恵や、「映画の神様」の仕業や、果ては現場の与太話までもが、建物や土地の深くにまで浸みて、かつ、現在そこにいるキャラ豊かな実に多様な人々を通して漂ってくるもの、そんな風に感じます。
時を経て、勤務地は本社となり、さらにテレビに異動して東京撮影所にいる時間は激減しましたが、今度は京都撮影所での仕事が増えました。京都はなかなかタフな仕事相手ですが、そこには忘れかけていた、かの「撮影所臭さ」が残っていました。しかもかなり濃密に。私はまるで仔犬のように、そこここを嗅ぎまわったものです。なんという幸せ...。
撮影所を維持するため膨大な資本が投下されていることは知っていますが、あえて無邪気に、撮影所が永遠に存続することを願います。感謝を込めて。
元東宝プロデューサーの貝山知弘氏(功労グループ)は去る1月7日逝去されました。84歳でした。
ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。
現理事で元事務局長(H15年~H21年)の熊谷健氏(放映新社・功労グループ)は去る1月27日に逝去されました。80歳でした。
長きにわたり協会運営にご尽力いただきました。ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。
《日時》平成30年5月12日(土曜)
《場所》越生ゴルフクラブ
《会費》23,000円予定(プレー費、パーティー費、賞品代含む)
《締切》4月21日(土曜)事務局必着
※初めて参加される方は事務局までご連絡下さい。
一般社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会
親睦委員会 電話/03-5338-1235