No.523 2025年 4月号
2025年 エランドール賞 新人賞 受賞コメント
(男性女性交互アイウエオ順)
高橋 文哉
この度はこのような歴史ある賞をいただき、ありがとうございます。
この場に立って、心が躍るような喜びと自分がここにいる不思議さに戸惑いながら話しているのですけれど、遡ると、お芝居の右も左も分からない状態から、芝居というものが自分の人生の生きがいになって、不思議と幸せを感じる5年間でした。そんな僕が今、ここに立っていられるのは、いつも応援してくださっている方、それぞれの作品に関わってくださった関係者の皆様、そして、高橋文哉という役者の名に興味を持って、一度でも考えたことのある方々のおかげです。心から感謝を申し上げたいと思います。これからは自分が演じる役、出演する作品で一人でも多くの人を救える役者になりたいなと思っております。
本日は誠にありがとうございます。
河合 優実
この度はこのような栄誉ある賞を本当にありがとうございます。
去年は本当に自分が心から大切に思える作品との出会いが続いて、自分にとってご褒美だと思えるようなそんな作品が放送、公開された後に多くの人に届いて、自分が想像もしていなかったような反応をいただき、すごく大きな渦に飲み込まれるような一年だったなと思います。デビューから数年は映画とのご縁が多くて、映画に育ててもらったという気持ちがあるし、色んなことを教えてもらったんですけれども、エランドール新人賞はテレビドラマも対象になっていますので、この賞は純子(TBS「不適切にもほどがある!」の役名)に捧げたいと思います。
水上 恒司
みなさん、こんばんは。水上恒司です。数年前にとある映画賞の式で新人賞をいただいた時に僕が崇拝している落合博満氏のお話をさせていただいたのですけれども、大いにスベリまして、先ほど色んな大人たちに止められて、それだけは絶対話すなと言われたので、割愛させていただきたいと思います。色んなものに対して、是正すべき、改善していかないといけない、これからの時代に沿ったものを作っていかないといけないと思っています。そういうものに関心だったり、目を向けて、実際に行動していけるような役者になりたいと思いつつ、とある映画賞の式でその時にも申し上げましたけれども、刹那と向き合えるような役者でいつまでも居続けたいと思っております。この賞をこれまで僕と関わってきた皆様に捧げたいと思います。おめでとうございます。ありがとうございます。
趣里
この度は歴史あるこのような素晴らしい賞をいただけて、光栄に思っております。
事務所の先輩の中村倫也さんがこのエランドール賞を受賞された時に「次は趣里だな」と言っているというのをちょっと聞きまして、その時から心に密かに目標として掲げていたので、今ここにこうして立っていられることを嬉しく思っております。いただく役柄のおかげなのか、とても強い人間だと思われることが多いのですけれども、実はそんなことはなくて、毎日、色々なことをグルグル考えてしまうタイプなんですが、その中で分かったことはエンターテイメントはどんな時代でも、どの時代にも、必要であること、そして一人で生きているのではなく、私は人とモノづくりをすることが心から好きなんだなということです。エンターテイメントに救われた経験が何度もあるので、私も誰か一人の心の支えになれるようなそんな人間になれるように日々、色々なことを感じて、考えて、そして楽しんでこれからも感謝を忘れず歩んでいけたらいいなと思っております。本当にありがとうございました。
若葉 竜也
このような賞をいただけて嬉しく思っています。ありがとうございます。
僕は本当に全然仕事がない頃から好きなことだけをやって、ここまで来られたので、事務所のスタッフ、社長、僕を支えてくれているスタッフたちに沢山心配をかけたと思います。「本当にこいつ大丈夫かな?」と思っていたと思うのですけれど、「こんな賞をもらえたよ」と報告できて、今、気持ち的には嬉しいよりも安心しています。僕は今もなんですが、全然役者に向いていないと思っています。聖人君子でもないし、目立ちたがり屋でもないので、あんまり向いてないなと思っています。今、僕が話している姿をどんな人が見ているか分からないですけど、もし自分が何かに向いてないなとか自分には無理だろうなって思っている人が居たら、今日からでも明日からでも何か始めてみてください。部屋の掃除とかからでいいと思うので。そうするとこんなご褒美がもらえると思います。ありがとうございます。
松本 若菜
この度はこのような素晴らしい賞をいただき、心から感謝申し上げます。
今までの俳優人生を振り返ってみて、正直、辞めようと思ったこともありました。
「次の作品が終わったら鳥取に帰ろう」と思っていました。そんな時に横浜映画祭で助演女優賞をいただいて、登壇させていただいて、その舞台上から見た景色というのが今でも忘れられないです。そのことがあって私は俳優として、絶対にこの道を生きていこうと思った瞬間でした。そして、今こうやって登壇させていただいて、この景色を見られる日が来るなんて思ってもいませんでした。そして、今回「新人賞」ということでその響きを聞いた時にこれから改めて新たな俳優人生を歩んでいけると思いました。
そうするとこれからが楽しみに感じます。これからも沢山、迷ったり悩んだりすると思いますが、自分の目の前にある一つ一つのことを積み重ねていき、真直に丁寧に向き合っていきたいと思います。
只今撮影中
連続テレビ小説「あんぱん」
NHKコンテンツ制作局 第3制作センター(ドラマ)
チーフ プロデューサー
倉崎 憲

「なんのために生まれて なにをして生きるのか こたえられないなんて そんなのはいやだ」
ここ数年、アンパンマンのテーマ曲を無意識に口ずさむ頻度が増えました。
人生百年時代と言われ、大人になるほど生き方に悩み、この歌詞が深く身に染みるのです。
人生はほんとに一回きり、自分は本当はどう生きたいのか、と。この歌詞を生み出したやなせたかしさんを抜群の行動力で引っ張ってきたのが、暢さんです。上京する時、漫画家として独立する時、いつも暢さんの行動力や言葉がありました。いわば“突破力”です。
暢さんがいなければ漫画家・やなせたかしが生まれていなかったかもしれないと、この夫婦をモデルに物語を描きたいという想いが湧いてきました。戦争体験もあるやなせさん。正義は立場が変わるといとも簡単に逆転するなかで、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンは、戦地で空腹が一番辛かったというやなせさんの経験からもきています。世の中全体が、自分が正義だといって嫌なものはみんなやっつけようというおかしな風潮を感じるなかで、放送100年でもあり、戦後80年でもある2025年にやるべき企画だと感じたのです。
脚本の中園ミホさんとお会いした時、私は鞄に忍ばせていたやなせさんの書籍「ぼくは戦争は大きらい」を差し出しました。すると、中園さんは小学生の頃に父を亡くして落ち込んでいた時に、やなせさんの詩集を読んで救われたことがあり、やなせさんにお手紙を送ったところ返事がきて、それから文通をされていたという話を聞き、全身に鳥肌が立ちました。運命を感じ、この企画をやれないと一生後悔すると思って企画をなんとか通し、そこからあっという間に今に至ります。
ヒロインオーディションには史上最多応募である3365人から、最終審査の芝居で最も心が揺さぶられた今田美桜さんをヒロインにお迎えしました。そして相手役に北村匠海さん。俳優だけでなく歌手としても走り続ける北村さんのライブに行った時に、MCで「いつ死ぬかなんてわからない。だから“今”を生きるしかないんです」などと観客らに心の底から自分の言葉で語りかける北村さんを目の当たりにして、やなせさんから受け取る何かとリンクするものがあって。これはピースがハマったと。
日々、温かくて一生懸命な現場で収録が順調に進んでおり、それも座長である今田さん、そしてヒロインを支える周りのキャスト陣、各部スタッフの賜物だと思います。
二人が走った激動の人生を通じて、生きる喜びが身体中から湧いてくるような朝ドラをお届けできたらと思います。

私の新人時代
テレビ朝日 ストーリー制作部
竹園 元

「五粒の真珠」という御木本幸吉の生涯を描いた単発ドラマAD(助監督)からスタートしました。大阪の放送局に新卒で入社した私は、「ドラマ希望」でドラマ班に配属されたものの、学園祭で演劇を少しかじっただけで「1年目は希望通りに配属されない」という噂を鵜呑みにしていたので、いきなり現場に出され焦っていたかもしれません。初めての仕事は、大阪・千里にあるスタジオから伊勢志摩までの「ロケ地図」作り。現地に行って、とても丁寧な地図を描きました。
ロケ初日。土地勘の無かった私が描いた地図は「詳細な下道(したみち)」の地図。私の地図を信じて高速道路に一切乗らなかった照明車が現場に間に合わず大目玉(携帯の無い時代です)。良かれと思って寒いナイトロケで用意した50杯分のコーヒーを転んで撒き散らし、大勢のエキストラさんが出演する「赤潮発生」シーンで、訳も分からずエキストラさんにキューを出していたらいつの間にか画に入って見切れてしまい大目玉(いつでも海に飛び込めるように、一日中カラフルなウエットスーツを着ていたので目立つ。CGで消せない時代です)。船首で構えるカメラの三脚を押さえるも、全く意味なく大波で三脚もろとも飛ばされ「ちゃんと押さえんかい!」とカメラマンにどやされ…、それでも役に立っているつもりでした。痛風の監督に肩を貸すのも仕事のうち。最終日、足を引きずる監督に言われました。「お前は3割役に立って、7割足を引っ張っとる」。「コンチキショー! 足踏んだろか」と思ったものです。でも、今ならわかります。「3割」も役に立ってると言ってくれた先輩は間違いなく優しい。あれから30年。先日、自分がPDを担当した「花のれん」というドラマのOAが終わった直後、電話が鳴りました。「久しぶりにエエドラマ観たわ、おおきに!」。伊勢の海で一緒に波に飛ばされた大先輩のカメラマンからでした。不適切な時代でしたが、感謝しかありません。
事務局だより
◎訃報
山田 火砂子(特別功労会員)1月13日逝去(92歳)
会員証に関する大切なお願い
2028年3月31日期限の新しい会員証を発行、先月3月号会報と共に同封いたしました。
ご確認頂き不備などありましたらメールにて(info@producer.or.jp)その旨お知らせ下さい。
また、顔写真提供がない方(10年以上前の写真の場合も)へは発行できませんでした。
(会費未納の方も含まれます)
大変お手数ですが、顔写真をjpgデータ送信(info@producer.or.jp)してください。
(会費が遅れている方は早急にお手続きください)
直ちに発行してお送りいたします。
ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
エランドール賞授賞式番組放送の予定
放送局 :BS日本映画専門チャンネル(無料放送)
放送回数:全6回
放送期間:2025年3月15日(土)~4月末日
放送日時:初回放送 3月15日(土)11:00~(60分枠)
リピート放送 3月20日(木)9:00~/3月30日(日)24:40~
4月中に3回リピート放送予定
視聴方法:BS放送の日本映画専門チャンネルに、チャンネルを合わせていただければ、ご登録せずにどなたでも無料でご視聴頂けます。(ノースクランブル放送)
配信先: 日本映画専門チャンネル公式YouTube
https://www.youtube.com/user/kinemaniality/featured
日本映画テレビプロデューサー協会公式HP
https://www.producer.or.jp/index.html
配信期間:2025年5月~ 約6か月間
第78回 親睦ゴルフ会のお知らせ
《日時》令和7年5月31日(土曜)
8時45分集合9時10分 インコーススタート(5組20人予定)キャディ付き
《場所》越生ゴルフクラブ
https://www.ogosegc.co.jp
埼玉県比企郡ときがわ町大字番匠61
0493-65-1141
東武東上線坂戸駅(クラブバスあり)関越道坂戸西出口利用
《参加費》20,000円 プレー費、パーティ費(昼食、練習などは各自負担)
☆参加の有無につきましては、電子メールにて事務局までお知らせください。
info@producer.or.jp
親睦委員会 委員長 高橋信仁
事務局 山本秀人
インフォメーション
◎会合・会議の記録
3月11日(火) 17時00分~ デジタル編集委員会(リモート)
3月25日(火) 17時00分~ 会報委員会(リモート)
3月26日(水) 18時30分~ エランドール委員会(リモート)
3月27日(木) 18時30分~ 第7回定例理事会(東映本社8階会議室)
◎会議の予定
5月13日(火) 17時00分~ デジタル編集委員会(リモート)
5月14日(水) 17時00分~ 会報委員会(リモート)
5月21日(木) 16時00分~ 親睦委員会(事務局)
未定 18時30分~ 第8回定例理事会(東映本社8階会議室)