No.517 2024年 9月号
国際ドラマフェスティバルinTOKYOと東京ドラマアウォード
副会長国際ドラマフェスティバル
エグゼクティブプロデューサー 香月 純一
国際ドラマフェスティバルin TOKYOの東京ドラマアウォードを担当しています香月純一です。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。国際ドラマフェスティバルin TOKYOは、日本ドラマの海外発信を目的とした、日本初の国際的なドラマ祭で2007年から開催されています。主催は民間放送連盟、NHK、映画・ドラマ制作者、実演家団体などで構成する「国際ドラマフェスティバルin TOKYO実行委員会」で言わば“オールジャパン”の体制です。
韓国や中国のドラマ作品は日本をはじめアジア各国で盛んに放送され多くの視聴者を獲得しています。その背景にはアジア各国がテレビ番組に対する援助を行うとともに、この種の国際コンテストやアウォードを展開し、コンテンツ流通の促進を図っていることがあり、この面では日本は大きく出遅れています。逆に言えば、まだまだ“伸びしろ”があります。 国際ドラマフェスティバルを契機として日本テレビの「マザー」「WOMAN」はトルコでリメイクされ大ヒットしました。またTBSの「愛していると言ってくれ」「最愛」も韓国でリメイクされています。さらに昨秋のベネツィア国際映画祭で濱口竜介監督「悪は存在しない」が銀獅子賞を受賞、今年のアカデミー賞では「ゴジラ−1.0」が視覚効果賞を、「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞、カンヌ国際映画祭では山中瑤子監督「ナムビアの砂漠」が国際批評家連盟賞を受賞、またスタジオ・ジブリが名誉パルムドールを受賞するなど日本発のコンテンツへの注目度はますます高くなっています。
第2回となる「国際ドラマフェスティバルin TOKYO 2008」からドラマ賞である「東京ドラマアウォード」が創設され、この賞の授賞式が本フェスティバルのメインイベントとなっています。国内の優れた作品を表彰しますが、この賞は従来のテレビ番組の賞とは異なり、世界各国での市場性や商業性に評価基準を置いたものになっています。そしてもう一つの特徴がドラマ制作者自らが選ぶ賞であることです。第一次審査は当協会の会員のみなさまの投票の結果を反映します。第二次審査も民放各局とNHKのプロデューサーが中心です。またローカルドラマ賞に関しては、当協会の選抜メンバーが審査にあたります。
私は数年前から「東京ドラマアウォード」の選考に関わっていますが、各局の選考委員のみなさんが自局のドラマだけでなく他局のドラマも大変よく視聴し、またフェアに評価していることに感銘を覚えました。今年の授賞式は10月28日に予定されています。より「世界に売れる、売りたいドラマ」を選んでいきたいと考えます。ぜひご注目ください。よろしくお願いいたします。
アクターズセミナー
本年度、若手俳優の登竜門「アクターズセミナー賞選定オーディション」2024開催のご案内です。
10月4日金曜日三井不動産様ご協力のもと、東京ミッドタウン日比谷にて奥田誠治会長を審査委員長とし各社審査員、映像産業振興機構(VIPO)「ndjc若手映画作家育成プロジェクト」の若手監督ならび各担当プロデューサーによるオーディションが決定しました。今回のワークショップは、映画監督中田秀夫さんをお呼びしての開催です。
昨年は多くの応募があり、河毛俊作監督の厳しいワークショップやエランドール賞での表彰ならびアクターズセミナー参加者の中から「ndjc若手映画作家育成プロジェクト」作品に出演するなどして評価を受けました。今年も多くの応募者が出ることを期待しております。
アクターズセミナーの最大の売りは、若手俳優たちが映画・テレビドラマの監督・プロデューサーと直接対話し、自分を売り込むことが出来るイベントだということです。監督・プロデューサーたちが俳優にどのような考えを持っているか、どのようにキャスティングしているかを若手俳優自身が肌で感じることができ、自分がどのように監督・プロデューサーから見られたかを認識し、俳優とは何かを感じとる場になると思われます。勿論、監督・プロデューサーにとっても魅力ある若手俳優の発掘の場でもあります。
開催にあたり、審査員のご選出ならび協会員皆様の温かいご支援ご協力をお願い申し上げます。
第49期プロデューサー協会 各委員会始動
各社の人事異動もあり、委員会メンバーの一部差し替えがありました。
今後とも、会員の皆様のご協力、お引き立てをよろしくお願いします。
(事務局)
◆委員会役員
◎組織強化・事業開発委員会(13名)
委員長
奥田誠治(松竹)
副委員長
香月純一(東映衛星放送)
若泉久朗(KADOKAWA)
松崎 薫(フジテレビジョン)
那須田淳(TBSテレビ)
藤澤浩一(日本放送協会)
◎会報委員会(10名)
委員長
木下真梨子(テレビ東京)
副委員長
香月純一(東映衛星放送)
◎著作権委員会(3名)
委員長
藤澤浩一(日本放送協会)
◎総務委員会(3名)
委員長
遠藤理史(日本放送協会)
副委員長
富山省吾(日本映画大学)
◎親睦委員会(5名)
委員長
髙橋信仁(フリープロデューサー〈松竹〉)
副委員長
山本秀人(NHK出版)
◎デジタル編集委員会(12名)
委員長
遠藤 学(東宝)
副委員長
山本敏彦(NHKエンタープライズ)
◎エランドール賞委員会(20名)
委員長
菓子 浩(日本放送協会)
◎セミナー・カフェ委員会(9名)
委員長
髙橋 練(NHKエンタープライズ)
◎アクターズセミナー委員会(11名)
委員長
椿 宜和(KADOKAWA)
只今撮影中
仮面ライダーガヴ
テレビ朝日 コンテンツ編成局 ストーリー制作部
芝高 啓介今度の「仮面ライダーガヴ」はお菓子の仮面ライダーです! 仮面ライダーシリーズは1971年に最初の「仮面ライダー」からスタートし、テレビ朝日で「仮面ライダークウガ」が放送開始した2000年から数えると24年、毎年新しいキャストとストーリーで1年かけて放送し、毎週日曜の朝を守り続けています。
9月から始まった「仮面ライダーガヴ」は、異世界から来た青年・ショウマがお菓子を食べて生まれる小さなモンスターの力で仮面ライダーに変身して戦います。
食べるお菓子によって多種多様に姿が変わり、グミフォームに始まりポテトチップスやチョコ、マシュマロにキャンディと、子供たちが大好きなお菓子の姿に次々と変身し、ポップな見た目でハードなバトルを繰り広げます!
文字で書くと荒唐無稽にも受け止められかねないですが、アクションチーム、特撮チーム、CGチーム、プロップなどなど通常のドラマ以上にさまざまなスタッフの力が合わさり、世界観に奥行きを与え、「お約束」というものが通用しないシビアなお子様たちに最後まで視聴し続けてもらうための仕掛けがこれでもかと詰め込まれた1話が出来上がります。
仮面ライダーでは新人キャストが主役を務め、ベテランのスタッフ陣に指導を受けながら、映画やステージショーなども含めると一年以上かかる作品に全力で向き合ってもらい、第1話と最終話では顔つきがガラリと変わる成長ぶりもこの作品の醍醐味の一つです。
変身ベルトをはじめとするグッズが放送開始と同時に展開されていくのも他のドラマにはない特徴であり、グッズを買った方はより世界観に没入していただき番組を見るのがより楽しんでもらえるよう日々アイディアを練っています。
仮面ライダークウガをリアルタイムで見ていた世代の私が当時を知るスタッフと肩を並べ仕事をすることは恐れ多いと共に身の引き締まる思いで、目まぐるしく変化していくこの時代において、あるべきヒーロー像を提示し、他方で「仮面ライダー」の持つ時代を超えても変わらないカッコよさを皆様にお届けするべく、ヒーローとは、仮面ライダーとはと日々模索しています。
カッコよくて楽しく面白い番組を目指してキャスト・スタッフ一同全力で取り組んでおります。
仮面ライダーガヴ、応援のほど何卒宜しくお願い致します!
私の新人時代
日本テレビ放送網 スタジオセンター 映画DIV
飯沼 伸之新人映画宣プロデビューをエッセイ風に。
1997年8月2日、今日は記念すべき日だ。初めて一人で宣伝を任されたイギリス映画の公開日である。緊張で寝付けないまま夜が明け、朝7時に映画館が集まる新宿コマ劇場前広場に来てしまった。既に気温は30℃を超え汗が流れ落ちてくる。公開初日は朝一番の上映から客入りを確認するのが通例で、9時上映開始まで映画館の入り口で入りの様子をじっと窺う。すると、広場に次から次へと人が集まってきた。 担当した作品は失業寸前の大学教授がネス湖の恐竜伝説の嘘を証明するために奔走し、夢と愛情を手に入れる心温まるファンタジー。ポスター・チラシを初めて作り、予告編では無理してCGロゴを使ってみたものの、マスコミ試写では入場者0名の日も。めげずに映画ライターらへの電話作戦を敢行、著名なエッセイストが試写に来場し、作品を褒めてくれたことも。後日間違えて観に来ていたことが判明するのだが。また、夏休み公開でもあり、子供向け恐竜お絵描きキャンペーンを企画したが、宛先の印刷ミスで応募は5通。運送代を浮かすために重たい本編プリントを自分で運んで腰痛にもなった。座席数133席の単館公開、宣伝費は全くなく、体で稼ぐ、初宣プロデビューだった。
多数の人波を前に、お金じゃない、一生懸命頑張れば、必ず報われることを証明した! と思った刹那、集まってきた人々は僕の目の前を通り過ぎ向かいの大手チェーン映画館に続々と並んでいく。彼らの目的は3週間前に封切られ、日本の興行記録を塗り替え社会現象となっている巨匠アニメーション監督の最新作だった。
初回観客動員数11人。自分の目で確認し、肩を落として映画館の表に出ると「飯沼さん!」と声をかけられた。予告屋さんと印刷所の社長がご家族で、ポスターデザイナーご夫妻、CG屋さんら仕事で関わった皆々が観に来てくれたのだ。
アニメ映画の主題歌のカウンターテナーが鳴り響く中、益々混雑していく人波を眺めていると、暑さで再び汗が噴き出してきた。その時ふと「映画を作ってみたいな」と思った。
事務局だより
◎正会員入会
三品 貴志(日本映画放送㈱)
槌谷 英孝(日本映画放送㈱)
小林 剛(㈱KADOKAWA)
◎退会
永富 康太郎(日本映画放送㈱))
石井 幸一(特別功労会員)
田中 収(功労会員・元東宝㈱)
◎訃報
瀬戸 恒雄(功労会員・元東映㈱ 2022年逝去、月日不明)
◎事務局長異動
退任 市川 哲夫(8月31日付)
就任 山本 秀人(9月1日付)
第77回 協会親睦ゴルフ会
《日時》2024年11月30日(土)
越生ゴルフクラブ
8時45分集合
イン9時スタート(5組予定)
《会費》20,000円予定
申込締切11/8(金)協会必着
インフォメーション
◎会議の記録
7月16日(火)17時~ 第1回会報委員会(オンライン)
7月24日(水)18時30分~ 第49期第1回定例理事会(東映本社8階会議室)
8月26日(月)17時~ 第2回会報委員会(オンライン)
8月27日(火)15時~ ドラマアウォードローカルドラマ賞審査(事務局)
9月3日 (火)15時 アクターズセミナー会場会議(リモート)
◎会合・会議の予定
9月18日(水) 18時30分〜 第49期第2回定例理事会(東映本社8階会議室)
9月24日(火) 17時〜 第3回会報委員会(リモート)